第9回 疎遠になっていた親の老いを知ったとき

第9回 疎遠になっていた親の老いを知ったとき

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親の介護、何から話せばいい?  
― 親も子も安心する、介護準備の小さな一歩 ―

「最近、お母さん、買い物に行くのも大変みたい」

親戚や兄弟姉妹から、そんな連絡が届いたら...。

何年も会っていなかった親の変化を聞いて、どう返事をすればよいか分からなくなる方もいるのではないでしょうか?

心配より先に、「また自分の生活が振り回されるのでは」という不安が浮かぶかもしれません。

すぐに会いたいとは思えない。
でも、聞かなかったことにもできない。

今回は、疎遠になっていた親の老いを知ったとき、これまでの事情と今の暮らしを大切にしながら、何から考えられるかをお伝えします。

距離を置いてきた時間には、それぞれの事情があります

仕事や子育てに追われ、いつの間にか連絡が減っていた。

親と話すたびに否定され、会うことがつらくなっていた。

兄弟姉妹との関係も含めて、実家から距離を置くことで、ようやく落ち着いて暮らせるようになった。

疎遠になった背景は、一人ひとり違います。

親が年を取ったと知っても、これまでの出来事や、そのとき感じたつらさが消えるわけではありません。

驚きや寂しさ、怒りや戸惑いが重なることもあれば、気持ちが動かないこともあるでしょう。

距離を置いてきた事情も、これからの関わり方を考えるうえで大切な情報です。

「子どもなのだから」と、今の気持ちを押し込めたまま、すべてを決めようとしなくてもよいのです。

まずは、親の今の暮らしを分かる範囲から

久しぶりに親の様子を聞くと、何がどのくらい変わったのか分からず、不安だけが大きくなることがあります。

「ずいぶん弱ったらしい」と聞いたときも、具体的な様子は、まだ分からないかもしれません。

連絡をくれた人と話せる関係なら、まずは次のようなことを確認する方法があります。

・いつごろから、どのような場面で困っているのか?
・今、誰かの手助けやサービスを利用しているのか?
・今回の連絡で、自分に何を確認・相談したいのか?

「具体的に、どんなことに困っているの?」

その一言から、状況が少し見えてくることもあります。

入院や退院の予定など、返答が必要な連絡であれば、何について、いつまでに返事が必要なのかも確かめましょう。

分からないことは、そのまま「未確認」としておいて構いません。
会っていなかった期間の出来事を、一度にすべて把握しようとしなくてもよいのです。

返事をする前に、ご自身の暮らしも確かめる

「あなたも子どもなんだから、少しは何とかして」

兄弟姉妹や親戚からそう言われると、事情を説明する前に、何かを引き受けなければと感じるかもしれません。

けれども、これから関われる範囲を考えるときには、今の仕事、家庭、体調、実家までの距離も必要な情報です。

例えば、

「電話で状況を聞くことはできても、毎週の帰省は難しい」

「手続きについて調べることはできそう。でも、親と直接やり取りすることには強い負担がある」

と、できそうなことと難しいことを言葉にしてみる。

まだ判断できないことは、「今は決められない」としておく方法もあります。

相手とやり取りできる場合には、「今の状況を教えてもらえる? 私ができることは、仕事や家庭の予定も確認してから返事をするね」と伝えることもできます。

過去に会っていなかったことへの引け目だけで、続けられるか分からない約束を重ねないよう、ご自身の事情も一緒に考えてください。

親や兄弟姉妹と、まだ話せない場合も

「そもそも、家族に連絡することが難しい」

その場合には、家族以外の相談先を調べるところから始める方法があります。

地域包括支援センターは、高齢者やその家族の介護・暮らしに関する相談窓口です。親が暮らす地域の窓口を調べ、今分かっている状況について相談することもできます。

例えば、「親とは疎遠で、最近の暮らしを詳しく知りません。買い物が大変になっていると聞きましたが、何から確認すればよいでしょうか?」という伝え方です。

親との関係や、直接連絡しにくい事情も、話せる範囲で伝えてみてください。

親の希望や暮らしの様子が分からないときには、その部分を想像で埋めず、これから何を確かめるかを相談していきましょう。

ご自身が連絡してみようと思えたら

親に連絡してみようと思えた場合には、短いメッセージから始める方法もあります。

例えば、「最近、買い物が大変だと聞いたよ。今の暮らしで困っていることがあれば、少し教えてもらえる?」という聞き方です。

返事があり、親も話せそうであれば、一つずつ確認していく形で構いません。そのやり取りで、帰省や同居などの約束まで決める必要はありません。

一方で、連絡することで再び責められるなど、ご自身への負担が大きくなる関係もあります。

直接連絡するかどうかを迷っている段階から、相談していただけます。

「どう関わればよいか分からない」から、ご相談いただけます


「親が弱ってきたと聞きました。でも、会いに行く気持ちになれません」

「親も兄弟姉妹も苦手で、何から手をつければよいのか分かりません」

そのようなところから、介護準備の相談を始められます。

60分の相談では、これまでの家族関係や今の暮らしを伺いながら、確認したいこと、ご自身が関われそうな範囲、家族への伝え方や次の相談先を一緒に整理します。

疎遠になった経緯を、最初からすべて説明できなくても構いません。相談の前に、親や兄弟姉妹と連絡を取っておく必要もありません。

「今はここまでなら考えられそう」という一歩を、一緒に探していきましょう。

ご相談は60分・3,000円(税込み)です。

次回は、「私には大丈夫と言うのに、兄弟には違う話をしている」と感じたらをテーマに、家族の間で伝わる情報が違うときの戸惑いと、確認の仕方を考えます。

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