【投資と心理77】市場に勝っていた人がネットで売り買いを始めると、回数が増え、市場に負けるようになった。費用は下がっていたのに

【投資と心理77】市場に勝っていた人がネットで売り買いを始めると、回数が増え、市場に負けるようになった。費用は下がっていたのに

記事
マネー・副業
どうも、FXトレーダー兼システムエンジニアのナオトです。

投資と心理の話の77回目です。前回は、下がるチャートを見た金融のプロが、条件が同じ賭けに入れる額を減らした、という実験でした。
今回は、売り買いの手段が電話からネットに変わったとき、人の成績がどう変わったか、を追った研究です。



調べたのは、バーバーとオディーンです。2002年の論文です。

1990年代、電話で注文していた人たちのうち、1992年から1995年の間にネットでの売り買いを始めた1,607人を選びました。
比べる相手として、持ち株の大きさが近く、電話のままだった人を1人ずつ組にしています。



まず、ネットに移る前です。

移る前の人たちは、成績が良好でした。費用を引く前で、市場を1年あたり4.2%上回っていました。費用を引いても、2.4%上回っていました。

ただ、論文の注には、こう書かれています。
移る前の良い成績は、主に、初めから持っていた株によるもので、その間の売り買いによるものはほとんど無かった、と。



次に、移ったあとです。

持ち株を1年で入れ替える割合は、移る前の2年間は約70%でした。移った次の月には120%に跳ね、2年たっても90%のままでした。電話のままの組には、こうした変化はありませんでした。

成績は、費用を引いたあとで、市場を1年あたり3.5%下回りました。
売り買いで削った成績は1年あたり3.6%。電話のままの組は1.4%でした。



費用が上がったわけではありません。

ネットに移ると、往復の手数料は3.3%から2.5%へ、売り買いの価格の開きは1.1%から0.9%へ、下がっていました。
1回あたりは安くなったのに、回数がそれ以上に増え、成績が落ちていました。

著者たちは、これを過信で説明しています。
うまくいったのは自分の腕のおかげだと考えること。情報がたくさん手に入ることで、分かったつもりになること。自分でクリックして決めることで、思いどおりにできるつもりになること。この3つが、過信を強めたのではないか、という説明です。



取引に置き換えるなら、勝っていた時期のあとだと思います。

勝ちが続いたあとに、新しい道具や、すぐに注文できる仕組みを手に入れると、回数が増えやすい。
その前の勝ちが、腕によるものだったのか、たまたま持っていた建玉のおかげだったのかは、記録を分けて数えないと分かりません。

取引の道具を変えたときは、変える前と後で、回数と1回あたりの損益を並べてみてください。

なお、これは株の研究で、FXで確かめた研究ではありません。

道具を変える前と後の成績を、記録から比べる過去検証も、ご依頼をお受けしています。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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