<まずは落ち着いてせん妄のお薬についてあなたが向き合って下さい>
せん妄とは、患者(又は家族)が「軽いパニックを起こしている状態」「周囲の状況が呑み込めず混乱している状態」になります。夜に家の中を歩き回ったり、独り言を言ったりするときは夜間せん妄と呼ばれる状態である可能性が大です。
あなたは急にこのような症状が起きたことにびっくりするかもしれませんが、どうか落ち着くように心掛けて下さい。あなたが落ち着きを取り戻さないとせん妄を起こした本人は余計にパニックに陥ります。そしてできるだけ早く医師の診察を受けて下さい。
診察後お薬を処方されるかもしれません。今回はせん妄のお薬についてわかりやすく解説します。せん妄を起こした本人は、なぜお薬を飲まないといけないのかも全くわからない状態です。あなたがせん妄のお薬について理解することがとても重要です。お薬でせん妄の症状が和らぐと、あなたの介護に対する身体的ストレスの改善にもつながります。
<せん妄の特効薬はあるの?>
答えは Noです。
せん妄のお薬は、あくまでせん妄時の一時的な症状を改善するために用いられます。せん妄を改善するためには、負担となったからだの問題を取り除くことが治療の基本になります。
もしせん妄症状で意識が混乱している時は、あなたや家族がそばにいることが一番の特効薬です。
<え?たくさんのお薬を飲んでいると「せん妄」になるってホント?>
答えは Yesです。
副作用で、せん妄を起こしやすいとされるのが、睡眠薬を服用されている患者さんに認められます。睡眠薬の種類によりますが、特にベンゾジアゼピン系のお薬(ブロチゾラム、トリアゾラムなど)といった睡眠薬の副作用に認められます。また、それ以外でも高齢者のようにたくさんお薬を服用されている患者さんにも副作用として認められる場合があります。
<せん妄を鎮めるお薬はどんなお薬なの>
答え
よく使われるお薬はチアプリド、ハロペリドール、ミアンセリン、トラゾドン(写真参照)
他にも使われるお薬としてリスペリドン、オランザピン、クエチアピン(写真参照)などがあります。
<症状が治まったらせん妄のお薬は飲まなくていいの?>
答えはNoです。
せん妄の症状が治まったからとお薬を勝手に中止すると、症状が悪化する可能性があります。お薬には継続的に服用して症状を改善していくものがあります。医師や薬剤師の指示に従って、指示を受けた用法用量を守り服用して下さい。
<まとめ>
せん妄治療の原則は3つの因子,①直接因子,②誘発因子,③準備因子を除去するまたは最小にすることです。薬物療法はあくまで対処療法であり,検査・治療の際に行う数時間単位の鎮静,数日単位の精神症状の治療,睡眠-覚醒リズムを整えることを目的に行われます。