第7回 親が情報を教えてくれない。子ども側では何を準備できる?

第7回 親が情報を教えてくれない。子ども側では何を準備できる?

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親の介護、何から話せばいい?
― 親も子も安心する、介護準備の小さな一歩 ―

「病院には、今も通っているの?」
「大事な書類は、どこにしまってあるの?」

親のこれからに備えたくて聞いたのに、

「まだ大丈夫」
「そのうち話すから」
「あなたには関係ないでしょう」

と、話が終わってしまう。

聞けば険悪になる。
でも、分からないままなのも不安になる。

「何かあったとき、何も知らない私が対応することになるのだろうか?」

そんな心細さを抱えている方もいらっしゃると思います。

今回は、親から詳しい情報を得られないときに、子ども側で始められる準備を考えます。

話してくれない理由は、外から分からないこともあります

親がお金や暮らしのことを話さない理由は、一人ひとり違います。

自分のことに立ち入られたくない。
今は話題にしたくない。
本人も情報を整理できていない。

さまざまな事情が考えられますが、理由が分からないままのこともあるでしょう。

子どものころから話し合いが難しかったり、何かを尋ねるたびに責められてきたりした方にとっては、もう一度聞くこと自体が大きな負担になります。

「私の聞き方が悪いから」と、ご自身だけの責任にしなくてもよいのです。

親から情報を得られていないことも、ご自身が将来に不安を感じていることも、相談の入り口になります。

「分かっていること」と「分からないこと」を分けてみる

まずは、今ある情報をメモにしてみませんか。

書く場所を、次の三つに分ける方法があります。

・分かっていること:「近所の病院に通っている」と、先月、親本人から聞いた。
・まだ分からないこと:病院の名前、通院の頻度、飲んでいる薬。
・自分が気になっていること**:急な入院があったとき、仕事を調整できるか不安。

大切なのは、確認できたことと、想像していることを分けることです。

「昔はこの病院に通っていた」「兄が知っているはず」といった情報は、現在も同じかどうか、まだ分かりません。

分かる範囲で、誰から、いつ聞いた話なのかも添えておくと、相談するときに伝えやすくなります。

分からない欄は、空欄や「未確認」のままで構いません。

空欄があることも、今の状況を表す大切な情報です。

親に聞く前に、自分の側で確認できることもあります

親の情報がそろっていなくても、調べたり、整理したりできることはあります。

例えば、次のような準備です。

1.親の住む市区町村のWebサイトで、地域包括支援センターなど、高齢者の相談窓口を調べる。
2.勤務先に、仕事と介護の両立について相談できる窓口があるか確認する。
3.実家までの移動時間や、自分の仕事・家庭の予定を整理する。

地域包括支援センターは、高齢者やその家族が介護などについて相談できる窓口です。

「親が詳しいことを話してくれず、状況を十分に把握できていません。まず、何から確認すればよいか相談したいです」

と、今の事情から伝えることもできます。

最初からすべての準備を進めようとせず、「今日は相談先を一つ調べる」くらいに区切ってもよいでしょう。

兄弟姉妹と共有するときも、事実と推測を分ける

「お兄ちゃんには話しているのかもしれない」
「妹のほうが親と仲がいいから、詳しく知っているはず」

そう思っていても、実際には誰も確認できていないことがあります。

兄弟姉妹とやり取りできる関係であれば、共有してよい範囲で、確認できたことを具体的に伝える方法があります。

例えば、「先月、通院しているとは聞いたけれど、病院名はまだ確認できていないよ」という伝え方です。

「何も教えてくれない」とだけ伝えるより、分かっている範囲を共有しやすくなります。

ただ、兄弟姉妹との関係が良くない、疎遠になっている、連絡すると責められるという場合もあるでしょう。

その事情も含めて、家族以外の相談先に話してかまいません。ご自身一人で、家族全体の情報を集める役割まで背負う必要はありません。

話せそうなときは、一つの質問に目的を添える

ご自身が話せそうで、親もその話題を聞ける様子であれば、確認したいことを一つに絞る方法もあります。

例えば、通院していることが分かっているなら、

「もしものとき、連絡先が分かるようにしておきたいんだ。今、通っている病院の名前だけ聞いてもいい?」と、知りたい理由を短く添えてみる。

何を確認するかは、ご家族の状況や、今いちばん気になっていることに合わせて選んでください。

それでも話したくないと言われた場合には、その項目を「未確認」として残し、次にどう進めるかを相談することもできます。

直接話すことが難しい場合には、先に第三者と確認事項を整理するところから始められます。

情報がそろっていない段階から、ご相談いただけます

「親の状況を説明できないと、相談にならないのでは」
「何も分かっていないと思われそうで、ためらってしまう」

そんな気持ちがある方もいらっしゃると思います。

介護準備の相談では、情報が分からないことや、親に聞きづらい事情も、一緒に整理できます。

60分の介護準備相談では、今のご家族との関係や暮らしを伺いながら、

「分かっていること」
「優先して確認したいこと」
「今は聞くことが難しいこと」
「ご自身の側で始められそうな準備」

を考えます。

必要に応じて、地域の窓口や専門家など、次に相談する先も整理します。

ご相談は60分・3,000円(税込み)です。

次回は、「施設の話をすると、親を見捨てるようで言い出せない」をテーマに、施設について考えるときの迷いや、ご自身が担えることの整理を取り上げます。


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