手放すのが怖いあなたへ。業務マニュアルに自分の居場所を奪われるような気がした日

手放すのが怖いあなたへ。業務マニュアルに自分の居場所を奪われるような気がした日

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コラム
今まで自分が汗を流し、試行錯誤しながら積み上げてきた仕事を、ひとつひとつ文字にして業務マニュアルに落とし込んでいく作業。

それは一見すると、チームのためや後輩のための素晴らしい貢献のように思えますよね。

でも、ページが完成に近づき、後輩へ引き継ぐ準備が整っていくにつれて、なんだか胸の奥がキュッと締め付けられるような、奇妙な寂しさや焦りを覚えたことはありませんか。

「自分が今までやってきたことって、たったこれだけのマニュアルにまとめられてしまうものだったのかな」

「これが終わったら、私の存在価値ってここから完全に消えてしまうんじゃないか」

そんな風に、まるで自分の居場所や価値が少しずつ削られていくような感覚になって、夜ひとりで不安になってしまうこともあるかもしれません。

心理カウンセラーとして、これまでたくさんの方々の仕事の悩みや人生の不安に寄り添ってきましたが、こうした「引き継ぎの寂しさ」に悩む方は本当に多いんです。

真面目で、責任感が強くて、これまで自分の仕事に誇りと愛着を持って向き合ってきた人だからこそ、心の中にぽっかりと穴があいたような気持ちになってしまうんですよね。

まずお伝えしたいのは、そんな風に焦ったり寂しくなったりするご自分の気持ちを、どうか否定しないであげてほしいということです。

あなたが感じているその寂しさは、それだけあなたが自分の仕事に対して誠実であり、情熱を注いできたという何よりの証拠なのですから。

でもね、ちょっとだけ視点を変えてみてほしいんです。

あなたが作ったそのマニュアルは、あなたの存在価値を消してしまうものではなくて、むしろあなたが現場で残してきた「優しさや情熱の結晶」そのものなんです。

マニュアルという文字の形には残らない、あなたの細やかな配慮や、困ったときに踏ん張った経験、相手を想うあたたかい工夫が、そこにはたくさん詰まっています。

後輩の方々がそのマニュアルを開くたび、そこには目に見えないあなたの温もりが宿っていて、知らず知らずのうちにあなたに守られながら仕事を進めることになります。

つまり、あなたの価値が消えるどころか、あなたが築いた安心の土台が、これから先もずっとその場所を支え続けていくということなんですよね。

そして何より、業務を手放して空いたあなたのその手は、決して「無価値」になったわけではありません。

次の新しいステップへ進むため、そしてさらに新しい自分らしい価値を掴み取るために、いま優しく開かれた状態になっただけなんです。

今までひとつの役割を完璧に全うしたからこそ、次の扉を開く準備が整ったのだと、どうかご自分をたくさん褒めてあげてくださいね。

あなたが重ねてきた努力も、悩み抜いた時間も、誰にも奪うことのできない大切なあなただけの宝物です。

だから大丈夫、あなたの存在価値はどんなマニュアルにも収まりきらないほど、大きくてかけがえのないものなのですから。

これから先も、あなたが自分自身の歩んできた道を信じて、温かい気持ちで新しい一歩を踏み出していけることを、僕は心から応援しています。

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