先日、某出版社で小説の編集をしている友人から、こんなLINEが来ました。
「村山由佳さんの『PRIZE―プライズ―』って読んだ? まだならぜひ読んでみて。とにかく、すっごいから!」
ということで、予備知識なくさっそく読んでみました。
主人公は「本屋大賞」で1位を獲得するなど、話題のある女性作家。
新作を出すたびに大ヒットし、多くの作品が映像化されるなど、とにかく売れっ子の人気作家です。
しかし、その人気はあくまでも「大衆的」なもの。
毎年、直木賞の候補になるものの、あと一歩で届かず。
とにかく、直木賞が欲しい、権威ある文壇から評価されたい――
と、苦闘する物語。
今時では信じられないくらい、この作家は我が儘放題。
ヒット作連発、という実績を鼻にかけ、編集者たちにパワハラ三昧です。
そんな作家と、編集者とのやりとりを読み……
「これ全部、私の実体験だ…」
と胸が痛くなりました。
かつて、文芸の編集者をしていた私。
形は多少違えど、作家とのやりとりは、本当にここに描かれている通りで、読んでいてとにかく当時の日常をありありと思い出させられました。
読了後、他の編集者たちにも感想を聞いて、みな口々に、「これは、まんま実話だね」と。
それどころか、
「明らかに、主人公のモデルはAさんだよね」
「この編集者は○社の○○さんだ」
などなど、登場人物たちの元ネタが実名で挙がりました。
業界外の読者の皆さんには、どれくらい伝わるものなのでしょうか……。
こんないやな作家、本当にいるのか、と思いますか?
あの有名な、Aさんです……!
もはや業界内で、その悪行を知らない人はいないのでした。
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