創業計画書の数字、どうやって決める?|売上・経費の根拠を自分で作る方法

創業計画書の数字、どうやって決める?|売上・経費の根拠を自分で作る方法

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ビジネス・マーケティング
創業計画書を書き始めたとき、意外と手が止まるのが「数字」の部分です。

「売上はいくらにすればいい?」

「家賃や人件費は、どこまでかけられる?」

「利益はどれくらい残る?」

日本政策金融公庫の創業計画書には、売上高や経費、利益を記入する欄があります。

でも、そこに何となく希望の数字を書いてしまうと、あとから説明するのが難しくなります。

大切なのは、数字を書くことだけではありません。なぜその数字になるのか、自分で説明できることです。

実は、創業計画書を作る前に収支シミュレーションをしておくと、この数字の準備がずっと進めやすくなります。

今回は、実際の創業計画書のどの部分に、収支シミュレーションの結果を活用できるのかを紹介します。

創業計画書で求められる数字とは?


日本政策金融公庫の創業計画書には、「9.事業の見通し(月平均)」という項目があります。

ここで求められる主な数字は、次のとおりです。

- 売上高
- 売上原価(仕入高)
- 人件費
- 家賃
- 支払利息
- その他経費
- 利益

さらに、「創業当初」と「1年後または軌道に乗った後」の2つの時期について、それぞれ見通しを記入します。

つまり、単純に「毎月100万円売りたい」と書くだけでは足りません。

その売上を実現するために、何人のお客様が必要なのか。経費を払ったあとに、いくら利益が残るのか。

そこまで考える必要があります。

参考:[日本政策金融公庫|創業計画書・記入例](https://www.jfc.go.jp/n/service/dl_kokumin.html)

売上の根拠は、客数から考える


例えば、小さな飲食店を開業するとします。

想定する条件は次のとおりです。

- 客単価:1,200円
- 1日の来店客数:50人
- 月間営業日数:25日

この場合、

1,200円 × 50人 × 25日 = 月商150万円

となります。

これなら「月商150万円」という数字に、計算上の根拠ができます。

ただし、ここでもう一つ考えたいことがあります。

本当に毎日50人が来店するのか?

例えば、

- 1日40人なら月商120万円
- 1日50人なら月商150万円
- 1日60人なら月商180万円

同じ客単価でも、客数が変わるだけで売上は大きく変わります。

創業計画書の数字を決める前に、こうした条件を比較しておくことが大切です。

なお、客数の妥当性については、立地や席数、営業時間、近隣店舗の状況なども調べる必要があります。

売上だけでなく、経費と利益も準備する


売上が決まったら、次は経費です。

飲食店なら、

- 食材・飲料などの原価
- アルバイトの人件費
- 家賃
- 水道光熱費
- 決済手数料
- 広告費
- 消耗品費

などを考えます。

ここで重要なのが、売上を変更すると経費も変わることです。

例えば原価率が33%なら、

月商150万円に対する原価は49万5,000円。

月商180万円なら59万4,000円です。

一方、家賃のように売上が変わっても基本的には変わらない費用もあります。

こうした違いを踏まえて計算すると、売上だけを増やした場合に利益がどう変化するのかも確認できます。

収支シミュレーターの数字は、創業計画書のどこに使える?


手間なしラボの「飲食店 出店前収支シミュレーター」には、創業計画書の数字を準備する際に活用できる項目がそろっています。

創業計画書の項目 : シミュレーターで確認できる内容

● 売上高 : 客単価・客数・営業日数から算出した月商 
●売上原価 :原価率から算出した原材料費 
● 人件費 : スタッフ人数・時給・勤務時間から算出した人件費 
● 家賃 : 想定している月額家賃 
● その他経費 : 水道光熱費・広告費・通信費など 
● 利益 : 収支計算を基にした利益の検討材料 

また、「8.必要な資金と調達方法」に関係する、内装工事費・厨房機器・家具・初回仕入れなどの初期費用も入力できます。

ただし、シミュレーターの結果をすべてそのまま転記できるわけではありません。

例えば、手間なしラボの飲食店向けExcelでは、オーナー自身の生活費相当額を人件費として見込めるようにしています。

これは実際に生活していけるかを検討するための設計です。

一方、公庫の創業計画書では、個人事業主本人の給与を人件費に含めません。事業形態に応じて調整が必要です。

また、借入返済額と支払利息は別のものなので、利息は借入条件に基づいて計算する必要があります。

つまり、このExcelは創業計画書を自動完成させるものではなく、記入する数字を事前に整理し、検証するための道具です。

実は、面談前に数字を動かしておくことにも意味がある


創業計画書を準備するうえで、もう一つ大切なことがあります。

それは、計画の数字について質問されたとき、自分の考えを説明できることです。

例えば、融資の面談で次のような質問をされたとします。

「予定している客数より少なかったら、どうなりますか?」

「家賃が想定より高くなった場合は?」

「原材料費が上昇しても、利益は残りますか?」

こうした質問に、その場で初めて考えるのは大変です。

でも、事前に客数・家賃・原価率を変えてシミュレーションしていれば、どうでしょうか。

「1日50人を基本にしていますが、40人の場合も試算しています」

「家賃が上がった場合に必要となる売上も確認しました」

「原価率が上がるケースも考えています」

このように、自分で検討した内容をもとに説明しやすくなります。

もちろん、シミュレーションしたからといって融資審査に通るわけではありません。

また、試算した数字が現実的かどうかは、別途確認が必要です。

それでも、一つの数字だけを覚えている状態と、条件を変えて何度も考えた状態では、説明するときの自信が違ってくるはずです。

創業計画書は、提出するためだけの書類ではありません。

これから経営するお店の数字を、自分自身が理解するためのものでもあります。

「軌道に乗った後」の数字も考えてみる


公庫の創業計画書には、創業当初とは別に、1年後または軌道に乗った後の見通しを記入する欄があります。

例えば、

創業当初は1日40人。

軌道に乗った後は1日55人。

客単価や営業日数を同じにしても、売上や利益は変わります。

スタッフを増やす予定があるなら、人件費も変更してみます。

売上が増えた場合に、原価や人件費を払っても利益が残るのか。

こうした条件を一つずつ変えながら計算すれば、創業当初と将来の2つの見通しを考える材料になります。

大事なのは、将来の数字を大きく見せることではありません。

なぜ、その売上まで伸ばせると考えたのか。

その理由と数字を結びつけておくことです。

数字の準備を、もっと手軽に


ここまでの計算をExcelで一から作ろうとすると、原価率や人件費、固定費などを連動させる必要があります。

そこで手間なしラボでは、業種別の「出店前収支シミュレーター」を用意しています。

黄色の入力欄にお店の条件を入れるだけで、月商・営業利益・黒字に必要な客数などを確認できます。

客数や家賃を変更すれば、計算結果も自動で変わります。

創業計画書を作る前に、

「この売上は現実的なのか」

「経費を払って利益が残るのか」

「条件が悪くなった場合はどうなるのか」

を、自分の数字で何度でも確かめてみてください。

業種別の出店前収支シミュレーター


■ 飲食店向け

客単価・来店客数・原価率・人件費・家賃などから、収支と黒字に必要な客数を確認できます。



■ 美容院向け

施術売上や店販、薬剤費、スタッフ人件費など、美容院特有の収支を検討できます。



■ ネイル・エステサロン向け

施術単価・施術人数・材料費・物販売上などから、個人・小規模サロンの収支を確認できます。


※創業計画書そのものを自動作成する商品ではありません。

最後に


創業計画書を作るとき、最初から完璧な数字を用意する必要はありません。

まずは自分の考える条件を入力する。

結果を見て、無理がありそうなら変更する。

もう一度計算する。

その繰り返しで、少しずつ現実的な計画に近づけていくことができます。

創業計画書に数字を書く前に、その数字で本当に経営できるのか、一度確かめてみませんか。

数字に納得できれば、書類を作るときも、面談で説明するときも、自分の考えを伝えやすくなるはずです。



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