大切な存在、大切なペットを亡くしたあと、時間が経つにつれて、また違う種類の苦しさが出てくることがあります。
今日は、そういう「少し後から来る問い」にお答えします。
Q. 最近、泣けなくなってきました。もう悲しくないということでしょうか。
そうではありません。
泣けなくなることは、心が少しずつ「悲しみと共に生きる」ことに慣れてきたサインです。悲しみが薄れたのではなく、心が消耗しきって涙を出す力も使い果たしている場合もあります。
涙は、グリーフの深さを測るものさしではありません。
泣けた日も、泣けない日も、あなたはその子のことを愛し続けています。泣けないことに罪悪感を持たなくていいです。
Q. あの子のことを思い出す回数が減ってきました。忘れてしまいそうで怖いです。
思い出す回数が減ることと、忘れることは、まったく別のことです。
毎日泣いていた時期から、ふと思い出す時期へ。
それはグリーフが変化しているだけで、その子の存在があなたの中から消えているわけではありません。
むしろ、こう考えてみてください。
思い出が「鋭い痛み」から「やわらかい温もり」に変わっていく過程かもしれない、と。
忘れることへの恐怖を感じるということは、それだけその子のことを大切にしているということです。忘れたくないと思う気持ち自体が、愛の続きです。
Q. 新しい子を迎えたいと思い始めました。でも、罪悪感があります。あの子を裏切るようで。
裏切りではありません。
新しい命を迎えたいという気持ちは、あなたの中に「愛する力」がまだある証拠です。亡くなったその子が、あなたにその力を残してくれたとも言えます。
ただ、タイミングは人それぞれです。
「もう大丈夫」と思えてから迎える人もいれば、新しい命と一緒に悲しみを乗り越えていく人もいる。どちらが正しいということはありません。
一つだけ伝えるとしたら——新しい子を迎えることは、前の子を「忘れる」ことではないということです。あなたの心の中に、その子の場所はずっとあります。新しい子が来ても、その場所は誰にも奪えません。
おわりに
時間が経つほど、グリーフは「見えにくく」なります。
周りからは「もう立ち直った」と思われ、自分でも「これでいいのか」と迷う。そういう時期が、実は一番孤独かもしれません。
どの段階にいても、話せる場所があります。