どうも、FXトレーダー兼システムエンジニアのナオトです。
投資と心理の話の74回目です。前回は、金曜日に出た決算は、あとから遅れて値が動いていた、という研究でした。
今回は、売り買いを入れ替えたことが、その人にとって得だったのか、を確かめた研究です。
調べたのは、経済学者のオディーンです。1999年の論文です。
アメリカの手数料の安い証券会社の口座から、1万口座を選び、1987年から1993年までの売り買いを追いました。
買いが4万9,948件、売りが4万7,535件あります。
株を売って、別の株を買う。そうするのは、買う株のほうが、売る株より上がると考えるからです。
手数料や売り買いの価格の開きを合わせると、1回の入れ替えに約5.9%かかっていました。入れ替えて得をするには、買った株が、売った株より5.9%以上上がる必要があります。
結果はこうでした。
1年後、買った株は5.69%上がり、売った株は9.00%上がっていました。
買った株のほうが、3.31%負けていたことになります。
4か月後でも1.36%、2年後でも3.32%、買った株のほうが下でした。
費用を取り返すどころか、費用を払って、わざわざ悪いほうへ移っていたことになります。
税金のための売りや、お金が要るための売り、持ち株の割合を整えるための売りを外しても、同じ形が残りました。
オディーンは、この結果を、自分の判断を高く見積もりすぎる過信で説明しています。
自分の見立てに自信があるほど、入れ替えは増えます。でも、その見立ては、費用に見合うほどには当たっていませんでした。
投資と心理の7回目で書いた、売買の多い人ほど成績が下がっていた研究にも、オディーンが加わっています。
取引に置き換えるなら、建玉の乗り換えだと思います。
持っている建玉を切って、こちらのほうが良さそうだ、と別の通貨ペアや逆の向きへ移る。
研究の形に当てはめると、その乗り換えには、スプレッドの分だけ、確実に費用がかかります。そして、乗り換えた先のほうが良かったかは、あとで数えてみないと分かりません。
乗り換えるたびに、元のままだったらどうなっていたかを記録しておくと、自分の乗り換えが得だったかを確かめられます。
なお、これは株の研究で、FXで確かめた研究ではありません。
入れ替えの損得を、記録から数え直す過去検証も、ご依頼をお受けしています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。