要介護認定の流れを知らないと初動で慌てる

要介護認定の流れを知らないと初動で慌てる

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親の介護が現実味を帯びてきた時、多くのご家庭が最初に戸惑うのは、
「要介護認定って、どう進むの?」ということではないでしょうか。

言葉としては知っていても、

実際にどこへ申請するのか?
何を聞かれるのか?
結果が出るまでに何が起きるのか?

そこまで分かっている人は多くありません。

でも私は、この流れを前もって知っているかどうかで、家族の初動はかなり変わると思っています。

なぜなら、

親が転倒した
入院した
物忘れが増えた
通院や薬が怪しくなってきた

そんな時に家族が本当に苦しくなるのは、親の状態そのものだけでなく、
『何から手を付けて、どのように動けばいいか分からないこと』
だからです。

要介護認定の流れを知らないと、

「とりあえず家族で何とかする」
「まだ早いのかもしれない」
「申請してもすぐには使えないのでは」

と迷い続けやすくなります。

でも、流れが頭に入っていると、少なくとも「今どこにいて、次に何が起きるのか?」が見えやすくなります。

この違いは、とても大きいと思います。

要介護認定は、親が弱ってから突然出てくる制度のように感じるかもしれません。

けれど本当は、親の状態を客観的に見て、どれくらいの支援が必要かを整理するための入口です。

そのため、最初に大事なのは、「もう介護かどうか?」を家族だけで決めようとしないことです。

家族の感覚では、

まだ何とか一人で暮らせている
でも少し危ない気がする

という曖昧な時期が長く続くことがあります。

だからこそ、制度の流れを知っておくことに意味があります。

まず最初は、要支援・要介護の認定の申請です。

ここで多くの人が、「申請したらすぐ結果が出る」と思いがちです。

でも実際には、申請した後にもいくつか段階があります。

申請のあとには、親の心身の状態を確認する調査があります。
そのうえで、主治医の意見書も出され、さらに審査が行われて、ようやく認定結果が出ます。(結果通知は、申請から平均で30日前後と言われていますが、それ以上かかる可能性もあります。)

つまり、要介護認定は、「申請したらその場で決まる手続き」ではありません。

家族が慌てやすいのは、この『間』があることを知らないからです。

親に変化が出た時、家族はすぐに

「今すぐ何か使えないのか?」
「認定が出るまで何もできないのか?」

と不安になりやすい。
ここで流れを知らないと、必要以上に焦りやすくなります。

そして、もう一つ大事なのは、
要介護認定は単に「重いか軽いか」を見るものではない、ということです。

家族の感覚では、

歩けるかどうか?
物忘れがあるかどうか?
一人暮らしできるかどうか?

だけで考えがちです。

でも実際には、起き上がり、移動、排泄、食事、認知面、日常生活全体など、
かなり多面的に見られます。

だからこそ、家族が「まだ大丈夫」「もうかなり大変」と感じていても、
それを制度の言葉にそのまま置き換えられるわけではありません。

ここを知らないと、「こんなに困っているのに、思ったより軽かった」
逆に、「そこまでだと思っていなかったのに、想像以上だった」
というギャップにも戸惑いやすくなります。

家族が特につまずきやすいのは、『申請したあと、何をして待てばいいのか分からないこと』です。

この時期は、ただ結果を待つだけではありません。
むしろ家族がやっておいた方がいいことがいくつかあります。

親の通院先や薬の整理
緊急連絡先の確認
重要書類の場所の把握
家族の中で誰が最初に動くかの整理。
今後も自宅で暮らしたいのかという希望の確認

こうしたことを、認定結果が出てから始めようとすると、家族はかなり疲れます。

だからこそ、認定の流れを知っている人ほど、「待ち時間」をただの空白にせず、準備の時間として使いやすくなります。

また、ここで多くの人が誤解しやすいのが、「認定が出るまで何も動けない」と思ってしまうことです。

この思い込みがあると、家族はその間を全部自力でつなごうとしやすい。
有休を使う、実家へ通う、仕事を調整する、兄弟姉妹と急いで連絡を取る。
そして、心も体も消耗してしまいます。

本当に大切なのは、認定の結果そのものだけでなく、その前後の時間をどう乗り切るかです。

要介護認定の流れを知っていると、「今は申請段階」「次は調査」「そのあと結果」と見通しを持ちやすい。
見通しがあるだけで、人はかなり落ち着けます。

さらに、認定結果が出たあとも、そこで終わりではありません。
要支援なのか、要介護なのか、あるいは非該当なのかによって、その後の支え方や相談先の動き方が変わってきます。

ここでまた、家族は「次は何をするの?」と迷いやすい。

だから私は、要介護認定は結果そのものより、まずは『結果に向かう流れを知っていること』の方が、家族にとっては大きいと思っています。

結果だけを見ていると、出るまでは不安、出たあとも次が分からない、となりやすい。

でも流れを知っていると、
その都度の立ち位置が見えやすくなります。

たとえば、親が転倒して退院後の生活が少し不安になってきたとします。

家族が要介護認定の流れを知らないと、
「すぐ施設を探した方がいいのか?」
「とりあえず家族が通うしかないのか?」
「申請しても時間がかかるなら、今は意味がないのか?」
と混乱しやすくなります。

でも流れを知っていれば、まず申請、そのあと調査、結果を待つ間に家族で整理、結果が出たら次の支援へ、という形で、少しずつ組み立てやすくなります。

この違いは、親のためだけではありません。
子ども世代の仕事や生活を守るうえでも、とても大きいと思います。

今やっておきたいことは3つです。

一つ目は、親の住んでいる市区町村で、要介護認定の申請先がどこかを知っておくことです。
地域包括支援センターや市区町村窓口につながっておくと、初動がかなり違います。

二つ目は、認定の結果が出るまでを空白にしないことです。
その間に、親の通院先、薬、連絡先、重要書類、家族の役割分担を整理しておくと、あとが楽になります。

三つ目は、要介護認定を「困り切ってから使うもの」ではなく、今の状態を整理して、次の手を考えるための入口として見ることです。
この見方に変わるだけで、家族の動き方はかなり変わります。

要介護認定の流れを知らないと初動で慌てる。
それは、制度が難しいからというより、見通しがないまま、親の変化に向き合うことになるからです。

親の介護は、何か起きてから突然始まるように見えても、本当はその前から、少しずつ入口があります。

だからこそ、要介護認定の流れも、困ってから慌てて調べるのではなく、
親がまだ元気なうちに少し知っておく。
その小さな準備が、家族をかなり助けてくれます。

第30話では、
「在宅介護と施設介護、どこで判断が分かれるのか?」
というテーマで、家族が一番迷いやすい『次の分かれ道』を整理していきます。

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