パートナーが定年退職を迎えて、毎日ずっと家にいる。
これまでは自分ひとりで自由に過ごせていた時間が一気に減って、なんだか心が休まらないし、息が詰まりそうになってしまう……。
そんな風に感じて、どこか罪悪感を抱えていませんか?
「相手は長年仕事をがんばってきたんだから、優しく迎えてあげなきゃいけないのに」
「パートナーに対してこんな風に思ってしまうなんて、冷たい人間なのかな」
そうやって、自分の気持ちをギュッと押し殺してしまっているかもしれません。
でもね、まずは自分自身に「今までよくがんばってきたね」「そう思うのはごく当たり前のことだよ」と、優しく声をかけてあげてほしいんです。
だって、これまでの生活リズムや「自分だけの安心できる空間」がガラリと変わってしまったのですから、心が追いつかなくて息苦しくなるのは当然のことなんですよ。
僕は、これまで夫婦関係や人間関係、人生の様々な悩みをたくさん聞いてきました。
そのなかでも、定年後の夫婦の距離感に悩む声は本当にたくさん届きます。
ずっと外で働いていたパートナーにとっても、家という場所やこれからの時間の使い方は、未知の世界だったりします。
お互いに悪気があるわけではないのに、距離が近すぎることで、知らず知らずのうちに心が擦り切れてしまうんですよね。
ずっと一緒にいるからといって、24時間いつでも仲良く同じ空間にいなければいけないなんてルールはありません。
家族であっても、夫婦であっても、人はひとりひとりの独立した心を持った存在です。
自分の時間や空間、心のゆとりを守ることは、決してワガママでも冷酷なことでもないんですよ。
むしろ、あなたが自分自身の心を穏やかに保てていてこそ、相手にも優しく接することができるのですから。
だからね、まずは小さなことから「自分のための領域」を取り戻していきましょう。
たとえば、お買い物のついでにカフェに寄って、ひとりだけでホッと温かいお茶を飲む時間を作ってみる。
家の中でも、「今は自分の時間を過ごすね」と伝えて、別の部屋で読書や好きな音楽を楽しんでみる。
最初は「何か言われるかな」とドキドキするかもしれませんが、あなたが笑顔で自分の時間を楽しむ姿を見せることは、巡り巡ってパートナーにとっても居心地の良い空気を作ることにつながります。
いきなり大きな変化を起こそうとせず、少しずつでお世話はありません。
自分を大切にする一歩を踏み出すことで、止まっていた心の風通しが少しずつ良くなっていくはずです。
あなたが今日も自分らしい笑顔で、穏やかな時間を過ごせますように。