最近、「プロが間取りを細かく添削します」というサービスをたくさん見かけるようになりました。
第三者の目で図面を見直すこと自体は、とても有効な場面もあります。
ただ、その添削が “今のあなた” に本当に必要なのか?
一度立ち止まって考えてみてほしいのです。
Ⅰ モヤモヤの原因が「間取り」だけとは限りません
間取りへのモヤモヤには、いろいろな種類があります。
①提案された間取りが家族に合っていない
②土地の法規制と要望が合致していない
③予算と選んだメーカーがそもそも噛み合っていない
④ハウスメーカーの設計基準と要望が合っていない
この中で “間取り添削で対応できる” のは①程度 です。
しかし添削依頼を受けた側は、低評価を避けたいので、
どうしても問題点を多く挙げ連ねる方向になりがちです。
それは本当に“直すべきポイント”なのでしょうか?
「なんとなく不安 → とりあえず添削に出そう」
と動くと、本当の原因から少しズレることがあります。
Ⅱ 100点の間取りは存在しません
ここはぜひ先にお伝えしたいのですが、
どんな間取りにもツッコミどころはあります。
逆に、
「廊下は無駄だから無くす」
「吹き抜けは快適」
「回遊動線が正解」
といった“よく聞く正解ワード”を盲目的に採用していくと、
どこかで見たことのある建売住宅のような、
個性のない間取りになってしまうこともあります。
大切なのは、
“一般論として良い” ではなく “あなたのご家族にとって良い” かどうか。
もしかすると…
廊下を作り、プライバシーや生活リズムを分けたほうが快適
吹き抜けをなくし、空調効率と静音性を優先したほうが合う
回遊動線をやめ、シンプルで迷わない動線のほうが暮らしやすい
そんなケースもあります。
Ⅲ 建築士にとって「欠点を挙げる」は簡単です
正直にいうと、
間取りの欠点を挙げること自体は、一定の知識があれば難しくありません。
廊下が無駄空間
目線の広がりが弱い
天井は高いほうが開放感が出る
窓が対角線上にあると通風が良い
こういった指摘は、図面を見ればいくらでもできます。
しかし、本当に大事なのは “欠点を挙げること” ではなく、
「その欠点は直すべきか? 許容してよいか?」を一緒に判断すること。
ここが抜けると、
“直さなくてよい欠点”まで改善しようとして、
家の個性や使いやすさを失ってしまうことがあります。
Ⅳ 高額な添削の前に「モヤモヤの正体」を整理しませんか?
私はここでは間取り添削は行いません。
本当に添削が必要だと思えば「必要です」とお伝えしますし、
他の方の間取り添削サービスをぜひご利用ください。
逆に不要なら「今の段階では不要です」と正直に言います。
いきなり高額な添削を依頼する前に、
まずは一度、
自分は何に不安を感じているのか
そのモヤモヤは間取りの問題なのか
それとも会社・営業・仕様に関する話なのか
これらを整理する時間を取ってみてほしいのです。
ここが整理できていると、
たとえ高額な添削サービスを利用しても、
「どこを見てほしいか」が明確になり、ムダがなくなります。
Ⅴ 私の役目は「添削が必要かどうか」を一緒に見極めること
私は日々の業務で、営業・設計打ち合わせ後のプラン案をチェックしています。
現在はお客様と直接お話しする部署ではないからこそ、
間取りから“施主の暮らしや価値観を想像する”ことに重きを置いています。
だからこそ、
「すべてを直して100点を目指す添削」ではなく、
“本当に直すべきところだけを見極める” お手伝いをしたい。
その違和感は本当に間取りのせいなのか
その欠点は直すべきレベルなのか
直すことで、別の大事な部分を失わないか
こうした視点で、
あなたの小さなモヤモヤを整理する場として
私のサービスを使っていただけたら嬉しいです。