第18回 親の介護費用、兄弟に負担の話をしづらいあなたへ

第18回 親の介護費用、兄弟に負担の話をしづらいあなたへ

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親の介護、何から話せばいい?  
― 親も子も安心する、介護準備の小さな一歩 ―

「いったん、私が払っておこう」

親の通院の交通費や、頼まれた日用品。
一回ごとは少額でも、重なると家計への影響が気になってきます。

兄弟姉妹にも相談したい。
でも、「そんな細かいことを言うの?」と思われそうで、言い出せない。

まだ介護が始まっていなくても、「費用が足りなくなったら、誰が払うのだろう」と心配している方もいると思います。

今回は、お金の話を切り出す前に、自分の側で整理しておきたいことをお伝えします。

お金の話には、これまでの家族関係も重なります

親の介護費用について話しづらい背景には、金額だけでは説明できない事情があります。

「昔から、兄弟の中で私ばかり我慢してきた」
「親のお金の話をすると、財産目当てだと言われる」
「以前、お金のことで揉めてから、兄弟を信用できなくなった」

こうした経験があれば、話し合いをためらうのも無理はありません。

親との関係がつらかった方にとっては、費用を求められることで、昔の傷ついた気持ちがよみがえることもあるでしょう。

費用の心配も、家族に話したくない気持ちも、相談してよいことです。

一度の話し合いで、これまでのわだかまりまで解消しようとしなくて大丈夫です。まずは、今の自分が何に困っているのかを確かめるところから始められます。

誰が払うかを決める前に、三つのことを整理する

「兄弟でどう分けるか」を考える前に、次の三つを書き出してみてください。

1.分かっている費用  
  何に、いつ、いくらかかり、誰が支払ったのか。自分が払った直近の一回分からでも構いません。

2.まだ分からないこと  
  今後どんな費用が必要になるのか。親の年金や預貯金で、どこまで支払えるのか。利用できる支援制度があるのか。

3.自分の暮らしへの影響と希望  
  生活費を削っている、貯蓄を取り崩している、今の支払いを続けるのが難しい。これから何を相談したいのか。

親の収入や預貯金は、ご本人の意向も踏まえ、確認できる範囲で扱います。教えてもらえていないことは、「未確認」のままで構いません。

領収書や支払いの記録があれば、費目と金額を簡単にメモしておくと、状況を説明するときに役立ちます。

全部の数字がそろっていなくても、「ここが分からなくて不安です」と相談できます。

まだ支出がない方も、「施設を利用する場合の費用が分からない」など、今後確認したいことを一つ書ければ十分です。

話せそうなら、一つの支出から伝えてみる

ご自身に話す余裕があり、兄弟姉妹とやり取りできそうな場合には、具体的な支出と自分の事情を伝える方法があります。

たとえば、次のような言い方です。

「今月は、親の通院の交通費と日用品で、私が1万円を払った。これが続くと家計が厳しいので、来月以降の費用をどうするか相談したい。まず、何にいくらかかっているか共有してもいい?」

金額はあくまで例です。ご自身の実際の支出に置き換えてください。

そこから、親のお金で支払える範囲、今後も続く支出、各自が対応できることを確認していきます。

兄弟姉妹でも、家計の事情や、通院・連絡などに使っている時間は違います。同じ金額で分けるだけでは、納得しにくいこともあるでしょう。

その場で判断できないときは、「自分の家計を確認してから、どこまで対応できるか返事をしたい」と伝えることもできます。

ただ、言葉を選んでも相手が応じない場合はあります。
話が進まないことを、ご自身の伝え方だけのせいにする必要はありません。

家族と話せないときにも、確認できることがあります

連絡するだけで疲れてしまう。
費用の話をすると責められそうで怖い。

そんな場合には、家族との話し合いより先に、外部へ相談する方法もあります。

親が住む地域を担当する「地域包括支援センター」には、介護の状況とあわせて、費用への不安や家族の協力を得にくい事情を伝えられます。

「親の介護費用が心配ですが、兄弟とは話しづらい状況です。
何を確認し、どこへ相談すればよいでしょうか」

という伝え方でも構いません。

すでに担当のケアマネジャーがいる場合は、サービス利用にかかる費用の見通しを確認することもできます。

また、介護保険サービスの自己負担には、条件に応じて高額介護サービス費などの負担軽減制度があります。対象となる費用や条件、申請については、市区町村の介護保険窓口に確認しましょう。

家族の中だけで答えを出そうとせず、必要な情報と相談先を整理することも、介護準備の一歩です。

「お金の話をしづらい」から、ご相談ください

「費用を出してほしいと言うと、関係が悪くなりそう」
「親のお金の状況が分からず、何から考えればよいか迷っています」
「自分の生活まで苦しくなることが心配です」

そのような状態からでも、ご相談いただけます。

60分の個別相談では、ご家族との関係や今の負担を伺いながら、**分かっていること、確認したいこと、ご自身の希望、家族への伝え方、必要な相談先**を一緒に整理します。

親の資産額や兄弟の収入を、すべて調べてから申し込む必要はありません。

まずは、「お金のことが気になるのに、誰にも話せていません」という今の気持ちからお聞かせください。

ご相談は60分・3,000円(税込み抜)です。

次回は、「『親と距離を置きたい』という気持ちも、相談してよいのでしょうか」をテーマに、今の距離感を大切にしながら考えられる介護準備をお伝えします。


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