次の日。シロキ君に呼び止められる。「ゆきのと君!」シロキ君はぼくを探してたようだ。「ヒロさんのこと聞いたよ。喧嘩になりそうだったんだよね?」「シロキ君知ってたんだ」ゆきのとの病気の厄介な面だ。非常にリアルな幻覚を体験する。それでヒロさんと喧嘩になりそうになった。「ヒロさん子供時代大変だったんだよ」「わかるんだ?」シロキ君は霊媒の家系の人だ。姿さえ見れれば過去もわかる。「ヒロさんね。部屋で精神統一してるよ。昔、お母さんが作ってくれたオムライスのこととか思い出してるんだって」以前、聞いた。親に人間扱いしてもらえなかった。ヒロさんはそれで少年期の希望を失ったんだ。ヒロさんの部屋を覗く。ベットの上で座禅をして手を合わせて精神統一をしてる。ヒロさん…(心の中でヒロさんの名前を呼ぶ)。ヒロさんは大変だったに違いない。その大変さはゆきのとの推測の域を出ない。武闘派のリーダーになったのは少なからず関係があるだろう。ヒロさんとは共通点はさほどないけれど、ここで出会ったってことはお互い引き寄せたんだと思う。相互補完てきなものかもしれない。