「抜かされたらどうしよう」の怖さは、あなたが一生懸命に生きてきた証拠。部下の成長に揺れる優しいあなたへ

「抜かされたらどうしよう」の怖さは、あなたが一生懸命に生きてきた証拠。部下の成長に揺れる優しいあなたへ

記事
コラム
部下や後輩の成長を心から願い、応援したいと思う一方で、「もし自分を追い抜いていってしまったらどうしよう」「自分の居場所がなくなってしまうかも…」という不安や恐怖が、心のどこかでチクリと痛むこと、ありませんか?

そんな風に、応援したい気持ちと怖さが心のなかで混ざり合っているとき、なんだか自分がすごく器の小さい人間のように思えてしまって、自分を責めてしまうこともあるかもしれません。

でもね、最初にこれだけは本当にお伝えしたいのです。そうやって悩んでしまうのは、あなたがこれまで自分の仕事や立場に、それだけ誇りを持って、一生懸命に、必死に積み重ねてきた証拠なんですよ。

どうでもいい仕事なら、誰に席を譲ったって怖くなんてありません。あなたがその場所で、たくさん汗をかいて、涙を流して、真剣に向き合ってきたからこそ、その大切な場所を脅かされるかもしれないという恐怖が生まれるのは、人間として、ごくごく自然な感情なんです。

心理カウンセラーとして多くの方のお話を聞いていると、こういった「割り切れない優しい本音」を抱えて苦しんでいる方は、本当にたくさんいらっしゃいます。

だからね、まずは「応援したいのに怖いと思っちゃうんだよね」「そうだよね、怖いよね」って、ご自身のその揺れる気持ちを、そのまま丸ごと認めてあげてください。否定しなくて大丈夫です。

その上で、少しだけ視点を変えるお話をさせてくださいね。

後輩や部下が育って、あなたを追い抜くほど優秀になっていくとき、それはあなたの「プレイヤーとしての能力」が負けたわけでは決してありません。

むしろ、それほど素晴らしい人材を育て上げたという、あなたの「育てる力」や「器の大きさ」が証明されたということなんです。

周りの人や上の立場の人たちは、成長した部下の姿を見たときに、「あの人をここまで育てた先輩、本当にすごいな」「あいつの後輩、あんなに優秀になったんだな」と、あなたの育成の功績や、あなたが与えた良い影響を、ちゃんと見てくれています。

自分の背中を追いかけてきた人が大きくなるのは、あなたがそれだけ素敵で、魅力的な背中を見せてこれたからなんです。

自分の立場を守るために、後輩の足を引っ張ったり、成長を阻害したりするような人も世の中にはいるかもしれません。でも、あなたはこうして「成長を願う気持ち」をちゃんと持っています。その時点で、あなたはものすごく優しくて、器の大きなお人柄なんです。

自分のなかの「恐怖」を無理に消そうとしなくていいです。「怖いなぁ」と思いながらも、目の前の人を応援しようとする、その心の葛藤そのものが、あなたの人間味であり、深みなんです。

自分の席がなくなるわけではありません。部下が成長したとき、あなたは「プレイヤー」から、次のステージである「頼れる指導者や心の支え」という、もっと優しくて、もっと価値のある新しい席へと、自然にステップアップしていくだけなんですよ。

だから、どうぞ安心して、自分の積み重ねてきた日々を信じてあげてくださいね。あなたは今のままで、十分に素晴らしい先輩であり、上司なんですから。

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