かなり前に割と評判になった「人は見た目が9割」(竹内一郎著)という本があります。
よく言われる「人を見た目で判断してはいけない」に真っ向から反対した主張ですが、かなり説得力はあります。
面白いので、以下に概略を紹介します。
アメリカで行われたある心理実験では、人が他人から受け取る情報の割合は顔の表情が55%、話し方が38%、そして話す内容は7%とのことです(メラビアンの法則)。
要するに人は相手の言葉の内容よりも表情を見ると言うわけですね。
たとえば、人は瞳孔が拡がった相手に好意を感じるのだそうです。
これはよく知られていて、広告業界なんかでは実際にそういう工夫が行われています。
「人を騙す者の魅力」との花言葉を持つベラドンナも瞳を美しく見せる効果があるとして、昔から使われてきました(現在も一部の点眼薬の成分に含まれています)。
余談ですが、「ベラドンナの秘薬」なんて言う惚れ薬もあるようですが、こちらのほうの効果は保証の限りではありません。
次に、人と話す時の視線の位置ですが、無難に相手に接したい時は、両方の目と鼻が作る三角形のゾーン(社交ゾーン)を見ます。
特に親密感を出したい時は、目から顎、胸元、 股間(親密ゾーン)を見るといいんですね。
股間と言うと随分あけすけみたいですが、男女を問わず相手に好意を持っていれば自然に目が行くのだそうです。
精神的に優位に立ちたい時は両目から額の中心を見ます。
反対に、話している時にうなづきが多かったり(4回以上)、うなづきの間が合っていない場合、そして、まばたきが多いと信用を得られません(視線を逸らしているように思われる)。
また、腕を体の前に置くのも良くないですね。
体の前で腕を組む人がいますが、これは相手を拒否しているように思われます。
つま先の方向も相手に対する感情を表わします。
好きなものの方向を向くわけです。
あと、相手に好意を持つと、いわゆるミラーリングといった行動を取るようになります。
このミラーリングはわりと有名になりましたが、簡単に言えば相手の動作や言葉使い、イントネーションなど真似ることです。
これを意識的にすれば相手に好意を持っていることを強調できますし、悪い印象を持たれることもないでしょう。
人間関係が苦手だと思う人は試してみると良いかも知れません。
勿論、万能と言うわけではありませんが。
では。