宝塚記念(G1) [重賞最終見解]

2023年06月25日(日)

阪神11R 宝塚記念

過去５年の宝塚記念で３着以内に好走した１５頭中９頭は、当日単勝４番人気以下の人気薄。

いわゆる非根幹距離の小回りコース、更にはＪＲＡ芝Ｇ１レースの中では唯一となる混合の２２００ｍＧ１ということもあり、基本的には波乱度も高いＧ１競走。

この傾向に伴い、血統的にも主流とは相反するタイプが走りやすく、非サンデー系血統、中でも父欧州型、あるいはノーザンダンサー系血統馬などが走りやすい傾向も当レースならでは。

昨年の当レースは、欧州の大種牡馬トニービンとサドラーズウェルズの影響が強い血統馬タイトルホルダーが優勝。

また昨年は、トニービンorサドラーズウェルズの血を持つ馬が複勝圏内を独占。馬券に絡んだ３頭中２頭は、父も母父も非サンデー系。

２０２０、２０２１年は父も母父も非サンデー系で、凱旋門賞馬バゴ(レッドゴッド系)産駒のクロノジェネシスが連覇。

一昨年７人気２着ユニコーンライオンは、父も母父も非サンデー系で、ストームバードを経由するノーザンダンサー系No Nay Never産駒。母父High Chaparralはサドラーズウェルズ系種牡馬。

２０１９年は、母の父に凱旋門賞馬トニービンの血を持つハーツクライ産駒が１着３着に好走。

ハーツクライは現役時代に宝塚記念同様、非根幹Ｇ１で非主流要素の強い有馬記念(中山芝２５００ｍ・Ｇ１)でディープインパクトを撃破した馬。

種牡馬としても、主流ではない非根幹距離や内回り重賞で期待値の高い、主流のサンデー系の中では特殊な才能を持つ種馬。

２０１８年は、父も母父も非サンデー系で父欧州型、かつ当日単勝７人気以下の該当馬が複勝圏内を独占して３連単の配当金が４９万円超の大波乱決着に。

この年は、父か母父サンデー系に該当した当日４番人気以内馬４頭全馬が４着以下に敗戦。

この結果が示す通り、トニービン、サドラーズウェルズ、バゴ等々、日本の主流血統とは相反する凱旋門賞血統馬の活躍も際立つレース。

ジオグリフは、２走前のサウジカップ(沙Ｇ１・ダ１８００ｍ)で道中２番手の先行経験。

基本的にはスピード指向の強いレースで、近走先行経験馬の期待値が高いレース。

近２走以内に芝重賞で３コーナー５番手以内の先行経験or前走１６００ｍ重賞出走馬は、過去５年の宝塚記念で当日単勝４番人気以下で複勝圏内に好走した９頭全馬が該当する特注系。

昨年も近走先行経験馬が上位を独占。

血統構成は、ストームバード系ドレフォン×キングマンボ系キングカメハメハ。

ストームバード系の血を持つ馬は。近年の宝塚記念の特注系統。

昨年５人気２着ヒシイグアス、一昨年７人気２着ユニコーンライオン、２０２０年１２人気３着モズベッロも父か母父ストームバード系の血統馬。

母父キングカメハメハで近走先行経験馬という意味では、昨年４人気３着デアリングタクトを彷彿。

また、母アロマティコも芝２２００ｍＧ１レースの好走実績馬で、自身もこれまで非根幹距離の重賞レースに限れば連対率１００％。

尚、直近３走は全て海外Ｇ１に挑戦。

うち２戦はダート戦を試された参考外レース。

３走前の香港Ｃ(Ｇ１)も、スタートでゲートが合わず、直線で末を伸ばすも不完全燃焼の競馬に。

日本の中距離戦、中でも小回り＆右回りコースで非根幹距離の中距離戦という意味では未だ底は見せておらず、昨年の皐月賞では今回も上位人気濃厚のイクイノックスに完勝した実力馬。

その皐月賞以来の適条件といっても過言ではない今回は大波乱演出の可能性も十分と判断します。

以下は、上位人気馬を順当に評価。

イクイノックスは、血統表に、ウインドインハーヘア、ダンシングブレーヴ、トニービンと、欧州の名血系が凝縮されたタイプで、近年の当レースで期待値の高い有馬記念＆海外Ｇ１レースの勝利実績も持つ馬。

どちらかと言えば、非根幹指向の強いレースのほうが能力を発揮しやすいタイプで、これといった懸念点も皆無。

欧州型ロベルト系モーリス産駒のジェラルディーナも、エリザベス女王杯１着、有馬記念３着、オールカマー１着等々の実績が示すように、典型的な２２００、２５００ｍ等々、非根幹距離得意のキャラクター。

どちらも世界基準の鞍上であることも込みで、まず大崩れも考え難いと見立てます。

推奨馬

ジオグリフ

イクイノックス

ジェラルディーナ