【後編】Webサイト制作契約書で失敗しないための8つのポイント|契約不適合責任・損害賠償・中途解約を行政書士が解説

【後編】Webサイト制作契約書で失敗しないための8つのポイント|契約不適合責任・損害賠償・中途解約を行政書士が解説

記事
法律・税務・士業全般
「納品後にWebサイトの不具合が見つかった場合、制作会社はどこまで責任を負うの?」

「制作途中で契約を終了したいと言われたら、報酬はどうなる?」

「納品後の更新や保守は、制作契約に含まれるの?」

このようなお悩みはありませんか?

Webサイト制作では、制作範囲や報酬、検収、著作権だけでなく、納品後の不具合対応や損害賠償、中途解約、保守についても明確にしておく必要があります。

特に、Webサイトは納品後も継続して利用されるため、公開後に不具合が発見されたり、保守や更新が必要になったりする場合があります。

また、制作途中で発注者の事業計画が変更され、契約が終了することもあります。

こうした場合に備えて、契約不適合責任、損害賠償、中途解約、納品後の保守について、あらかじめ契約条件を定めておくことが重要です。

前編では制作範囲・納期・追加費用について、中編では制作料金・検収・著作権について解説しました。

今回は後編として、残りの2つのポイントを解説します。


7.契約不適合責任・損害賠償の範囲を定める


Webサイト制作では、納品後に不具合が発生する場合があります。

例えば、次のようなケースです。

お問い合わせフォームが正常に動作しない

一部のブラウザで表示が崩れる

契約で定めた機能が実装されていない

決済機能に不具合がある

仕様書で定めた性能を満たしていない

このような場合に、制作会社がどのような責任を負うのかを明確にしておく必要があります。

契約不適合責任とは?


契約不適合責任とは、納品された成果物が契約内容に適合しない場合に問題となる責任です。

Webサイト制作契約が請負契約に該当する場合には、民法上、一定の要件のもとで、追完請求、報酬減額請求、損害賠償請求、契約解除などが問題となることがあります。

ただし、契約の法的性質や具体的な契約内容によって、適用される規律は異なります。

契約書で定める事項


例えば、次のような事項です。

契約不適合の判断基準

不具合の通知方法

通知期間

修補等の対応方法

修補に要する費用の負担

対応期間

損害賠償の範囲

損害賠償の上限

損害賠償の上限を設ける


Webサイトの不具合によって、発注者に損害が発生する場合があります。

例えば、ECサイトの決済機能に不具合が発生し、販売機会が失われた場合です。

このようなリスクに備えて、契約書では損害賠償責任に上限を設けることがあります。

例えば、制作委託料の総額を上限とする方法などが考えられます。

ただし、故意・重過失の場合や、第三者の権利侵害などについては、責任制限の適用範囲を慎重に検討する必要があります。

制作会社の責任によらない不具合は?


Webサイトでは、制作会社の責任によらない原因で不具合が発生する場合もあります。

例えば、次のようなケースです。

発注者による設定変更

発注者または第三者による改修

外部サービスの障害

サーバー側の不具合

CMSやプラグインの仕様変更

このような場合に、制作会社がどこまで責任を負うのかを明確にしておくことも重要です。

ただし、外部サービスの障害等であっても、制作会社の選定・設定・対応に問題がある場合には、制作会社の責任が問題となることがあります。

実務上のポイント


契約不適合責任と損害賠償の範囲は、制作内容や想定されるリスクに合わせて定めることが重要です。

また、検収完了後の不具合対応と、納品後の有償保守を区別しておきましょう。


8.中途解約・納品後の保守について定める


Webサイト制作では、制作途中で契約が終了する場合があります。

例えば、次のようなケースです。

発注者の事業計画が変更された

制作途中で予算が不足した

制作会社との認識が合わなくなった

制作スケジュールが大幅に遅延した

このような場合に、契約を終了できる条件や、制作済み部分の報酬について明確にしておく必要があります。

中途解約時の報酬精算


例えば、制作工程の70%が完了した時点で、発注者から契約終了を求められた場合です。

制作会社としては、すでに実施した作業について報酬を受け取りたいと考えるでしょう。

一方、発注者としては、未完成のWebサイトについて制作料金の全額を支払うことに納得できない場合があります。

そのため、契約書では、次の事項を定めることが考えられます。

中途解約の可否

中途解約の通知方法

解約時の報酬精算方法

制作済み成果物の取扱い

支給素材・データの返還

外注費等の費用負担

著作権の取扱い

民法641条との関係にも注意


Webサイト制作契約が請負契約に該当する場合、民法641条では、注文者は仕事が完成するまでの間、損害を賠償して契約を解除できるとされています。

そのため、中途解約条項を設計する際には、契約の法的性質や民法の規定も踏まえて検討する必要があります。

また、解約時の精算方法については、制作の進捗率だけでなく、完成済み部分の取扱いや実際に発生した費用、損害等も考慮する必要があります。

納品後の保守は制作契約に含まれる?


Webサイトは、納品後も更新や保守が必要になる場合があります。

例えば、次のような業務です。

CMSのアップデート

セキュリティ対策

バックアップ

コンテンツ更新

不具合対応

サーバー管理

ドメイン管理

しかし、これらの業務が当然に制作契約に含まれるわけではありません。

そのため、納品後の保守を行う場合には、制作契約とは別に保守契約を締結する方法や、制作契約書に保守条件を定める方法が考えられます。

契約終了時の引継ぎも重要


Webサイト制作では、サーバーやドメイン、CMSなどの管理権限が問題となる場合があります。

例えば、制作会社がサーバーやドメインを管理している場合、契約終了後に発注者がWebサイトを継続して利用できるよう、必要な引継ぎを行う必要があります。

そのため、契約書では、次の事項も確認しておくとよいでしょう。

サーバー・ドメインの契約名義

CMSの管理者権限

各種アカウントの管理方法

契約終了時の引継ぎ方法

データの返還・削除

引継ぎに伴う費用負担

実務上のポイント


制作業務と納品後の保守業務を区別し、それぞれの責任範囲を明確にすることが重要です。

また、契約終了後もWebサイトを継続して利用できるよう、管理権限やデータの引継ぎについても定めておきましょう。


後編のまとめ|納品後・契約終了時のリスクに備える


今回は、Webサイト制作契約書で確認したい8つのポイントのうち、最後の2つを解説しました。

7.契約不適合責任・損害賠償

不具合への対応方法と責任範囲を明確にする。

8.中途解約・納品後の保守

制作途中の解約条件と保守業務の範囲を定める。

Webサイト制作契約書は、制作開始から納品までの条件を定めるだけでは十分とは限りません。

納品後に不具合が発生した場合や、契約が途中で終了した場合についても、あらかじめ対応方法を整理しておくことが重要です。

大切なのは、制作開始から契約終了後までを見据えて、契約条件を設計することです。


Webサイト制作契約書の作成は行政書士へ


「Webサイト制作の契約書を作成したい」

「契約不適合責任や損害賠償の範囲を明確にしたい」

「制作途中で契約が終了した場合の条件を整理したい」

「納品後の保守や管理権限の引継ぎについて定めたい」

このようなお悩みはありませんか?

Webサイト制作契約書は、制作するサイトの種類、制作範囲、報酬体系、納品方法、著作権の取扱いなどによって、必要な条項や適切な契約条件が異なります。

当事務所では、契約書作成に強い行政書士が、取引内容やご希望を丁寧にヒアリングし、実際の制作業務に合わせたWebサイト制作契約書を作成いたします。

制作会社・フリーランス・発注企業のいずれの立場からのご依頼にも対応しています。

Webサイト制作契約書の作成をご検討の方は、お気軽にご相談ください。

※本記事は、Webサイト制作契約に関する一般的な法的事項を解説するものです。具体的な取扱いは、契約内容や適用法令等によって異なります。
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