毎日100回も腕立て伏せをしているのに、胸板がほとんど変わらない。
そんなことはありませんか?
仕事から帰ってきて、床に手をつく。
1回、2回、3回。
疲れていても、とりあえず100回。
終わったときには汗もかいている。
腕もパンパン。
「今日も頑張った」
そう思って布団に入る。
ところが、数か月たって鏡を見ると、思ったほど身体が変わっていない。
そこで、こんな疑問が浮かびます。
「毎日これだけやっているのに、なぜ筋肉がつかないんだ?」
実は、ここに筋トレの大きな落とし穴があります。
100回できることと、筋肉を効率よく成長させられることは、同じではありません。
努力の量と、身体に与える刺激は別物なのです。
【100回という数字に騙されてはいけない】
腕立て伏せ100回。
これは決して簡単なことではありません。
継続するだけでも、それなりの努力が必要です。
しかし、筋肉を成長させたいのであれば、回数だけを追いかけるのは考えものです。
なぜでしょうか。
筋肉は、運動によって与えられる負荷に適応していきます。
最初は10回しかできなかった腕立て伏せが、20回、30回とできるようになる。
これは身体が運動に慣れ、能力が向上した結果です。
ところが、いつまでも同じ姿勢、同じ負荷、同じ回数の繰り返しでは、身体にとって新しい刺激が少なくなっていきます。
つまり、以前は大変だった運動が、いつの間にか当たり前になってしまうのです。
ここで考えてほしいことがあります。
100回できるようになったことを喜ぶのはいい。
しかし、100回できるようになったことだけで満足していませんか?
筋トレで目指すものが筋肉の成長なら、回数の記録だけを伸ばしても目的から外れる場合があります。
腕立て伏せ100回が無駄なのではありません。
100回という数字を追いかけることが目的になってしまうのが問題なのです。
【筋肉を変えるのは、根性より負荷の調整】
筋トレには、漸進性過負荷という考え方があります。
簡単に言えば、身体が慣れてきたら、少しずつ負荷を高めていくということです。
例えば、最初は腕立て伏せ10回で限界だった人が、慣れてきて20回できるようになったとします。
その後も、ただ回数を増やすだけが正解でしょうか。
必ずしもそうではありません。
動作を丁寧にする。
身体の角度を変える。
動作の難易度を上げる。
適切な重量を加える。
こうした工夫によって、同じ腕立て伏せでも筋肉に与える刺激を変えられます。
ここが大きな分かれ道です。
筋トレは、苦しさを競う競技ではありません。
狙った筋肉に、適切な負荷を与えるための作業です。
【家トレでも胸板は変えられる】
「でも、ベンチプレスがないと胸は大きくならないのでは?」
そう考える人もいるかもしれません。
確かに、ベンチプレスは胸の筋肉を鍛える代表的なトレーニングです。
しかし、胸を鍛える方法はベンチプレスだけではありません。
腕立て伏せも、胸の大胸筋を鍛える運動です。
自宅でも、負荷の調整を工夫すれば、十分にトレーニングの幅を広げられます。
ここからは具体的な方法を紹介します。
【方法1:足を高くするデクラインプッシュアップ】
通常の腕立て伏せに慣れている人におすすめのバリエーションです。
足を安定した台などに乗せ、頭が足より低くなる姿勢をつくります。
この姿勢では身体の角度が変わり、通常の腕立て伏せとは異なる負荷のかかり方になります。
ポイントは次のとおりです。
・手幅は肩幅より少し広めを目安にする
・頭から足まで身体を一直線に保つ
・胸を床に近づけるように下ろす
・反動を使わず、丁寧に押し上げる
無理に高い台を使う必要はありません。
最初は低い台から始め、フォームが崩れない範囲で調整してください。
【方法2:ゆっくり下ろすスロープッシュアップ】
これは器具がなくても取り組める方法です。
腕立て伏せで身体を下ろす動作に時間をかけます。
例えば、3秒程度かけてゆっくり下ろし、無理のない速度で押し上げる。
これだけでも、通常の腕立て伏せとは違った運動になります。
大切なのは、ただゆっくり動けばいいということではありません。
反動を使わず、身体をコントロールすること。
勢いで回数を稼ぐのではなく、1回ずつ丁寧に動かす。
この意識が、トレーニングの質を見直すきっかけになります。
【方法3:リュックを使った加重腕立て伏せ】
自宅にあるリュックを活用する方法もあります。
リュックに無理のない重さの荷物を入れ、背負って腕立て伏せを行います。
これによって通常の腕立て伏せより負荷を高められます。
ただし、注意点があります。
リュックの中身が偏っていたり、背中で安定しなかったりすると、フォームが崩れる原因になります。
安全に固定できることを確認し、軽い負荷から試してください。
重さを増やすことが目的になってはいけません。
正しいフォームを維持できる範囲で調整することが前提です。
【ベンチプレスを超えるという考え方】
ここで、少し誤解を解いておきます。
家トレがベンチプレスより必ず優れているわけではありません。
ベンチプレスには、重量を細かく調整しやすいという利点があります。
一方、自宅で行う腕立て伏せにも、器具を使わず取り組めるという利点があります。
どちらが優れているかは、目的やトレーニング環境によって変わります。
ただし、自宅でも筋肉に十分な刺激を与える方法はあります。
そのために必要なのが、負荷を段階的に調整する考え方です。
例えば、こんな順番です。
通常の腕立て伏せ
↓
動作をゆっくり行う
↓
足を高くする
↓
安全に加重する
このように、身体の適応に合わせて難易度を変えていきます。
毎日100回を繰り返すことだけが筋トレではありません。
10回でも、適切な負荷で丁寧に行うトレーニングには意味があります。
【実は、筋トレで見落とされやすいものがある】
ここまで読んで、こう思った人もいるかもしれません。
「結局、きついトレーニングを続ければいいんだろう?」
実は、それだけでもありません。
筋肉を成長させるためには、トレーニングだけでなく、休養や栄養も関係しています。
毎日同じ部位を限界まで追い込むことが、必ずしも効率的とは限りません。
疲労が残っていると、フォームが崩れたり、次のトレーニングの質が落ちたりすることもあります。
筋肉を鍛える時間だけが、身体づくりの時間ではないのです。
休むこともトレーニングの一部。
食事を整えることも身体づくりの一部。
睡眠を確保することも、その一部です。
頑張ることばかりに目を向けていると、この当たり前の部分を忘れてしまいます。
【今日からできる3分間の見直し】
ここで、今の筋トレを一度振り返ってみてください。
次の質問に答えてみましょう。
① 腕立て伏せの回数だけを目標にしていませんか?
② 最後の数回でもフォームを維持できていますか?
③ 慣れてきたときに負荷を調整していますか?
④ 同じ部位を休ませる時間を確保していますか?
⑤ 食事や睡眠にも目を向けていますか?
一つでも改善できそうな項目があれば、そこから始めてみてください。
今日のトレーニングで、いきなり100回をやめる必要はありません。
いつもの腕立て伏せを、丁寧に行ってみる。
フォームが崩れる前に終える。
自分に合った負荷を考えてみる。
それだけでも、トレーニングへの向き合い方は変わります。
【筋トレは、自分との約束を守る練習でもある】
筋トレを続けていると、身体の変化だけではなく、日々の行動にも目が向くようになります。
今日は疲れている。
時間がない。
面倒くさい。
そんな日もあります。
そこで、最初から完璧を求めると続けること自体が苦しくなります。
大切なのは、毎回限界まで頑張ることではありません。
自分の状態に合わせて、できることを積み重ねることです。
腕立て伏せ100回という数字に縛られなくてもいい。
今日は丁寧に10回。
明日は別の部位を鍛える。
疲れている日は休む。
そうやって、自分の身体と相談しながら続けていけばいいのです。
筋トレは、一日で完成するものではありません。
昨日より少しだけ、自分の身体に向き合う。
その積み重ねが、長い目で見た身体づくりにつながっていきます。
最後に、一つだけ覚えておいてください。
100回できることより、正しく続けられること。
きついことをするより、必要な刺激を与えること。
頑張った気分になることより、身体にとって意味のある行動を選ぶこと。
努力をやめる必要はありません。
努力の方向を見直せばいいのです。
今日の腕立て伏せから、少しだけ変えてみませんか?
サービスのご案内
ここまで読んでくださった方の中には、筋トレを始めたいと思いながら、なかなか行動に移せない方もいるかもしれません。
あるいは、頑張っているのに続かない。仕事や日常のストレスを抱え、運動する気力までなくなってしまう。
そんな状態もあると思います。
筋トレは、一人でもできます。
しかし、一人で続けることは意外と難しいものです。
今日はやめておこう。
明日から頑張ろう。
そうしているうちに、いつの間にか習慣が途切れてしまうこともあります。
そこで、愚痴や日頃の悩みを話したり、筋トレや新しいチャレンジを報告し合ったりできる場をご用意しています。
特別な実績や立派な目標は必要ありません。
「今日は腕立て伏せをしました」
「今日は少しだけ歩きました」
「仕事で嫌なことがありました」
そんな何気ない報告でも構いません。
誰かに話すことで気持ちが整理されたり、仲間の頑張りを見て、もう少し続けてみようと思えたりすることがあります。
この記事でお伝えしたように、身体づくりは一度頑張って終わりではありません。
無理なく続けられる環境をつくることも、一つの方法です。
一人で抱え込まず、誰かと声を掛け合いながら、自分のペースで前に進んでみませんか?
話したい気持ちが動いた今が、最初の一歩を踏み出すタイミングかもしれません。
次は、この記事を読んだ感想や、あなたの周囲で起きているお悩みについて、具体的にお聞かせいただけますか?