[重賞展望]宝塚記念の傾向と平日推奨馬

近５年傾向Pickup

・基本的に波乱度は高い(過去５年で複勝圏内に好走した１５頭中９頭は当日単勝４番人気以下、単勝１番人気は１勝のみ)

・スピード指向で、近２走以内に芝重賞で３コーナー５番手以内の先行経験or前走１６００ｍ重賞出走馬の期待値が高い(過去５年で４人気以下で複勝圏内に好走した９頭全馬が該当)

・父欧州型や、父か母父ノーザンダンサー系などの非主流血統が走る(該当馬は過去５年で４勝、４人気以下で馬券に絡んだ９頭中８頭も該当)

・トニービン、サドラーズウェルズ、キングマンボなど欧州の名血の影響が強い血統馬も毎年走る(過去５年で４人気以下で複勝圏内に好走した９頭中８頭が該当)

・近年は牝馬も走る、特に芝１６００ｍ重賞で３着以内の好走実績を持つ馬(過去５年で牝馬は３勝、直近４年連続で合計５頭が３着以内に好走、その５頭中４頭はマイル重賞の好走実績を持っていた馬)

総括

過去５年の宝塚記念で３着以内に好走した１５頭中９頭は、当日単勝４番人気以下の人気薄。

いわゆる非根幹距離の小回りコース、更にはＪＲＡ芝Ｇ１レースの中では唯一となる混合の２２００ｍＧ１ということもあり、基本的には波乱度も高いＧ１競走。

この傾向に伴い、血統的にも主流とは相反するタイプが走りやすく、非サンデー系血統、中でも父欧州型、あるいはノーザンダンサー系血統馬などが走りやすい傾向も当レースならでは。

昨年の当レースは、欧州の大種牡馬トニービンとサドラーズウェルズの影響が強い血統馬タイトルホルダーが優勝。

また昨年は、トニービンorサドラーズウェルズの血を持つ馬が複勝圏内を独占。馬券に絡んだ３頭中２頭は、父も母父も非サンデー系。

２０２０、２０２１年は父も母父も非サンデー系で、凱旋門賞馬バゴ(レッドゴッド系)産駒のクロノジェネシスが連覇。

一昨年７人気２着ユニコーンライオンは、父も母父も非サンデー系で、ストームバードを経由するノーザンダンサー系No Nay Never産駒。母父High Chaparralはサドラーズウェルズ系種牡馬。

２０１９年は、母の父に凱旋門賞馬トニービンの血を持つハーツクライ産駒が１着３着に好走。

ハーツクライは現役時代に宝塚記念同様、非根幹Ｇ１で非主流要素の強い有馬記念(中山芝２５００ｍ・Ｇ１)でディープインパクトを撃破した馬。

種牡馬としても、主流ではない非根幹距離や内回り重賞で期待値の高い、主流のサンデー系の中では特殊な才能を持つ種馬。

２０１８年は、父も母父も非サンデー系で父欧州型、かつ当日単勝７人気以下の該当馬が複勝圏内を独占して３連単の配当金が４９万円超の大波乱決着に。

この年は、父か母父サンデー系に該当した当日４番人気以内馬４頭全馬が４着以下に敗戦。

この結果が示す通り、トニービン、サドラーズウェルズ、バゴ等々、日本の主流血統とは相反する凱旋門賞血統馬の活躍も際立つレース。

以上を踏まえて推奨馬は下記の通り。

推奨馬

ジオグリフ…２走前のサウジカップ(沙Ｇ１・ダ１８００ｍ)では道中２番手の先行経験。前述の通り基本的にはスピード指向の強いレースで近走先行経験馬の期待値が高いレース。昨年も近走先行経験馬が上位を独占。血統構成はストームバード系ドレフォン×キングマンボ系キングカメハメハ。ストームバード系の血を持つ馬は近年の宝塚記念の特注系統。昨年５人気２着ヒシイグアス、一昨年７人気２着ユニコーンライオン、２０２０年１２人気３着モズベッロも父か母父ストームバード系の血統馬。母父キングカメハメハで近走先行経験馬という意味では昨年４人気３着デアリングタクトを彷彿。また、母アロマティコも芝２２００ｍＧ１レースの好走実績馬で、自身もこれまで非根幹距離の重賞レースに限れば連対率１００％。尚、直近３走は全て海外Ｇ１に挑戦。うち２戦はダート戦を試された参考外レース。３走前の香港Ｃ(Ｇ１)もスタートでゲートが合わず不完全燃焼の競馬に。日本の中距離戦、中でも小回り＆右回りコースの中距離戦という意味では未だ底は見せておらず、昨年の皐月賞では今回も上位人気濃厚のイクイノックスに完勝した実力馬。その皐月賞以来の適条件といっても過言ではない今回は大波乱演出も。

ジェラルディーナ…宝塚記念と同舞台で施行された昨年のエリザベス女王杯(阪神芝２２００ｍ・Ｇ１)を完勝。オールカマー(Ｇ２・２２００ｍ)１着、有馬記念３着(Ｇ１・２５００ｍ)等々、いわゆる非根幹距離重賞のスペシャリスト系。父は欧州型ロベルト系モーリス。近年の当レースは過去５年で４勝と父欧州型圧倒的有利の傾向も。尚、種牡馬モーリスは欧州競馬の大種牡馬サドラーズウェルズの血の影響も強い種馬。昨年２人気１着タイトルホルダー、一昨年７人気２着ユニコーンライオン、２０１８年１０人気２着ワーザーも父か母父サドラーズウェルズ系血統馬。過去５年で３勝と牝馬の期待値も高いレースで、適性の高さという意味では、非根幹距離かつ小回り＆内回りＧ１で類似性が高いとされる有馬記念以上の可能性も。

ライラック…欧州血統馬が走るレースに強いオルフェーヴルの産駒。そのオルフェーヴル自身も２０１２年の宝塚記念を圧勝。母父キングカメハメハも昨年３着デアリングタクトと同様。また、父キングカメハメハ系はこの馬に限らず過去５年中３年で連対と特注系。前述の通り牝馬も走るレースで、中でも芝１６００ｍ重賞で３着以内の好走実績を持つ馬は過去５年で３勝と特注系。また、この馬自身も阪神芝２２００ｍＧ１の連対実績馬で、母方はダイワメジャー、ダイワスカーレットなどを輩出した超名牝系スカーレットインクの一族。非根幹適性と牝系のスケール等々も込みで高配当演出に一考。

※最後まで読んでいただきありがとうございました。内容を気に入って頂けたらお気に入り登録、フォローもよろしくお願いします。フォロバもします！