STLファイルは製造ファイル

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最近の自動機はSTLファイルを読む。STLファイルに沿うような感じでノズルが動いたり、刃物が回転したりって感じだ。今までだとさ、腕の立つ職人さんが居て、図面のミスがあろうものなら知らぬうちに勝手に修正してくれたものさ。今は、そんな職人さんにかわりSTLファイルの指示通り自動機は動いていく。だから、図面を書く人が職人さんの代わりになるしかないんだ。組立誤差も、加工精度も全部STLファイルが決めることになる。

最近、気がついたことの1つなんだけど、私はショックを受けた。日本の製造現場は2D図面しか読めない環境が多く、実はものすごく遅れている。腕の立つ図面屋さんが何をやっているか聞いたときに愕然とした。3D図面を2Dに書き直すのが仕事なんだ。意味ある? 3D図面は単なる見せモンだった。

3D図面を読みこなして機械を設定し直すなんてことが製造現場ではまず無理な状態になっている。つまり、自動機なんで全部おまかせってわけだ。製造現場は最先端のものづくりではなくなっている。STLファイルづくりが、製造と設計をすべて結びつけている。図面づくりと生産設備をぜんぶ一人でやるってのが理想の環境になっている。たぶん、日本の工場ではもう無理かもしれないなと思ってる。

ただし、例外があり個人で3Dプリンタをいじってものづくりをしている人は、図面と生産設備をぜんぶ一人でやってる。だから、個人の方が3Dプリンタを使うのがうまくなっている。3Dプリンタユーザは勝手に勉強して、作図、生産、メンテナンスと一通りやってどんどん実力をつけているわけさ。普通、最先端のものづくりはメーカーに個人は敵わない。3Dプリンタが例外的なのは、このせいだ。
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