どうも、FXトレーダー兼システムエンジニアのナオトです。
投資と心理の話の68回目です。前回は、自動で入る形にしただけで積立の加入が大きく増えた、初期設定の話でした。
今回は、未来の自分の意志の強さを、人は高く見積もりすぎる、という研究です。
ジムの会員になるとき、月いくらの定額にするか、1回ごとに払うか。
この選び方と、その後に実際に通った回数を、記録で突き合わせたのが、経済学者のデラヴィーニャとマルメンディアです。2004年の研究報告です。
アメリカの3つのジムの会員、7,978人の、3年分の契約と、毎日の入館の記録を使っています。
結果はこうでした。
月70ドルを超える定額の会員は、入って最初の半年、平均で月に4.8回通っていました。
1回あたりにすると、17ドルを超えます。1回10ドルで入れる券もあったのに、です。
あとから振り返って、定額のほうが1回10ドルより安く済んでいた人は、2割だけでした。
会員への聞き取りでは、これから通う回数を、実際の2倍以上に見積もっていました。
やめ方にも、同じ形が出ていました。
月ごとの定額の会員は、最後に通ってから解約するまでに、平均で丸2.29か月が空いていました。
通っていないのに払い続けた分は、平均で185ドルです。
来月こそ行く、と思っているあいだ、解約が先へ延びていたことになります。
著者たちは、こう説明しています。
人は、その場では楽なほうを選びがちで、しかも、未来の自分はもっと我慢できる、と思い込んでいる。
だから、未来の自分を当てにした契約を選び、思ったほど通わない。
投資と心理の55回目で書いた、先延ばしの話の続きにあたる研究です。
取引に置き換えるなら、明日からの自分を当てにした決まりだと思います。
明日から損切りを守る。来週から記録をつける。次からは条件がそろうまで待つ。
この研究の形に当てはめると、こうした決まりは、未来の自分の我慢を高く見積もった約束になりやすい、ということです。
未来の自分の我慢に頼らずに済む形にしておくほうが、確かです。
EAにすれば、決まりを守るかどうかを、その日の自分が選び直すことはありません。
なお、これはジムの研究で、取引で確かめた研究ではありません。
決めた決まりを、毎回そのとおりに実行するEAの開発のご依頼も受けています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。