神様のお仕事日誌

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SNSの願い、どう対応する?

「ふぅ……」
白い雲の上で、神様は深くため息をついた。

手元の巻物には、今日も地上からの願いが、
星屑のようにきらめいている。隣の見習い神様が、不思議そうに首を傾げる。

「どうしたんですか、神様。最近、いつもお疲れのようですが」

「いやね、アマネ。最近の人間どもは、
やたらと『承認欲求』ってやつが強くてねぇ

神様は巻物の中から、ひときわ明るく光る一点を指さした。

「ほら、コウキだよ、コウキ。
 見てごらん、こいつの願いの輝き方ときたら……」

コウキは、神様がよく知っている大学生だ。
以前は「単位をください!」と必死だったのに、
最近は願いの内容がガラリと変わった。

神様、コウキの新たな願いに直面

「で、今回は何だ?」

巻物を広げると、コウキの願いが光の文字となって浮かび上がった。

神様!どうか、今日の投稿に1万いいね!をください!バズりたいです!

神様は、巻物を膝の上に落とし、頭を抱えた。

神様、SNSの悩みに困惑する
「えー、またいいね!かよ……」

神様はげんなりとした顔で呟いた。
見習い神様が巻物から目を離し、困惑顔の神様を見つめる。

「1万いいね!ですか?なぜ人間は、そんな数字を欲しがるんです?

「それがねぇ、アマネ。今の人間どもは、その『いいね!』とか
『フォロワー』とかいう数で、自分の価値を測ろうとするんだ。
誰かに認められたくて、認めてもらうために、必死で投稿する。
挙げ句の果てには、我々にまでお願いしてくるんだから、困ったもんだよ」

神様は、コウキの魂が放つ光を覗き込んだ。
確かに、コウキの心の奥底には、純粋に誰かと繋がりたい、
認められたいという小さな光があった。

しかし、その周りには、他人の評価にばかり気を取られ、
本当の自分を見失いかけているような、不安定な影がちらついていた。

「だいたい、ワシらが簡単に1万いいね!なんて与えたら、こいつらはどうなると思う?本当の喜びを知らずに、数字にばかり踊らされることになってしまうじゃないか」

神様は腕を組み、深く考え込んだ。

神様が見つけた「心の承認」という本質

「よし、決めた!」神様はパン!と手を叩いた。

「今回は、数字を増やすのはやめる。
 代わりに、『本当の承認』とは何か、そのヒントを贈ってやるか」

見習い神様は目を丸くした。「本当の承認、ですか?」

「うむ。人間が本当に欲しいのは、数字じゃない。
 自分のありのままを愛してくれる、たった一人の存在なんだよ」

神様は、巻物からコウキの光に向かって、
そっと「懐かしい記憶」の風を吹かせた。

それは、コウキが初めてSNSに触れた頃の、
純粋な喜びと、親友との何気ないやり取りを思い出す風だった。

コウキの日常に吹く変化の兆し

その日、コウキはいつものように、
投稿に『いいね!』がつかないかとスマホを何度も確認していた。

すると、ふと、ある記憶が蘇った。
それは、まだSNSを始めたばかりの頃、たった数件の『いいね!』でも、
親友がコメントをくれただけで心から嬉しかった、あの日のことだ。

その時、スマホが震えた。画面を見ると、親友からのメッセージだった。
「最近元気にしてる?前みたいに、またゲームしようよ!」。

コウキはハッとした。
彼はここしばらく、親友との個人的なやり取りを怠り、
SNSの数字ばかりを追いかけていたことに気づいたのだ。

コウキは、すぐさま親友に返信し、ゲームの約束を取り付けた。
そして、今日のSNS投稿のことは、すっかり忘れてしまった。

変化するコウキの心

雲の上で、神様は満足そうに小さく頷いた。

「ほら見ろ。人間ってのは、他人の目ばかり気にしていると、本当に大切なものを見失っちまうもんだ。ワシらの仕事は、ただ願いを叶えるだけじゃない。『自分の中に答えがある』ってことを、思い出させてやるのが仕事なんだよ」

神様は、また巻物を広げ、次なる願いの光に目を向けた。
今度は、ダイエットに成功したいと願う女性の光だ。

「よし、これにはちょっとばかり『散歩の誘惑』を仕掛けてやるか。
 美しい景色を見れば、歩くのも楽しくなるだろう」

神様のお仕事は、今日も続く。願いは常に届いている。
ただ、それをどう料理するかは、神様とほんの少しのひらめき次第なのだ。
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