「なぜ、うちに生まれてきたの?」
この質問を長男にしたのは、支援学校の中等部に入った頃でした。
幼い頃はオウム返しが多く、会話のキャッチボールは難しいこともありました。それでも少しずつ自分の言葉で気持ちを伝えられるようになってきた頃のことです。
ある日、テレビで「前世の記憶を持つ子ども」の特集を見ていました。
何気ない流れで、私は長男に聞いてみました。
「ねぇ、なんでうちに生まれてきたの?」
深く考えずに聞いた質問でした。
すると長男は少しだけ考え、静かにこう答えました。
「お母さんを助けるため。」
私は思わず言葉を失いました。
まさか答えが返ってくるとは思っていませんでしたし、その内容も想像をはるかに超えていたからです。
もちろん、本当にそうなのかは分かりません。
子どもなりのイメージだったのかもしれませんし、その時に思いついた言葉だったのかもしれません。
それでも、この言葉だけは今でも忘れることができません。
妻は長年、二人の障がいのある息子と向き合いながら子育てを続けてきました。
嬉しい日もあれば、眠れない夜もありました。
思うようにいかず、自分を責める日も少なくありませんでした。
そんな姿を一番近くで見ていた長男だからこそ、あの言葉が出たのかもしれないと思うことがあります。
親は「子どもを支えている」と思いがちです。
でも振り返ると、私たち夫婦の方が子どもたちから教えられ、支えられてきた場面が数え切れないほどありました。
子育てに正解はありません。
だからこそ、一人で抱え込まないでください。
もし今、不安や迷いを抱えているなら、誰かに話すだけでも心は少し軽くなります。
私も同じように悩み、迷いながら歩いてきました。
あなたのお話を、経験者としてゆっくりお聴きできればと思っています。