職場で同僚から仕事の相談や愚痴を長々と聞かされたあと、自分のエネルギーが完全に吸い取られてしまって、自分の仕事に取りかかる気力が1ミリも残っていない……そんな経験はありませんか。
「うんうん、大変だったね」と親身になって頷いているうちに、気づけば自分の心の中のバッテリーがゼロになってしまう。
周りへの配慮ができる素晴らしい優しさを持っているからこそ、相手の気持ちを真正面から受け止めすぎてしまって、自分のエネルギーをぜんぶ差し出してしまうんですよね。
でも、そうやって相手の重い気持ちを受け取ったあと、自分のデスクに戻っても頭がぼーっとして手が進まなかったり、自分の仕事が終わらなくて焦ってしまったりするのは、本当にしんどいことだと思います。
心理カウンセラーとしてたくさんの方の愚痴や悩みを聞いている中で感じているのですが、こういう状態になってしまうのは、あなたが決して弱いからでも、集中力がないからでもありません。
ただ単に、あなたの心の境界線がとても柔らかくて、相手の負の感情まで自分のことのように感じ取ってしまう「共感力の高さ」があるからなんです。
人の話をじっくり聴くというのは、実はものすごい量の精神エネルギーを消費する作業なんですよね。
特に愚痴や相談というのは、相手の「モヤモヤした重いエネルギー」がぎゅっと詰まっています。
それを聞いてあげるということは、相手の背負っている重い荷物を、あなたも一緒になって背負ってあげているようなものなんです。
相手は話すことでスッキリして、自分のエネルギーを取り戻して自分の席に帰っていくかもしれません。
でも、その代わりに相手の重荷を引き取ったあなたは、その重さに押しつぶされそうになって、動けなくなってしまうんですよね。
自分の仕事に向かう気力が残っていないのも、当たり前のことなんです。
だって、あなたはもう自分の仕事に取りかかる前に、心を使い果たしているのですから。
だからね、まずは「また自分の仕事が進まなかったな…」なんて、自分を責めるのは終わりにしましょう。
あなたは自分のエネルギーを削ってまで、誰かの心を救おうと本当に一生懸命がんばってきたんです。
そんな優しい自分自身を、まずは「本当によくがんばったね」と労ってあげてくださいね。
そして、これからは自分の大切なエネルギーを、まずは自分自身のために残しておく練習を少しずつしていきましょう。
誰かの話を聞くときは、心のどこかに「透明なガラスの壁」を一枚立てるようなイメージを持ってみるのがおすすめです。
相手の言葉をそのまま全部自分の心に染み込ませるのではなく、「相手は今そう感じているんだな」と、ひとつの事実として静かに眺めるような感覚です。
全部を抱え込まなくても、あなたは十分に優しい人ですし、話を聞いてあげるだけで相手にはもう思いやりが伝わっています。
自分の仕事を守ること、そして自分の心を大切に守ることは、けっして冷たいことでもわがままなことでもありません。
あなたが笑顔で元気に過ごせていることが、巡り巡って周りの人のためにもなっていくのですから。
疲れて空っぽになってしまった自分の心を、美味しいものを食べたり、ゆっくり休みながら満たしてあげてくださいね。