中小企業経営のための情報発信ブログ373:老害は組織をダメにする?

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今、人生100年時代を迎えようとしています。「老いなき社会」をどのような迎え、ビジネスはどう変わるべきか、そして私たちはどのように生きるべきか、が問われようとしています。
半世紀前に比べて明らかに健康寿命は伸び「若い」と言える年齢もどんどん上がっています。今から40年前には30代で「おじさん・おばさん」と言われていたのが、今では30代はまだ「ひよっ子」です。また60代で「おじいさん・おばあさん」と言われていたのが、今では75歳の後期高齢者になって「おじいさん・おばあさん」と言う呼称がしっくりくるようになっています。まだまだ60代、70代前半はまだ若く矍鑠としています。こうした面は肉体・身体だけではなく精神面も同じです。江戸幕末期に、日本の将来を憂え日本を洗濯しようとした坂本龍馬は20代後半から31歳で暗殺されるまで活躍します。明治維新の立役者と言われる人達のほとんどが当時30代です。確固たる思想を持ちそれをエネルギーに変えて行動に移せるような人物は、今の20代、30代にいそうにありません。40代、50代でも然りです。現代人は昔に比べると精神的に幼稚になっているように思います(自分も含めてですが)。
昔は若者には若者のしぐさがあり、年寄りには年寄りのしぐさがありました。また、ファッションでも若者のファッションと年寄りのファッションには大きな隔たりがありました。ところが最近では、趣味・嗜好でも若者と年長者で差がなくなり、着ているものや持ち物でも違いがなくなってきています。いくつになっても若者と同じくユニクロの服を着て、(昔は60を超えれば演歌でしたが)若者と同じポップスやロックを聴いています。「今は老いたくない時代だ」と言う人もいます。健康寿命が80年、更に90年となれば、仕草や趣味・嗜好だけでなく、見た目も20代・30代と60代・70代とで変わらなくなってきそうです。そうなれば、年齢や老いというものが消滅して「老い」を決めるのは自分自身ということになってきそうです。
80年代は55歳定年でしたが、今は60歳から65歳定年に移行し、更には70歳定年に引き上げようとしています。これには、少子高齢化で年金年齢を引き上げざるを得ない政府の思惑もありますが、それだけ高齢者も健康で労働意欲が高まっているからです。
日本では「老害」ということが問題視されています。年を取って働き続けるということにネガティブなイメージが定着しているのです。年老いてまで働くことで周りに迷惑をかけてしまうのではないかという意識が生まれます。例えば、新しいテクノロジーに適応できないのではないかという意識です。一部年長者に頭の固い人がいますが、概して全般的に真面目に若者よりストレスなく取り組み新しいスキルを習得します。また、若い世代からすればこれまで上司であった人を部下として指示を出すことに対するストレス、年長者からすればかつての部下にこき使われることに対する不満などがあります。
上の世代の知識や経験と下の世代の才能をうまく結びつけて、お互いが協力し合える体制が作られるならば両者の不満やストレスは解消されます。
一般的にすべての年寄り・老人が害を与えるわけではありません。また害を与えるのは年寄・老人だけに限ったことではありません。「老害」だけでなく「若害」もあり得ます。それは個人個人の資質・問題です。先ほど書いたように、「年齢や老いというものが消えて『老い』を決めるのは自分」なのです。
人々が老いるから、社会や会社がダメになるわけではありません。日本では、かつては「新しい産業を作るのだ」「欧米に追い付け追い越せ」という野望に燃えて、全員がイノベーションに向かうという覚悟をもって取り組んできました。こうしたことが日本の高度成長期を支えてきたのです。ところが時代が経つと、あとから入った世代は上の世代がやっていることをそのまま踏襲するようになり、イノベーションを起こそうという気概が消えてしまいました。上がやってきたことをそのまま真似ていればしくじることがないというわけです。これがここ数十年にわたり日本が低迷している理由の一つです。結局は組織そのものが老いて腐ってきているのです。それは組織だけの問題ではなく、そこで働く人たちにも問題があったからです。
アメリカでは「組織自体が新陳代謝できれば、50代60代でもいくらでも働く場がある」と言われますが、日本では難しい面があります。アメリカでは会社がつぶれて新陳代謝がなされていますが、日本ではほとんどすべての企業が生き残っています。例えば、アメリカでは1950年代のIT企業の中で生き残っているのはIBMだけですが、日本では富士通、シャープ、日立、NEC、NTT(旧電電公社)などすべてがつぶれず生き残っています。確かに会社が大きくなってイノベーションを起こせないという面もありますが、これら日本の企業も改革を行いながら様々なイノベーションを少しずつ起こして生き延びているのです。「いま日本の大企業がどんどん潰れて、そこから流出した優秀な中高年の社員がスタートアップに移ったならば、活躍するのではないか」と言われますが、どうでしょうか。優秀な社員が優秀なスタートアップ企業の経営者になれるかは別問題です。組織を潰すのではなく、組織内の新陳代謝を図り上の世代と下の世代が結びつき協力できる体制を作ることこそが重要なように思います。
ここで重要なのは「老害」が組織をダメにするわけではないということです。組織をダメにするのは年齢や老いには関係ありません。いくつであっても常に新しい知識やスキルを身につけよう、吸収しようと努力する限り老いません。そうした努力をしなければ若くても老いているのと同じです。こうした努力をせずにのほほんと生活している人が組織をダメにするのです。日本の年功序列・終身雇用に問題であるともいえます。
しかし、だからといって、欧米型のジョブ型雇用や成果主義をそのまま取り入れてもうまくいくはずはありません。それぞれにメリット、デメリットがあります。日本型雇用の利点を活かしつつ、欧米型の利点を取り入れるといったハイブリッド型の雇用形態を考えてみることです。

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