【泣けるようになったあなたへ】雪解けの後、涙が出てから、グリーフはどこへ向かうのか。

【泣けるようになったあなたへ】雪解けの後、涙が出てから、グリーフはどこへ向かうのか。

記事
コラム
前回は、私自身の体験から「グリーフが愛に変わる瞬間」を書きました。

今回は、その変化がなぜ起きるのか。涙が出るようになった後、グリーフの中で何が起きているのかを、私の経験を元にもう少し丁寧に紐解いていきます。

雪解けしたら、終わりだと思っていた。

泣けない状態が続いていたとき、私はどこかで思っていました。
泣けたら、楽になる。泣けたら、前に進める。

でも実際に涙が出たとき、グリーフが終わったわけじゃなかった。むしろ、感情が動き始めた、という感覚でした。それもようやく。
凍っていたものが溶け出して、いろんなものが流れ始めた。それは楽になることじゃなくて、グリーフがやっと動き始めたということだったのだと思います。

思い出すたびに、また泣ける。

雪解けの後に起きることのひとつが、これです。

ふとした瞬間に、また涙が出る。そんな瞬間が否応なく出現してくるのです。そんな経験はありませんか?
写真を見たとき。その人が好きだったものを目にしたとき。何でもない日の、何でもない瞬間に。
その度に流れてくる涙に、「また泣いてしまった」と自分を責める人がいます。もう泣かないと思っていたのに。いつまで引きずっているんだろう。弱い人間だ。
そんな風に感じてしまうくらい、感情が揺れやすくなっていたりするのです。

でも私は、思い出すたびに泣けることは弱さじゃないと思っています。
それはブレーカーが正常に動いている証拠。感情が、ちゃんと流れている証拠。そして何より、行き着く結論はまだ愛しているという、サインです。

グリーフは、波のように来る。

グリーフの心理学に「悲嘆の波」という考え方があります。

悲しみは一直線に薄れていくのではなく、波のように寄せては返す。落ち着いたと思ったらまた来る。その繰り返しの中で、少しずつ波が小さくなっていく。
だから「また来た」と感じたとき、それは後退しているわけじゃないことを覚えておいてください。
波が来るたびに、グリーフは少しずつ形を変えています。最初は激しく叩きつけるような波だったものが、やがて静かに足元を濡らすような波になっていく。

その変化は、自分ではなかなか気づけません。でも確実に、変わっています。その変化に、ある日突然気づく時がきます。おそらく、きっと。

涙は、グリーフの出口のひとつ。

以前、グリーフには出口が必要。涙は、その出口のひとつです。
泣けなかった時間は、出口が塞がれていた時間。雪解けして涙が出るようになったということは、出口が開いたということ。
だから思い出すたびに泣けることは、グリーフが正しく流れている証拠なんです。
無理に止めなくていい。恥ずかしくない。「また泣いてしまった」じゃなくて、「また愛しているんだな」と思っていい。

グリーフはどこへ向かうのか。

では、グリーフは最終的にどこへ向かうのか。
私は「消えていく」のではないと思っています。形を変えながら、一緒に生きていくものだと。

最初は激しい痛みだったものが、やがて静かな温かさに変わっていく。悲しみが消えるんじゃなくて、愛の記憶になっていく。

思い出すたびに泣けること。それがいつか、思い出すたびに温かくなることに変わっていく——そんな日が、きっと来ます。
焦らなくていい。波に飲まれそうなときは、ただそこにいていい。
グリーフはあなたを壊すためにあるんじゃない。あなたが深く愛した証拠が、形を変えて流れているだけです。

グリーフはいろんな経過をたどりながら、やがて自分にとって一番大切なものに変わっていきます。失うことは悲しい。でも、それだけ「あった」ことへの感謝が、そこに存在していた証拠でもあるのですから。

その波の中にいるとき、一人でいることが苦しくなったら、話しかけてみてください。
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