答えは全部正解。それなのに、残酷なほど違いが見えてしまう。

答えは全部正解。それなのに、残酷なほど違いが見えてしまう。

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ビジネス・マーケティング
採用試験なのに、選択肢は全部正解。

それなのに、回答を比較すると、驚くほど判断の違いが見えてしまう。

なぜ、そんな仕組みにしたのか。

きっかけは、業種の違う友人2人と話していた、採用の失敗談でした。

面接では、ちゃんと話が通じていたはずなのに


3人とも働いている業界は違います。

それなのに、採用の話になると、不思議なくらい同じ悩みが出てきました。

面接では普通に会話ができる。

質問にも答える。

こちらの話にも、理解したようにうなずいている。

ところが、実際に仕事を任せてみると、なぜか全然違う方向に進んでしまう。

「いや、そういうことを頼んだんじゃないんだけど……」

そんな場面です。

話しているうちに、ある疑問が浮かびました。

もしかして、そもそも何が重要なのかを理解するところから、ずれているんじゃないか?

「1階に吉野家があったことです」


不動産営業の仕事で、物件について話していたときのことです。

物件を評価するなら、家賃はいくらなのか、広さは十分なのか、立地や周辺の人通りはどうなのか。

営業として確認したいポイントはいくつもあります。

そこで、物件について何が一番重要だったのかを聞いたところ、返ってきた答えが、

「1階に吉野家があったことです」

だったんです。

これ、作り話じゃありません。実話です。

もちろん、1階に吉野家があること自体は事実です。

その情報が、まったく無意味というわけでもありません。

でも、不動産営業として物件を判断する場面で、真っ先にそこを挙げられると、話がかみ合わなくなってしまう。

答えは間違っていない。でも、求めている答えじゃない。

僕たちが話していた採用の問題は、まさにこれでした。

採用の失敗で疲弊するのは、現場の社員たち


採用してから、こうしたずれが見つかるとどうなるのか。

仕事の説明をやり直す。

進め方を修正する。

提出されたものを確認して、また直してもらう。

一度や二度ならともかく、毎日のように繰り返されれば、周囲の負担はどんどん大きくなります。

採用した本人だけの問題では終わりません。

採用のミスマッチによって、今いる社員たちまで疲弊してしまう。

僕たちが何とかしたかったのは、そこでした。

でも、面接では普通に会話ができていた。

だったら、採用前にどうやって見つければいいのか。

だったら、全部正解にしてしまえばいい


友人たちと話している、そのときから、僕の頭の中では仕組みを考え始めていました。

移動している間も、ずっと考えていました。

普通の試験なら、正解と不正解を用意します。

でも、それでは正しい知識を持っているかどうかを確認する試験になってしまう。

僕が知りたかったのは、そこではありません。

文章を読んだとき、何を一番重要だと判断するのか。

それなら、いっそのこと選択肢を全部正解にしたらどうだろう。

どの選択肢も、文章に書かれている内容としては正しい。

ただし、その職種、その部署、その場面で、最も重要なことは何か。

そこには優先順位があります。

全部正解なら、明らかな間違いを消して答えを選ぶことはできません。

回答する人は、文章の意図を読み取り、自分で重要だと思ったものを選ばなければならない。

すると、何を重視しているのかが表れます。

全部正解だからこそ、判断のずれが見えてしまう。

これが、採用マッチングシートの出発点でした。

でも、誰の答えを基準にする?


次に考えたのは、比較する基準です。

営業職と事務職では、仕事で重視することが違います。

同じ営業職でも、部署によって求められる判断は変わります。

それなのに、僕が勝手に「これが正解です」と決めてしまったら意味がありません。

そこで考えたのが、実際にその部署で活躍している社員たちの回答を基準にするという方法でした。

まず、基準となる社員たちに同じ質問に答えてもらう。

その人たちが何を重要視するのか、回答の傾向を集める。

そして、応募者にも同じ質問に答えてもらう。

あとは、その傾向がどれくらい一致しているかを比較する。

求めている方向性と同じ判断をしていれば、一致率は高くなる。

逆に、重要だと思うポイントが大きく違えば、一致率は下がる。

面接では見えなかった違いが、数字に表れる。

そういう仕組みを目指しました。

一番難しかったのは、質問を作ることだった


ところが、実際に作り始めると、思った以上に難しいことがありました。

質問そのものです。

なにしろ、選択肢を全部正解にしなければならない。

一つでも明らかな間違いが混ざっていたら、回答者はそれを除外できてしまいます。

それでは、ただの正誤問題です。

どの選択肢も間違っていない。

でも、何を最優先するかは違う。

その違いがきちんと表れる文章と選択肢を作るのは、意外なほど難しかったんです。

そして、質問を考えているうちに、僕自身があることに気づきました。

「そもそも、今までの面接って、質問の作り方が悪かったんじゃないか?」

こちらが求めている答えを、質問の中で教えてしまっていないか。

本当に知りたい判断の部分まで、質問できていたのか。

面接で会話が成立していたからといって、仕事で求める判断まで一致しているとは限らない。

それなのに、今までの質問では、その違いを十分に見られていなかったのかもしれません。

人を見極めるための質問を作っていたら、自分が今まで人を見極められなかった理由にも気づいてしまった。

これは、実際に開発を始めてからの発見でした。

上司が変われば、求められる答えも変わる


もう一つ、この仕組みには大切な考え方があります。

同じ質問でも、求められる答えはずっと同じとは限らない。

例えば、同じ営業部門でも、売上拡大を最優先するリーダーと、利益率や既存顧客との関係を重視するリーダーでは、判断の優先順位が変わります。

上司が変われば、部署の方針が変わることもあります。

それは、仕事の現場では当たり前のことです。

だから、比較する基準も、その時点で部署が求めている方向性に合わせる必要があります。

リーダーが変わり、求める判断が変わったなら、基準となる回答も見直す。

答えは全部正解。でも、求められる答えは変わる。

一見すると矛盾しているようですが、実際の仕事ではごく自然なことだと思っています。

採用してから「何か違う」と気づく前に


今回のシートを作るきっかけは、友人たちとの採用失敗談でした。

業界が違っても、同じような問題が起きている。

面接では普通に話ができていたのに、仕事を始めると判断の方向が合わない。

そのたびに、周囲の社員がフォローに回る。

だったら、採用前に、その違いを見つける方法を作れないだろうか。

そんな発想から生まれたのが、採用マッチングシートです。

そして開発しているうちに、僕自身も気づかされました。

人を見極めたいなら、まず質問する側が、何を見極めたいのかを明確にしなければならない。

全部正解の質問を作ることは、想像以上に難しかった。

でも、その難しさがあったからこそ、今までの面接の問題にも気づけたのだと思います。

答えは間違っていない。でも、求めている答えじゃない。

採用してからその違いに気づき、現場の社員たちが何度もフォローに追われる。

だったら、その違いを採用前に見つけられないだろうか。

そして、面接する人が毎回頭を悩ませなくても、現場が求める判断との一致度を自動で数値化できないだろうか。

そんな状況を少しでも減らし、これまで人の感覚に頼っていた判断の一部を自動化したくて、僕はこの仕組みを作りました。

採用時の判断を、もう少し客観的に


今回お話しした仕組みを形にしたのが、手間なしラボの「採用マッチングシート」です。

職場で重視する判断と応募者の回答傾向を比較し、一致度を数値で確認できるExcelツールです。

もちろん、一致率だけで採用の可否を決めるものではありません。

面接や職務経験などと併せて、判断材料を一つ増やすためのものです。

具体的な仕組みや商品内容は、こちらからご確認いただけます。


採用後の「違った」を減らす|自社基準で比べる面接評価Excel




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