「フランチャイズ本部を立ち上げたいけれど、加盟店との契約書には何を記載すればいいの?」
「加盟金やロイヤリティの条件は、どのように決めればいい?」
「加盟店によるブランドの使用について、どこまでルールを設けられる?」
このようなお悩みはありませんか?
フランチャイズビジネスは、自社のブランドやノウハウを活用し、加盟店を通じて事業を拡大できるビジネスモデルです。
飲食店、美容サロン、学習塾、フィットネスジム、清掃サービス、小売店など、さまざまな業種で利用されています。
しかし、フランチャイズ契約では、加盟金やロイヤリティだけでなく、商標の使用、営業地域、本部による指導、仕入条件、競業避止義務など、多くの事項を取り決める必要があります。
例えば、次のようなトラブルが考えられます。
加盟金の返還を巡ってトラブルになる
ロイヤリティの計算方法について認識が食い違う
加盟店がブランドのイメージを損なう営業を行う
本部と加盟店の間で契約条件の解釈が異なる
こうしたトラブルを防ぐためには、フランチャイズ契約書で本部と加盟店の権利・義務を明確にしておくことが重要です。
今回は、契約書作成に強い行政書士が、フランチャイズ契約書で確認しておきたい10のポイントのうち、前編として「加盟金・保証金」「ロイヤリティ」「商標・ブランド」の3つを解説します。
1.加盟金・保証金の取扱いを明確にする
フランチャイズ契約では、加盟店が本部に対して加盟金や保証金を支払うことがあります。
加盟金は、ブランドへの加盟や開業支援、ノウハウの提供などの対価として設定されることがあります。
一方、保証金は、加盟店が本部に対して負担する債務を担保する目的で預け入れるものです。
両者は性質が異なるため、契約書でも区別して定めることが重要です。
例えば、次の事項を明確にします。
加盟金の金額
加盟金の支払時期
加盟金の対価となる内容
加盟金の返還の有無・条件
保証金の金額
保証金から控除できる債務
保証金の返還時期
契約終了時の精算方法
加盟金は「返還しない」と定めれば十分?
フランチャイズ契約書では、加盟金を返還しない旨を定める場合があります。
しかし、契約書に不返還条項を設ければ、あらゆる場合に返還義務が否定されるわけではありません。
例えば、本部側の債務不履行によって契約が解除された場合などには、契約内容や具体的な事情に応じて返還・損害賠償等が問題となる可能性があります。
実務上のポイント
加盟金については、単に金額や返還の有無を定めるだけでなく、何の対価として支払われるのかを明確にしておくことが重要です。
また、保証金については、加盟金と混同せず、契約終了時の返還・控除条件を具体的に定めましょう。
2.ロイヤリティの算定方法・支払条件を定める
フランチャイズ契約では、加盟店が本部に対して継続的にロイヤリティを支払うことが一般的です。
ロイヤリティの算定方法には、主に次のような方式があります。
売上歩合方式
加盟店の売上高に一定割合を乗じて算定する方式です。
定額方式
売上高にかかわらず、毎月一定額を支払う方式です。
その他の方式
粗利益等を基準とする方式や、定額と歩合を組み合わせる方式なども考えられます。
どの方式を採用する場合でも、計算方法を明確にしておくことが重要です。
例えば、次の事項を定めます。
ロイヤリティの算定方式
算定基準となる売上高等の定義
消費税の取扱い
売上値引き・返品・キャンセルの取扱い
売上報告の方法
支払期日・支払方法
支払遅延時の取扱い
売上資料の確認方法
「売上高の5%」だけでは不十分?
例えば、ロイヤリティを「売上高の5%」と定めた場合でも、売上高に消費税を含めるのか、返品やキャンセルを控除するのかによって金額が変わります。
また、加盟店が売上高を正確に報告しなかった場合の対応も問題となります。
実務上のポイント
ロイヤリティについては、算定基準・報告方法・支払条件を具体的に定めることが重要です。
本部が必要な範囲で売上資料を確認できる仕組みを設けることも考えられます。
ただし、確認方法や資料の範囲については、加盟店の負担や情報管理にも配慮する必要があります。
3.商標・ブランドの使用条件を明確にする
フランチャイズビジネスでは、本部が保有するブランドや商標を加盟店が使用することになります。
例えば、次のようなものです。
店舗名
ロゴマーク
看板
商品名
ユニフォーム
広告デザイン
WebサイトやSNS上のブランド表示
これらを加盟店が自由に使用できる状態にしてしまうと、ブランドイメージが損なわれる可能性があります。
そのため、契約書では次の事項を定めておくことが重要です。
使用を許諾する商標等
使用目的・使用範囲
使用方法に関するルール
本部の事前承諾が必要な行為
第三者への使用許諾の禁止
ブランドイメージを損なう行為の禁止
契約終了後の使用禁止
SNSやWebサイトでの使用にも注意
現在では、加盟店がInstagram、Threads、XなどのSNSを利用して集客することも一般的です。
そのため、店舗の看板だけでなく、SNSアカウント名やプロフィール画像、広告などでの商標使用についても、必要に応じてルールを設けることが考えられます。
実務上のポイント
商標の使用については、加盟店に必要な利用を認めつつ、ブランドの統一性を維持できる契約条件を整備することが重要です。
また、契約終了後に店舗名やロゴを使い続けることを防ぐため、使用停止や表示の撤去についても定めておきましょう。
前編のまとめ|加盟金・ロイヤリティ・商標はFC契約の基本
今回は、フランチャイズ契約書で確認したい10のポイントのうち、前半の3つを解説しました。
1.加盟金・保証金
金額、支払時期、返還条件を明確にする。
2.ロイヤリティ
算定方法、売上報告、支払条件を定める。
3.商標・ブランド
使用範囲とブランド管理のルールを定める。
これらは、フランチャイズ本部と加盟店の取引関係を支える基本的な条件です。
特に、加盟金やロイヤリティは金銭に関する事項であり、商標・ブランドの使用条件は事業の信用に関わります。
そのため、契約締結前に具体的な条件を整理し、双方の認識を一致させておくことが重要です。
次回の中編では、以下の3つのポイントを解説します。
ノウハウ・マニュアルの提供と秘密保持
営業地域・テリトリー権
本部による指導・サポート
フランチャイズ契約書の作成は行政書士へ
「フランチャイズ本部を立ち上げたい」
「加盟金やロイヤリティの条件を整理したい」
「加盟店との契約書を新しく作成したい」
このようなお悩みはありませんか?
フランチャイズ契約書は、業種、ブランドの運営方法、ロイヤリティの仕組みなどによって、必要な条項や適切な契約条件が異なります。
当事務所では、契約書作成に強い行政書士が、事業内容やご希望を丁寧にヒアリングし、実際のフランチャイズビジネスに合わせた契約書を作成いたします。
フランチャイズ契約書の作成をご検討の方は、お気軽にご相談ください。
※本記事は、フランチャイズ契約に関する一般的な法的事項を解説するものです。具体的な取扱いは、契約内容や適用法令等によって異なります。