【後編】フランチャイズ契約書で失敗しないための10のポイント|競業避止義務・中途解約・契約終了を行政書士が解説

【後編】フランチャイズ契約書で失敗しないための10のポイント|競業避止義務・中途解約・契約終了を行政書士が解説

記事
法律・税務・士業全般
「加盟店が契約終了後に同じ事業を始めることを禁止できる?」

「契約期間中に加盟店から解約を申し出られたらどうなる?」

「契約終了後も加盟店が商標や看板を使い続けたら?」

このようなお悩みはありませんか?

フランチャイズ契約では、加盟金やロイヤリティ、本部による支援内容などに加え、契約期間、中途解約、競業避止義務、契約終了後の措置などを明確にしておくことが重要です。

特に、契約終了時には、本部と加盟店の利害が対立する場合があります。

例えば、次のようなトラブルです。

加盟店が契約期間中に一方的な解約を申し出る

契約終了後に加盟店が同じ事業を始める

本部の商標やノウハウが契約終了後も使用される

未払ロイヤリティや保証金の精算で揉める

看板や店舗の外観が変更されない

こうしたトラブルを防ぐためには、契約期間中だけでなく、契約終了時や終了後のルールまで明確にしておくことが重要です。

前編では加盟金・ロイヤリティ・商標、中編ではノウハウ・営業地域・本部の支援について解説しました。

今回は後編として、残りの4つのポイントを解説します。


7.仕入先・指定商品の取扱いを定める


フランチャイズビジネスでは、商品やサービスの品質を統一するため、本部が仕入先や使用する商品・原材料などを指定する場合があります。

例えば、飲食店のフランチャイズであれば、食材、調味料、包装資材などです。

美容サロンであれば、施術に使用する商品や設備などが考えられます。

契約書では、次の事項を定めることがあります。

指定商品の範囲

指定仕入先

商品の発注方法

仕入価格・支払条件

品質基準

代替品の使用条件

指定商品の変更手続

供給停止時の対応

仕入先の指定は自由にできる?

本部がブランドの品質を維持するため、一定の商品や仕入先を指定することには合理的な理由がある場合があります。

しかし、必要性や合理性を欠く拘束などは、取引条件や具体的な事情によって、独占禁止法上の問題となる可能性があります。

特に、本部と加盟店の取引上の立場や、加盟店に生じる不利益などにも注意が必要です。

実務上のポイント

仕入先や商品の指定については、ブランドの品質維持という目的を踏まえ、必要な範囲で条件を設定することが重要です。

また、指定商品の価格変更や供給停止が発生した場合の対応も定めておくとよいでしょう。


8.契約期間・更新・中途解約の条件を定める


フランチャイズ契約は、一般的に一定期間継続することを前提とした契約です。

加盟店は、店舗設備や内装などに多額の初期投資を行うことがあります。

そのため、契約期間や中途解約の条件は、加盟店の経営に大きな影響を与えます。

契約書では、次の事項を定めることが重要です。

契約期間

更新方法

自動更新の有無

更新拒絶の通知期限

更新時の条件

中途解約の可否

中途解約の通知期間

解約時の費用精算

解約に伴う違約金等の取扱い

中途解約を一切認めない契約は問題ない?

フランチャイズ契約では、加盟店による中途解約を制限する条項が設けられることがあります。

しかし、契約期間、初期投資、違約金の金額、解約制限の必要性などによっては、条項の合理性や有効性が問題となる可能性があります。

また、契約書で中途解約を制限していても、法令上認められる解除等まで当然に排除できるわけではありません。

実務上のポイント

中途解約条項では、解約の条件だけでなく、解約後に発生する費用や義務についても明確にすることが重要です。

特に、未払ロイヤリティ、保証金、在庫、設備、商標使用の終了などについて、契約終了条項と整合するように設計する必要があります。


9.競業避止義務・秘密保持義務を定める


フランチャイズ本部にとって、加盟店に提供したノウハウや営業情報を保護することは重要です。

特に、契約終了後に加盟店が同じ事業を開始する場合、競業避止義務が問題となることがあります。

競業避止義務とは?

競業避止義務とは、一定の範囲で競合する事業活動を制限する義務を指します。

例えば、次のような内容です。

契約期間中に競合事業を営まない

契約終了後、一定期間は同種事業を営まない

本部のノウハウを利用して競合事業を行わない

契約終了後の競業避止義務はどこまで認められる?

契約書に競業避止義務を定めれば、どのような制限でも認められるわけではありません。

特に、契約終了後の競業避止義務については、次のような事項が重要になります。

競業を禁止する必要性

禁止する事業の範囲

禁止する地域

禁止する期間

加盟店の営業活動に与える影響

保護すべきノウハウや営業上の利益

例えば、契約終了後、地域や期間を限定せず、同種事業を一切禁止するような条項は、過度な制限として有効性が問題となる可能性があります。

秘密保持義務との違い

競業避止義務と秘密保持義務は、目的や内容が異なります。

競業避止義務は、一定の競合事業活動を制限するものです。

一方、秘密保持義務は、営業秘密やノウハウなどの秘密情報の開示・目的外使用を制限するものです。

そのため、競業避止義務だけでなく、秘密保持義務を適切に定めることも重要です。

実務上のポイント

競業避止義務については、本部の正当な利益を保護するために必要かつ合理的な範囲で設定することが重要です。

また、契約終了後も保護する必要がある情報については、秘密保持義務の存続期間や対象範囲を明確にしておきましょう。


10.契約解除・契約終了後の措置を明確にする


フランチャイズ契約では、契約終了時の取扱いも重要です。

例えば、次のようなトラブルが考えられます。

「契約終了後も加盟店が本部の商標を使用している」

「看板や店舗の外観が変更されていない」

「本部から提供されたマニュアルが返還されない」

「未払ロイヤリティや保証金の精算で揉める」

こうした問題を防ぐため、契約書では次の事項を定めておくことが重要です。

契約解除事由

契約違反時の是正手続

契約終了後の商標使用禁止

看板・広告物の撤去

店舗外観の変更

マニュアル・資料の返還

秘密情報の返還・廃棄

在庫・設備の取扱い

未払金・保証金の精算

契約終了後の秘密保持義務

競業避止義務の存続

契約解除事由は具体的に定める

例えば、ロイヤリティの未払い、重大な契約違反、ブランドの信用を損なう行為などについて、契約解除事由を定めることがあります。

ただし、契約違反の内容によっては、相当期間を定めた是正の機会を設けることが適切な場合もあります。

また、解除条項の有効性や解除の可否は、民法その他の法令や具体的な事情によって判断されます。

実務上のポイント

契約終了後の措置については、単に「商標を使用してはならない」と定めるだけでなく、いつまでに、何を、どのように行うのかを具体的に定めることが重要です。

例えば、看板の撤去期限、SNSアカウントの表示変更、マニュアルの返還方法などを明確にしておくことが考えられます。

フランチャイズ契約書では独占禁止法等にも注意

フランチャイズ契約書を作成する際には、契約当事者間の合意だけでなく、関係法令にも注意する必要があります。

1.独占禁止法

フランチャイズ契約では、本部が加盟店に対して仕入先、販売方法、営業活動などについて一定の制限を設ける場合があります。

しかし、その制限の内容や取引上の状況によっては、独占禁止法上の問題となる可能性があります。

公正取引委員会は、フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方を示しています。

契約書の作成に当たっては、こうした指針も踏まえて検討することが重要です。

2.中小小売商業振興法

一定の要件を満たす小売業・飲食業の特定連鎖化事業については、中小小売商業振興法に基づく契約締結前の書面交付・説明義務が課されます。

説明事項には、加盟金、契約期間、契約解除に関する事項などが含まれます。

すべてのフランチャイズ契約に一律に適用されるわけではありませんが、対象となる事業では適切な対応が必要です。

3.その他の関係法令

フランチャイズの業種や取引内容によっては、食品衛生法、景品表示法、商標法、個人情報保護法などの関係法令も問題となります。

フランチャイズ契約書は、事業内容と適用法令を踏まえて作成することが重要です。


後編のまとめ|契約終了後まで見据えた契約書が重要


今回は、フランチャイズ契約書で確認したい10のポイントのうち、最後の4つを解説しました。

7.仕入先・指定商品

指定仕入れや商品供給の条件を整理する。

8.契約期間・更新・中途解約

契約の継続と終了に関する条件を定める。

9.競業避止義務・秘密保持義務

本部のノウハウを適切に保護する。

10.契約解除・終了後の措置

商標使用の終了、設備・在庫、費用精算等を明確にする。

フランチャイズ契約は、加盟金やロイヤリティを定めるだけの契約ではありません。

本部と加盟店が継続的な取引関係を築き、契約終了時にも不要なトラブルを防ぐための重要な契約です。

そのため、一般的なひな形をそのまま使用するだけでは、実際の事業内容や運営方針に合わない可能性があります。

大切なのは、ひな形に取引を合わせるのではなく、実際のフランチャイズビジネスに合わせて契約書を作成することです。


フランチャイズ契約書の作成は行政書士へ


「フランチャイズ本部を立ち上げたい」

「競業避止義務や秘密保持義務を適切に定めたい」

「契約終了後のトラブルを防ぎたい」

「現在使用しているフランチャイズ契約書を見直したい」

このようなお悩みはありませんか?

フランチャイズ契約書は、業種、ブランドの運営方法、加盟店への支援内容、ロイヤリティの仕組みなどによって、必要な条項や適切な契約条件が異なります。

当事務所では、契約書作成に強い行政書士が、事業内容やご希望を丁寧にヒアリングし、実際のフランチャイズビジネスに合わせた契約書を作成いたします。

フランチャイズ本部の立ち上げを検討している事業者様、既存の契約書を整備したい企業様のいずれからのご依頼にも対応しています。

フランチャイズ契約書の作成をご検討の方は、お気軽にご相談ください。

※本記事は、フランチャイズ契約に関する一般的な法的事項を解説するものです。具体的な取扱いは、契約内容や適用法令等によって異なります。
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