どうも、FXトレーダー兼システムエンジニアのナオトです。
投資と心理の話の53回目です。前回は、いつ、どこでやるかを前もって決めておく、実行意図の話でした。
今回は、有利なほうが分かっているのに、毎回はそちらを選ばない、という話です。
2つの絵のどちらかが出るゲームを考えます。片方は70%、もう片方は30%で出ます。出る順番はでたらめです。
次にどちらが出るかを当てるなら、いちばん当たるのは、毎回70%のほうを選ぶやり方です。当たる割合は70%になります。
ところが、多くの人は、70%のほうを7割、30%のほうを3割くらいの割合で、散らして選びます。
こうすると、当たる割合は、0.7×0.7+0.3×0.3で58%に下がります。
出る確率に合わせて選ぶ割合をそろえてしまう。心理学や経済学では、これを確率の一致と呼んで、長く調べられてきました。
2021年に、アメリカのマサチューセッツ工科大学で、金融の研究者のローたちが、この実験をお金を払って行っています。
75人が、2人の有名人の写真のどちらが出るかを、200回当てました。片方が70%で出ます。
当てた回数の真ん中の人は200回中129回、64.5%でした。毎回70%のほうを選んでいれば、平均で140回当たる計算です。
いちばん当てた人は154回、いちばん少ない人は98回でした。
面白いのは、ここからです。
確率や統計の授業を受けたことがある人ほど、選び方を散らしていました。
ゲームの中に決まった並びを見つけた、と答えた人は44%いて、その人たちも散らしていました。出る順番はでたらめなので、並びはありません。
研究者たちは、実験のあとの聞き取りから、ゲームを出し抜こうとしたのかもしれない、と書いています。
取引に置き換えてみます。
過去の検証で、勝つ側に傾いていると分かった決まりがあるとします。
それでも、数回続けて負けると、次は見送ろうか、逆に入ろうか、と気持ちで散らしたくなります。
投資と心理の28回目では、でたらめにも固まりは出る、という話を書きました。
連敗は、でたらめの中でも普通に起きます。そこに並びを読んで選び方を変えると、もとの決まりが持っていた傾きを、自分で薄めることになります。
この実験は写真を当てるゲームで、取引そのものではありません。
ただ、決まりの通りに入るか、その場の読みで散らすかを決めるのは、取引でもよくある場面です。決まりを変えるなら、その場の連敗で変えずに、もう一度データで測り直してから変えるのが安全です。
ご自分の決まりの傾きを、過去のデータで確かめる過去検証のご依頼も受けています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。