第10回 「私には大丈夫と言うのに、兄弟には違う話をしている」と感じたら

第10回 「私には大丈夫と言うのに、兄弟には違う話をしている」と感じたら

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親の介護、何から話せばいい?  
― 親も子も安心する、介護準備の小さな一歩 ―

親に電話をしたときは、「大丈夫。特に困っていないよ」と言っていた。

ところが、兄弟姉妹からは「買い物に行くのが大変だって言っていたよ」と聞く。

「私には、そんなこと言わなかったのに」  
「どこまで大丈夫なのだろう」  
「自分だけ、何も知らないままなのかな」

そんな戸惑いを感じたことはありませんか。

親の暮らしを心配する気持ちに、親子や兄弟姉妹の間で感じてきた寂しさ、不信感が重なることもあります。

今回は、家族の間で聞いている話が違うとき、どのように情報と気持ちを整理していけるかを考えます。

「また自分だけ」と感じてしまう背景にも目を向ける

以前から家族の関係が難しかった方にとって、話の食い違いは、情報の不足だけでは済まないことがあります。

大事なことは、いつも後になって知らされる。

兄弟姉妹の話は聞いてもらえるのに、自分の話は軽く扱われてきた。

普段は何も教えてもらえないのに、困ったときだけ対応を求められる。

そうした経験があれば、「また同じことが起きている」と感じるのも無理はありません。

今の戸惑いには、これまで積み重なってきた事情も含まれています。

親の介護が気になるからといって、その気持ちを押し込める必要はありません。相談するときにも、今聞いている話とともに、話せる範囲で伝えていただいて構いません。

話を聞いた時期や、話題の範囲を確かめる

話が違って聞こえると、すぐに理由を知りたくなるかもしれません。

ただ、その段階では、まだ確認できていないこともあります。

例えば、自分が親と話した日と、兄弟姉妹が話した日は同じでしょうか?

「大丈夫」と言ったのは、今日の通院についてだったのか、それとも日々の暮らし全体についてだったのか。

兄弟姉妹の話は、親から直接聞いた言葉なのか、訪問して感じたことなのか?

「いつ、どのような場面の話だったか?」を確かめると、食い違って見えた部分を整理しやすくなります。

親や兄弟姉妹がどういうつもりだったのかは、分からないままでも構いません。まずは、確認できるところから見ていきましょう。

聞いたことと、まだ分からないことをメモにする

頭の中だけで考えていると、聞いた言葉と、自分の心配が混ざってしまうことがあります。

そんなときには、三つに分けて短く書き出してみてください。

例えば、買い物の話なら、次のように整理できます。

1.自分が直接聞いたこと  
  日曜日の電話で、親は「特に困っていない」と言っていた。

2.兄弟姉妹から聞いたこと  
  火曜日に姉から、「親が買い物を大変だと言っていた」と聞いた。

3.まだ確認していないこと  
  いつから、買い物の何が大変なのか?
  今、誰かの手助けを受けているのか?

「姉からそう聞いた」ということと、親の現在の暮らしを具体的に把握できていることは、分けておくと考えやすくなります。

また、「自分だけ知らされていないようでつらい」という気持ちも、別に書き添えて構いません。

分からない部分を残しておくと、次に何を確認したいのかが見えてきます。

すべてを一度に確かめようとせず、まず一つ選んでみましょう。

話せる関係なら、具体的な場面を一つ聞いてみる

ご自身にやり取りする余裕があり、兄弟姉妹とも話せそうであれば、こんな聞き方があります。

「私は日曜に『困っていない』と聞いたんだ。買い物が大変というのは、いつごろ、どんな場面の話だった?」

聞いた時期と内容を確かめることで、次に親へ聞きたいことも絞りやすくなります。

親に直接聞いてみようと思え、親も話せそうな場合には、「買い物のことで、今の様子を少し聞いてもいい? 行き帰りや、荷物を運ぶことで困っていることはある?」と、暮らしの具体的な場面にしてみる方法もあります。

聞いた結果、「今は手伝いが必要」という話になることもあるでしょう。

その場合も、状況を聞いたその場で、ご自身がすべて引き受けると決める必要はありません。仕事や家庭、体調も踏まえて、どの範囲なら関われそうかを考えていきましょう。

家族とのやり取りが負担になる場合もあります

「聞き返すと、いつも責められる」  
「話を確かめようとすると、兄弟との言い争いになる」  
「結局、私が動く話になってしまう」

そうした関係では、確認の仕方を工夫するだけでは難しいこともあります。

その場合には、家族へ連絡する前に、家族以外の相談先で整理する方法があります。

今、手元にある情報は何か?
何が気になっているのか?
家族とやり取りすると、どのような負担が生じるのか?

家族と話し合えていないことも、相談の出発点になります。

親や兄弟姉妹の話をすべて聞きそろえてから、相談しなければならないわけではありません。分からない点と、ご自身が難しいと感じていることを、そのまま持ち寄っていただけます。

「誰の話をどう受け止めればよいか分からない」から、ご相談いただけます

「親と兄弟の話が違っていて、何から確認すればよいか分かりません」

「昔から家族との関係が難しく、聞き返すこと自体が負担です」

そのような状態から、介護準備の相談を始められます。

60分の相談では、今聞いている話や、ご家族との関係を伺いながら、

「分かっていること」
「次に確認したいこと」
「ご自身が関われそうな範囲」
「必要な相談先」

を一緒に整理します。

家族へ伝える言葉を考えたい場合も、まだ直接連絡する気持ちになれない場合も、ご自身の状況からお話しください。

話の食い違いを一人で抱えて考え続ける前に、まず、今困っていることを言葉にするところから始めてみませんか。

ご相談は60分・3,000円(税込み)です。

次回は、「兄弟に『考えすぎ』と言われて、一人で心配しているあなたへ」をテーマに、心配が家族に伝わらないときの気持ちと、今できる準備を考えます。

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