相手の顔色には1秒で気づくのに、自分の『食べたいもの』すら分からなくなっていませんか?

相手の顔色には1秒で気づくのに、自分の『食べたいもの』すら分からなくなっていませんか?

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コラム
相手がちょっと眉をひそめただけ、少し声のトーンが下がっただけで、「あ、何か気に触ることを言っちゃったかな」「私、何かヘマしたかな」と瞬時に察知してしまう。そんなふうに、周りの人の感情や空気の変化には人一倍敏感で、センサーが常にビンビンに働いているのに……。いざ「自分がいま何を食べたいか」とか「体のどこが疲れているか」を聞かれると、頭が真っ白になって何も思い浮かばなくなってしまう。そんな感覚に心当たりはありませんか。

実はこれ、あなたが他人に優しく、いつも周りを気遣って生きてきた証拠でもあるんです。

これまで自分の気持ちや感覚よりも、相手の機嫌やその場の調和を最優先にして過ごしてきた時間が長いと、脳や心のセンサーがすべて「外側」に向いてしまうんですよね。相手がどう思うか、どう動けば波風が立たないかを常に計算し続けているうちに、自分の内側からのメッセージを聞き取るアンテナがすっかり休眠状態に入ってしまうんです。

「何が食べたい?」と聞かれたときに、「何でもいいよ」と答えてしまうのは、決して投げやりになっているわけではありません。自分の食べたいものを選ぶことよりも、「相手の希望を叶えること」や「相手をがっかりさせないこと」に意識が100%向いているから、自分の本当の欲求が覆い隠されてしまっているだけなんです。

体の疲れについても同じことが言えます。「肩が重いな」「胃がキリキリするな」といったサインが出ていても、それを感じ取ってしまうと「休まなきゃいけない」「周りに迷惑をかけてしまう」というブレーキが働いてしまうため、無意識のうちに自分の感覚に麻痺をかけて、頑張り続けてしまうんですよね。本当によく耐えてこられたのだと思います。

でもね、自分の感覚が麻痺していることに気づけたこと自体が、実はとても大きな第一歩なんです。

ずっと外側ばかりに向いていたアンテナを、ほんの少しだけ自分の内側に向けてあげる練習を、今日からゆっくり始めてみませんか。

いきなり「自分は何がしたいんだろう」「どう生きたいんだろう」なんて大きな問いを自分に投げかける必要はありません。まずは、すごく小さなことからで大丈夫です。

たとえば、コンビニに行ったときに「どれが一番安くて損しないか」とか「どれなら体に悪くないか」という頭の損得勘定ではなく、「いま、直感でどれが一番美味しそうに見えるかな?」と自分に問いかけてみる。

お風呂に入ったときに、「今日一日疲れたなぁ。首の後ろが重いかも」「足の裏がちょっと張っているな」と、自分の体に手で触れてみて、どこが疲れているかを探探ってみる。

そうやって、日々の本当に小さな場面で「自分がいまどう感じているか」を確認する習慣をつけていくと、眠っていた自分の感覚のアンテナが少しずつ、芽を出すように戻ってきます。

他人の顔色を察知できるあなたの繊細さは、本来とても素晴らしい思いやりの才能です。ただこれからは、その素晴らしい察知能力のほんの10パーセントだけでもいいので、自分自身の心と体に向けてあげてほしいなと僕は思うんです。

あなたが自分の「食べたいもの」を美味しく食べて、自分の「疲れ」に気づいて優しく休める日が増えていくことを、心から応援していますね。

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