【投資と心理59】負けてきたデイトレーダーも、勝ってきた人とほぼ同じ割合で続けていた。台湾の15年分の全取引の記録

【投資と心理59】負けてきたデイトレーダーも、勝ってきた人とほぼ同じ割合で続けていた。台湾の15年分の全取引の記録

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マネー・副業
どうも、FXトレーダー兼システムエンジニアのナオトです。

投資と心理の話の59回目です。前回は、晴れた朝は株価が上がりやすいが、その差は手数料で消える大きさだった、という話でした。
今回は、負けても売買をやめられない、という話を、取引所のすべての記録で確かめた研究です。



自分に腕があるかどうかは、やってみないと分からない。だから、まず売買してみて確かめる。
これは、一見すると筋の通った考え方です。

バーバーやオディーンたちの研究チームは、この考え方が実際の売買に合っているかを、台湾の株式市場で調べました。
使ったのは、台湾証券取引所の1992年から2006年までの、すべての取引の記録です。誰が売買したかまで分かるデータです。



対象は、同じ日に同じ銘柄を買って売った人、つまりデイトレーダーです。
平均すると、ひと月に約14万人。台湾の大人の約1%がデイトレードをしていました。

費用として、売り買いそれぞれに0.05%の手数料と、売るときに0.3%の取引税を引いて数えています。



結果はこうでした。

まず、デイトレーダー全体の成績は、費用を引くと15年のどの年もマイナスでした。

次に、やめ方です。
2年以内に、75%を超える人がやめていました。成績の悪い人ほど、やめやすくなっています。ここまでは、やってみて向いていなければやめる、という筋の通った動きです。

ところが、50日以上の経験がある人に絞ると、様子が変わります。
それまで負けてきた人が、次の1年にまたデイトレードをする割合は95.3%。勝ってきた人は96.4%でした。
経験を積んだあとは、負けてきたかどうかが、続けるかどうかにほとんど効いていません。

デイトレードの売買の量の約4分の3は、10日以上の経験があって、負けてきた人から出ていました。



なぜ続けてしまうのか。著者たちは、いくつかの理由を挙げています。

勝った人の話ばかりが広まって、勝つ人が実際より多く見えること。
勝ったときに、それを運より腕のおかげと受け取りやすいこと。
そして、売買の多い人の中には、手数料の前では勝っているのに、費用を引くと負けている人がいて、その差を考えに入れていないかもしれない、ということです。

論文の最後には、腕を確かめるためのデイトレードは、腕を確かめるためにルーレットをするのと同じくらい割に合わない、という一文があります。



取引に置き換えるなら、2つのことが言えると思います。

1つは、自分の成績は、スプレッドと手数料を入れたあとの数字で見ることです。費用の前の数字では、勝っているように見えることがあります。
もう1つは、やめる、あるいはやり方を変える基準を、始める前に決めておくことです。何か月、何回の取引で、費用込みでどうなっていたら見直すか。決めておかないと、負けの記録を見ても続けてしまうのは、経験を積んだ人でも同じでした。

なお、私が読んだのは2017年の論文の草稿で、2020年に雑誌に載った版とは数字が違う可能性があります。株の研究で、FXの研究ではありません。

費用を入れた成績で、続けるかどうかを判断できるようにする過去検証のご依頼も受けています。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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