「縁起」

「縁起」

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 仏教は「縁起」ということを説きます。
 「すべてのものは深く関わりあっており、単独で存在するものはない」という教えです。
 それは、ある方の言葉で例えるなら、「一枚の紙に、空を流れる雲を観(み)る」ということです。
 雲があることによって、雨が降ります。雨が降ることによって樹木は水分を得て育ちます。そして育った樹木から紙の原材料であるパルプをとることができ、紙が出来上がります。
 紙からは、直接雲は観えませんが、雲がなければこの紙は存在しないのです。直接観えるからとか、観えないからとかではなく、すべてのものはこのように、関わりあって存在している、網の目のように世界はつながっているということ、それが「縁起」です。
 よく、「知り合いの知り合いが知り合いだった、世の中狭いな」ということを言いますが、人間の関係も、人間の行いも、この世のものすべてが、どこかで縁によって結ばれつながっている、それが「縁起」です。
 直接観えないもの(雲)を、いかに見えているもの(紙)から観えるようになるか、観える心を育てるかが、仏教を学んでいくことであり、仏の願いに生きることです。
 それはまさしく、私の「命」は、多くの縁において成り立ち、「生きている」のではなく、「生かされている」と思い当たることです。同時に私の「命」は、他の「命」を「生かしている」存在なのです。そこには、重みもあり、責任もあります。
宮沢賢治が、「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はありえない」と言ったことは、「縁起」と深く関わっており、私たちに教えてくれていると思います。
 良き事にしろ、悪しき事にしろ、一人一人がつくってきた社会が現在あるわけです。そしてまた多くの未来の縁をつくっています。だからこそ変えうる事もできるはずです。今すぐ自分ができること、それを考え行動にうつすことから始めることが大切だと思います。

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