電車やバスに乗って、優先席の近くに立っているとき。
なぜだか心がざわざわして、落ち着かなくなることはありませんか。
目の前に「本当に座るべき人」が乗ってきたかもしれない。
そう思うと、パッと目を合わせるべきなのか、それとも知らん顔をするべきなのか、頭の中でグルグルと考えてしまいますよね。
チラッと見て気づいてしまったら譲らなきゃいけないけれど、ジロジロ見るのも失礼だし、かといって気づかないフリをするのも心が痛む。
意を決して「どうぞ」と席を譲ろうとしても、「あ、大丈夫です」と断られてしまったらどうしようという不安もよぎります。
そんなふうに、アイコンタクトのタイミングや声をかけるタイミングに異常なほど神経をすり減らしてしまうこと、ありますよね。
目的地に着く頃には、体よりも心の方がぐったりと疲れてしまっているかもしれません。
でもね、まず知ってほしいのは、あなたがそれだけ悩んでしまうのは、あなたがとびきり優しくて思いやりのある人だからなんです。
周りの人の様子や空気感を敏感に察知して、「誰かの役に立ちたい」「誰も嫌な気持ちにさせたくない」と深く考えられる、とても素敵な感性の持ち主なんですよ。
ただ、その優しさが少しだけ自分自身を追い詰めてしまっているのかもしれません。
優先席の近くにいると、「ここにいる以上、周囲に配慮しなければならない」という強い責任感を無意識に抱えてしまうんですよね。
誰かが困っていないか、自分が何か見落としていないかと、まるでアンテナを張り巡らせているような状態です。
これでは、乗車している間ずっと心が休まる暇がありません。
もし次に同じような状況になって心がザワザワしたら、「席を譲らなきゃ」と自分を責める前に、少しだけ視点を変えてみてください。
例えば、電車に乗ったらスマホや本に集中したり、外の景色をじっくり眺めたりして、自分の世界に入る時間を作ってみるのもひとつです。
「周りを見ないなんて冷たいかな」と思うかもしれませんが、決してそんなことはありません。
移動時間くらい、自分の心を休ませてあげてもいいんです。
それに、本当に席を必要としている人は、あなた以外の誰かが気づいて譲ることもできますし、自ら声をかけることもできます。
すべてをあなたが背負う必要はどこにもないんですよ。
それでもやっぱり気になってしまうときは、「もし気づいたら、その時にできる範囲で優しくしよう」くらいのリラックスした気持ちで構いません。
声をかけて断られたとしても、それはあなたの優しさが否定されたわけではなく、相手が「今は立っていたい気分だった」というだけのこと。
あなたの温かい気持ちは、ちゃんとその場に届いています。
周りの人を気遣うことができるあなたは、本当に素晴らしい人です。
だからこそ、その素敵な優しさを、まずは自分自身にも向けてあげてくださいね。
「今日も周りに気を遣って頑張ったね」と、自分の心を労わってあげましょう。
電車やバスの移動時間が、あなたにとって少しでも心がゆるむ穏やかな時間になりますように。