外交の悪魔④~「渡り鳥」~

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事件簿・・・Aちゃん、落ち着いて、ここはドイツよ!

事件簿奥様、無意識に煽っておきながら!!とても親切な奥様なんですけど、boとは別の方向で天然なんですよね・・・。

だけど、事件簿奥様の指摘は、もっともなんです。
私も色々調べていたけれど、疑問だったんですよね。
どうやら、長期滞在ビザというものは、EU外に6か月以上滞在すると自動的に失効するようなんです。

つまり、Aさんの場合、日本滞在中にすでに前の滞在ビザは失効していたのではないだろうか・・・。
ドイツに再入国できたけど、それは日本のパスポートでなら、90日はノービザで滞在できるから。
ひょっとしたら、もしかして・・・すでにAさんは有効なビザを持っていない状態だったのではないか?という可能性があったのです。

だが、だとしたら、外人局に問い合わせした時点で、「あなた、不法滞在よ!」と指摘されているはずだ。すぐにドイツから出ていくよう指示されるか、罰金払えみたいなことを言ってくるはず。
当時のbo調べによると、不法滞在中罰金は1日50ユーロ。
Aさんはすでにドイツに年単位で滞在していたので、莫大な金額になってしまう!!
だから、外人局から指摘されるまではこのことはAさんには黙っておこうと思っていたのに・・・。

それに、不法滞在だと指摘されていないということは、ただの滞在ビザと違い、配偶者ビザ、ドイツ人と正式に結婚している事実もある。そういう部分で何かしら配偶者ビザだけの特権や特別条項のようなものがあるという線が濃厚。

私も、これに関する情報をざっと検索してみたのですが、さすがに私もめんどくさくてドイツの移民法を原文で当たるということまではしなかったのです。もともと法律関係の文書、苦手だし。

Aさんは、もう覚悟を決めたという顔で「(旦那)君に頼んで外人局に電話してもらう!」と言いました。
最初からそうするべきだったかも・・・

次の日、A旦那さんは、出勤を遅らせ、午前中に外人局に電話してくれたそうです。
いくつかの電話番号をたらいまわしにされ、どこにかけても「担当が違う」「それは自分の業務ではない」と言われ、まともに話ができる人に繋がるまで午前中いっぱいかかったらしい・・・。困っている時に、役所でたらいまわしにされると、もう無気力になりますよねー。

だけど、何度も電話をかけ続けているうちに、割と立場が上で権限もあるらしい人の個人番号を教えてもらったそう。窓口担当者が対応できなくて困り果てたんだろう・・・。
教えてもらった番号に電話をかけ、事情を話したら「確認してから担当者に後でメールさせる」と確約してくれた、と。

次の日、担当者からメールの返事が来たので、さっそく電話で対策会議。
Aさんは、「最初からさっさと返事しろっつーの!」とぷんぷん怒っていた。メールの返事をもらうのに、どれだけ手間かけさせるんだ!!

確かに最初のメールから一か月以上は経っている。ここまで返信を渋る理由が分からない。
今回は、たまたま権限のある上司に電話がつながったから、メールの返信してもらえたかもしれないが、これ、延々と返信がもらえなかったバージョンもあるのかと思うと、他人事ながらぞっとする・・・。

しかし、その担当者からの返信内容が謎だったのです。
「申請書と必要書類を提出せよ」
Aさんもboも、「はぁ?」ってなりました。

いや、話聞いてる?担当者!申請書にサインができないから困ってるんだろ?だから相談してるんだろ?何言ってんだ、コイツ・・・。堂々巡りじゃん!そのループ、また繰り返すの?

外交的言い回しってありますよね。
ドラマなどで外交官が謎めいた言葉を使って、情報を伝えたりするやつ。

「渡り鳥は・・・飛んでませんね」
外交官Kは、そうささやいて、にやりと笑い、唇にそっと指をあてた。それを聞いた上司は驚いた表情を見せ、「北ではないのか?」と確認した。Kは「・・・まぁ、北には違いないですけどね」と、おどけて答えた。
外交官Kの言葉に上司は何かピンときたらしく、「お前さんに一つ借りができたな」とKの肩をぽんとたたいて、すぐにオフィスに戻り、誰かに電話をかけ始めた。
渡り鳥が・・・飛んでない? 北?北には違いない? 渡り鳥って何なんだ? 飛んでいなかったら何が問題になるんだ? そもそも北ってどこなんだ? 
外交官Kの使った言葉、使わなかった言葉、メッセージの真意は何だったのか・・・? 当時、新米だった自分には、その意味を即座に理解できなかった。(bo即興創作、架空スパイ小説「渡り鳥」より抜粋)

boとAさんは、こういう外交的回避、明確な表現を避ける外交の罠にはまってしまっていたのです。
知らんがな!そんなもん!外交術なんて、スパイとか特殊な人たちにしか必要のないスキルじゃん。
普通に真面目に生きている人間に、そんなもん必要なくない?
っていうか、ビザの申請するのにそんな外交能力まで必要とされるなんて聞いてねーぞ!

外交術に気づかないままの私たちは、「これは一体どういうことなのだ」と頭を抱えた。
とにかく申請しろと言っている。だが、サインはできない。

私が考えたのはこう。
すでにビザは失効しているから、新規申請ということで、結婚当時の初回のステップをもう一度踏めという意味ではないだろうか。
つまり、日本の戸籍謄本や結婚証明書、住民登録そういう書類を1から全部集めてこい、そういう意味なのではないか?と思った。

A・・・実家に頼んで戸籍謄本送ってもらう!
bo・・・ちょっと待って!戸籍謄本送ってもらうだけじゃ駄目かも!ビザ申請の最初の手順通りに、外務省でアポスティーユつけてもらって、公認翻訳者の翻訳証明つけてもらわなきゃ受理されなくない?

・・・申請するまでに何週間・・・何か月かかる? その間に申請期限が過ぎてしまう!
boまでパニック状態になってしまいました。

次回につづく

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