【前編】Webサイト制作契約書で失敗しないための8つのポイント|制作範囲・納期・追加費用を行政書士が解説

【前編】Webサイト制作契約書で失敗しないための8つのポイント|制作範囲・納期・追加費用を行政書士が解説

記事
法律・税務・士業全般
「ホームページ制作を依頼したら、当初の見積りに含まれていない追加費用を請求された」

「修正依頼が何度も続き、いつまでたっても制作が終わらない」

「発注者から素材が提供されず、予定していた納期に間に合わない」

このようなお悩みはありませんか?

企業のホームページやECサイト、ランディングページ(LP)などを制作する際には、Webサイト制作契約書を締結することがあります。

しかし、Webサイト制作では、制作範囲、納期、修正回数、追加費用など、事前に決めておくべき事項が数多くあります。

これらの条件が曖昧なまま制作を開始すると、制作会社と発注者の間で認識が食い違い、トラブルにつながる可能性があります。

例えば、次のようなケースです。

発注者が想定していた機能が制作料金に含まれていなかった

当初の予定を超える修正を求められた

仕様変更によって追加費用が発生した

発注者からの素材提供が遅れ、納期が延びた

追加作業の費用負担について合意できなかった

こうしたトラブルを防ぐためには、実際の制作内容や業務の進め方に合わせて、契約条件を明確にしておくことが重要です。

今回は、契約書作成に強い行政書士が、Webサイト制作契約書で確認しておきたい8つのポイントのうち、前編として「制作範囲」「制作スケジュール・納期」「修正回数・追加費用」の3つを解説します。


1.制作業務の範囲・仕様を明確にする


Webサイト制作契約書で最初に確認したいのが、制作業務の範囲です。

Webサイト制作といっても、依頼内容は案件によって大きく異なります。

例えば、次のような業務があります。

Webサイトの企画・構成

デザイン制作

HTML・CSS等によるコーディング

CMSの導入・設定

お問い合わせフォームの設置

EC機能の実装

スマートフォン対応

SEOに関する初期設定

サーバー・ドメインの設定

写真・文章等のコンテンツ制作

これらの業務が、すべて制作料金に含まれているとは限りません。

制作範囲が曖昧だとどうなる?


例えば、発注者は「お問い合わせフォームの設置も制作料金に含まれている」と考えていたのに、制作会社は「別料金」と認識していた場合です。

制作開始後に追加費用が発生し、トラブルになる可能性があります。

また、制作するページ数や機能が曖昧な場合、当初の想定を超える作業が発生することもあります。

仕様書を活用する


制作業務の詳細については、契約書本文だけでなく、仕様書や見積書などで定める方法が考えられます。

その際には、次の事項を明確にしておくことが重要です。

制作するページ数

各ページの内容

実装する機能

デザインの範囲

対応するブラウザ・端末

使用するCMS等

納品する成果物

制作対象に含まれない業務

また、仕様書や見積書を契約内容の一部として取り扱う場合には、その位置付けや優先関係も明確にしておきましょう。

実務上のポイント


**「何を制作すれば契約上の義務を果たしたことになるのか」**を明確にすることが重要です。

制作範囲を具体的に定めることで、追加作業の発生や納品時の認識の相違を防ぎやすくなります。


2.制作スケジュール・納期を定める


Webサイト制作では、制作会社だけでなく、発注者の協力も必要になることがあります。

例えば、次のような作業です。

掲載する文章の提供

写真・ロゴ等の素材提供

デザイン案の確認

原稿の確認

必要なアカウント情報の提供

制作途中の承認

これらの作業が遅れると、制作全体のスケジュールに影響する可能性があります。

発注者の対応が遅れた場合は?


例えば、発注者が写真や文章を提供する予定だったにもかかわらず、提供が1か月遅れた場合です。

その結果、制作会社が当初の納期までにWebサイトを完成できなくなることがあります。

このような場合に備えて、契約書では次の事項を定めることが考えられます。

制作開始日

制作スケジュール

納期

発注者による素材提供期限

デザイン等の確認期限

発注者の協力義務

納期変更の条件

納期遅延時の通知方法

納期の変更方法も重要

発注者による素材提供の遅延や仕様変更などによって、納期の変更が必要になる場合があります。

そのため、どのような場合に納期を変更できるのか、変更後の納期をどのように決定するのかを明確にしておくことが重要です。

例えば、発注者による素材提供が遅れた場合には、その影響を踏まえて納期を協議する方法などが考えられます。

ただし、発注者側の遅延があれば制作会社の責任が当然にすべて免除されるわけではありません。

実際に納期へどのような影響が生じたのかを踏まえ、適切に条件を設計する必要があります。

実務上のポイント


制作会社の義務だけでなく、発注者が協力すべき事項も契約書に定めることが重要です。

双方の役割を明確にすることで、納期遅延を巡るトラブルを防ぎやすくなります。


3.修正回数・追加費用を明確にする


Webサイト制作で特にトラブルになりやすいのが、修正対応と追加費用です。

例えば、次のようなケースです。

「デザインの修正を何度も求められ、制作が終わらない」

「当初の仕様になかった機能の追加を依頼された」

「修正は無料だと思っていたのに、追加料金を請求された」

このようなトラブルを防ぐためには、修正対応の範囲を明確にしておく必要があります。

修正回数を定める


例えば、契約書では次のような事項を定めることが考えられます。

無償修正の回数

無償修正の対象範囲

修正依頼の期限

追加修正の料金

仕様変更の手続

追加作業の見積方法

追加作業に伴う納期変更

ただし、制作会社の契約不適合に起因する修正と、発注者の希望による仕様変更は区別する必要があります。

追加費用の発生条件を明確にする


例えば、当初は10ページのWebサイトを制作する予定だったのに、制作途中で5ページの追加を求められた場合です。

追加ページの制作費用や納期について、事前に合意する仕組みが必要です。

そのため、追加業務については、作業開始前に見積りを提示し、発注者の承諾を得る方法などが考えられます。

また、追加作業の承諾方法についても、電子メールやチャットなど、実際の業務で使用する方法に合わせて定めるとよいでしょう。

「修正」と「仕様変更」は違う?


例えば、当初合意したデザイン案について、文字の配置や色合いを調整する場合と、新しい予約機能を追加する場合とでは、作業の性質が異なります。

前者は当初の制作範囲内の修正として扱われる場合がありますが、後者は仕様変更として追加費用の対象になることが考えられます。

ただし、どちらに該当するかは、当初の契約内容や仕様書によって異なります。

そのため、契約書では、修正対応と仕様変更をできる限り明確に区別しておくことが重要です。

実務上のポイント


**「どこまでが当初の制作料金に含まれ、どこから追加費用が発生するのか」**を明確にすることが重要です。

特に、修正対応と仕様変更の区別は、制作会社・発注者の双方にとって重要なポイントです。


前編のまとめ|制作開始前の条件整理が重要


今回は、Webサイト制作契約書で確認したい8つのポイントのうち、最初の3つを解説しました。

1.制作業務の範囲・仕様

制作するページ数や機能、納品する成果物を明確にする。

2.制作スケジュール・納期

素材提供や確認期限、納期変更の条件を定める。

3.修正回数・追加費用

無償修正の範囲と追加料金の発生条件を明確にする。

Webサイト制作では、制作開始前に決めておくべき事項が数多くあります。

特に、制作範囲や修正対応が曖昧な場合、制作途中で追加費用や納期を巡るトラブルが発生する可能性があります。

大切なのは、実際の制作業務に合わせて、双方の役割と責任範囲を明確にすることです。

次回の中編では、次の3つのポイントを解説します。

制作料金・支払条件

検査・検収

著作権・知的財産権


Webサイト制作契約書の作成は行政書士へ


「Webサイト制作の契約書を作成したい」

「修正回数や追加費用の条件を明確にしたい」

「制作範囲や納期に関するトラブルを防ぎたい」

このようなお悩みはありませんか?

Webサイト制作契約書は、制作するサイトの種類、制作範囲、報酬体系、納品方法などによって、必要な条項や適切な契約条件が異なります。

当事務所では、契約書作成に強い行政書士が、取引内容やご希望を丁寧にヒアリングし、実際の制作業務に合わせたWebサイト制作契約書を作成いたします。

制作会社・フリーランス・発注企業のいずれの立場からのご依頼にも対応しています。

Webサイト制作契約書の作成をご検討の方は、お気軽にご相談ください。

※本記事は、Webサイト制作契約に関する一般的な法的事項を解説するものです。具体的な取扱いは、契約内容や適用法令等によって異なります。

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