【投資と心理67】自動で入る形にしただけで、積立の加入が37%から86%に。初めから決まっている設定の強さの話

【投資と心理67】自動で入る形にしただけで、積立の加入が37%から86%に。初めから決まっている設定の強さの話

記事
マネー・副業
どうも、FXトレーダー兼システムエンジニアのナオトです。

投資と心理の話の67回目です。前回は、PKのキーパーが、真ん中に残るほうが止められるのに跳んでいた、という研究でした。
今回は、初めから決まっている設定、つまり初期設定の強さの話です。



アメリカには、会社員が給料から老後の資金を積み立てる仕組みがあります。
入るかどうかは、ふつう本人が申し込んで決めます。

ある大きな会社が、1998年4月に、この仕組みを変えました。
新しく入った社員は、何もしなければ自動で加入する。入りたくない人だけが、断りを出す。
会社が上乗せするお金の決まりや、選べる商品は変えていません。大きく変わったのは、何もしなかったときにどうなるか、です。

この前後を比べたのが、経済学者のマドリアンと、企業で報酬の仕組みを担当していたシェイです。2000年の研究報告です。



結果はこうでした。

自動で入る形になる前の社員は、勤めて3〜15か月の時点で、加入していたのは37%。
自動で入る形になった後の社員は、同じくらいの勤め方で86%でした。



もう1つ、目立った結果があります。

自動で入った人の積立の割合は、給料の3%、行き先は値動きのほとんどない元本重視の商品、と会社が決めていました。
これがそのまま残りました。

自動で入った人の76%が、3%のまま積み立てていました。前からの社員で3%を選んでいたのは、1割ほどです。
自動で入った人の積立の80%が、決められた元本重視の商品へ向かっていました。

いつでも変えられるのに、変えない。
著者たちは、変える手間を先送りする気持ちと、会社が決めたのだからこれが良いのだろう、という受け止め方の両方を、理由に挙げています。



取引に置き換えるなら、EAやインジケーターの初期設定だと思います。

使う人の多くは、初期設定のまま動かすかもしれません。そうなると、作る側が決めた初期設定が、そのまま多くの人の取引になります。

だから、初期設定も、長い期間と実際のティックで確かめてから決める必要があります。
検証ノートの49回目で書いたように、ゴトー日のEAでは、損切りを建値へ動かす幅を、1分足では7が良く見えても、実際のティックで並べ直して5のまま残しました。

使う側から見ると、初期設定は、作った人のおすすめとして受け取られやすい、ということでもあります。

初期設定まで確かめたEAの開発のご依頼も受けています。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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