第12回 近くに住んでいるというだけで、私が全部引き受けるの?

第12回 近くに住んでいるというだけで、私が全部引き受けるの?

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親の介護、何から話せばいい?  
― 親も子も安心する、介護準備の小さな一歩 ―

「近くにいるんだから、お願いね」

親や兄弟姉妹から、そう言われたことはありませんか。

最初は、一度の買い物や通院の付き添いだった。

それが少しずつ増えて、いつの間にか、自分が対応することが当たり前になっている。

「私にも仕事や生活があるのに」  
「断ったら、冷たいと思われるのかな」

まだ介護が始まっていなくても、「何かあれば、近くにいる自分が全部引き受けることになるのでは」と、不安を感じている方もいるでしょう。

今回は、住む場所によって負担が集まりそうなとき、ご自身の暮らしも含めて、関わり方を考えます。

「近いから行ける」と「続けられる」は違う

実家までの移動時間が短くても、仕事の予定を変えたり、休息の時間を減らしたりする必要はあるかもしれません。

一度は対応できても、毎週、あるいは急な呼び出しのたびに動けるとは限りません。

役割を考えるときには、住む場所だけでなく、あなたの仕事、体調、生活、親との関係も含めてよいのです。

以前から親に会うと責められてきた方や、兄弟姉妹から一方的に頼まれることが多かった方もいるでしょう。

家が近くても、連絡や訪問が大きな負担になることはあります。

「近くに住んでいるのだから」と、その事情まで小さく扱う必要はありません。

段取りや連絡も、あなたが担っていることです

負担は、親の家にいる時間だけでは測れません。

頼まれたものを確認する。
買い物の予定を組む。
通院の日程を調整する。
終わったあと、兄弟姉妹に様子を伝える。

「何かあれば、自分に連絡が来る」と、休日も落ち着かないことがあるかもしれません。

ご自身が何に疲れているのか、最近困った一件を、次のように書いてみてください。

1.引き受けていること: 毎週末の買い物と、実家への届け物
2.自分の生活への影響: 休日に十分休めなくなった
3.見直したいこと: 毎週、自分が行く前提を変えたい

「買い物くらい」では伝わりにくい負担も、暮らしへの影響まで書くと、相談しやすくなります。

すべてを記録しようとせず、今いちばん困っていることからで構いません。

今の自分が担える範囲を、確かめてみる

「どこまでなら、今の生活の中で対応できそうか」

そう考えてみると、例えば、次のような言葉になるかもしれません。

「月に1回なら行けそう。でも、毎週末を空けておくのは難しい」

「急な依頼には、その都度、自分の予定を確認して返事をしたい」

「親と直接会うことには強い負担がある。まず、ほかの支え方を相談したい」

これまで引き受けてきたことも、仕事や体調が変われば、見直しが必要になります。

ご自身が休む時間も、生活の一部です。

まだ範囲を決められない場合は、「これ以上増えるとつらいこと」を一つ挙げるところから始めてみてください。

話せそうなら、難しいことと頼みたいことを具体的に

ご自身にやり取りする余裕があり、兄弟姉妹とも話せそうな場合には、今の負担と、頼みたいことを具体的に伝える方法があります。

例えば、

「毎週の買い物で、休日に休めなくなっているんだ。来月から毎週行くのは難しいので、実家で使える配達サービスを調べるところをお願いできる?」

という伝え方です。

遠方に住んでいても、情報を調べたり、必要な連絡を担当したりできる場合があります。実際に利用する方法は、親の希望や費用なども確認しながら考えます。

その際には、調べること、手配すること、家族に報告することまで、いつも自分が担当していないかにも目を向けてみてください。

ただし、言葉を工夫すれば必ず協力してもらえる、というものではありません。話しかけること自体がつらい場合は、先に別の相談先で整理する方法もあります。

 家族との話し合いが難しいときは、先に相談を

「近くにいるんだから、何とかしてよ」

そう返されると、結局、自分が我慢するしかないと思ってしまうかもしれません。

そのようなときも、ご自身の困りごとを相談してよいのです。
家族の分担が決まるまで、一人で考え続ける必要はありません。

親の暮らしを支える方法については、親が暮らす地域の地域包括支援センターに相談する方法があります。

高齢者やその家族から、介護・福祉に関する相談を受け付けている窓口です。

「親の近くに住んでいて、日常の対応が自分に集まっています。今の生活を続けながら、利用できる支援を知りたいです」

と、今困っていることから伝えてみてください。

親や兄弟姉妹との関係が難しい事情も、話せる範囲で伝えることで、今の状況に合った支え方を考える材料になります。

ご相談では、あなた自身の暮らしも一緒に考えます

「近くに住んでいるために、私ばかり頼まれます」

「まだ介護は始まっていませんが、自分に負担が集まりそうで不安です」

そのような思いから、介護準備の相談を始められます。

60分の相談では、親の状況や家族との関係を伺いながら、現在の負担や不安、ご自身が関われそうな範囲、家族への伝え方、次に確認・相談したいことを一緒に整理します。

ご相談の時点で、家族と話し合えていなくても構いません。どこまで関わりたいか、まだ決まっていなくてもお話しいただけます。

ご相談は60分・3,000円(税込み)です。

次回は、「何年も話していない兄弟と、介護のことをどう整理すればいい?」をテーマに、連絡するか迷う気持ちと、今できる準備をお伝えします。

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