【投資と心理113】3Comを1株持てば、Palmが1.5株もらえる。それでもPalmを直接高く買う人が絶えず、3Comの残りの事業は計算上マイナス220億ドルとつけられた研究

【投資と心理113】3Comを1株持てば、Palmが1.5株もらえる。それでもPalmを直接高く買う人が絶えず、3Comの残りの事業は計算上マイナス220億ドルとつけられた研究

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マネー・副業
どうも、FXトレーダー兼システムエンジニアのナオトです。

投資と心理の話の113回目です。前回は、1987年の大暴落の日に、投資家を動かしたのがニュースより値下がりそのものだった研究でした。
今回は、同じものに2つの価格が付いたまま、何か月も直らなかった研究です。



2000年3月2日、アメリカの3Comは、子会社のPalmの株の一部を売り出しました。3Comは残りの95%を持ち、年内にそれを3Comの株主に配ると発表しました。3Comを1株持っていれば、Palmが約1.5株もらえる計算です。

つまり、3Comの株価は、Palmの株価の1.5倍より下にはならないはずです。3Comには、Palm以外の事業と、1株あたり10ドルを超える現金などもありました。



実際はどうだったか。ラモントとセイラーが調べました。

売り出しの前日、3Comの終値は104.13ドル。Palmは初日に95.06ドルで引けたので、3Comは少なくとも145ドルになるはずでした。ところが、3Comは81.81ドルに下がりました。

計算すると、3ComのPalm以外の部分は、1株あたりマイナス63ドル。会社全体でマイナス220億ドルの値が付いていたことになります。
このずれは翌日に大手の新聞で3本の記事になり、それでも何か月も続きました。Palmを直接高く買った人たちは、合わせて25億ドルを超えるお金を払っていました。



これはPalmだけではありませんでした。

1996年4月から2000年8月に、同じ形の売り出しが18件ありました。そのうち6件で、親会社の残りの部分がはっきりマイナスになりました。6件とも技術の会社です。
5件は2か月以上マイナスのままで、いちばん長いものは187営業日続きました。



なぜ直らなかったのか。著者は2つを挙げています。

1つは、高すぎるPalmを売る側に回るのが、とても高くつくか、できなかったこと。価格のずれを取りに行く人が、動けませんでした。
もう1つは、それでも高いほうを買う人がいたことです。売りの手立てが無いだけでは、ずれは生まれません。高いほうを選んで買う人がいて、初めて起きます。



この研究で私が目を留めたのは、計算は誰にでも分かるのに、その答えと違う価格が、皆の見ている前で続いたところです。同じものの高いほうを選ぶ人が、それだけいたということです。

人気の集まった取引に入るときは、同じ狙いをもっと安く取れる別の入り方がないかを、先に書き出してみてください。
過去の売買の記録から、入り方ごとの成績を並べる仕事も、ご依頼をお受けしています。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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