日本よりもカンタン?アメリカ特許の申請

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法律・税務・士業全般
アメリカへ特許を申請するのって、ちょっと難しそうに思いませんか?
日本に申請するだけでも、大変そうなのに、アメリカなんて、ちょっと無理でしょ、って思っていませんか?
いえいえ、実は、日本へ申請して特許を取得することの方が難しいんですよね。

結構、アメリカ人は、簡単に特許を申請しています。
いろいろな制度的な優遇が、個人の発明者にあるんですね。

たとえば、大企業は申請費用を全額支払わなければいけませんが、個人はその1/4で済みます。
普通、アメリカに申請するのに、20万円以上の申請費用を払わなければいけないのですが、個人は5万円くらいで済んでしまいますよね。
もちろん、日本人にも適用されますよ。

将来を実現するプラチナチケット

そもそも、アメリカは、外国から来た移民が作り上げた国です。
最近では、政府の方針で、修士や博士過程を出た頭のいい移民に、優先的にビザを発行したりします。
世界から頭の良い人たちを集めたいんですよね。
トランプ政権になって、ビザの発行を一時停止しましたが、シリコンバレーの経営者たちは、猛抗議していました。
アメリカ国内の雇用よりも、海外の頭脳を集めることが、シリコンバレーの競争力の源泉なんですよね。
そして、そうやって、集まってきた移民達が、新しいアイディアを出して、ビジネスを立ち上げていきます。
もちろん、かれらは自分で知財を申請していきます。
つまり、知財というのは、個人の将来を実現するプラチナチケットなんですよね。

株式投資、ビットコイン、そして知財申請

でも、アメリカには、いろんな人がいるから、そんなにガツガツしているのは、一部のエリート移民だけじゃないの、と思われるかもしれません。
アメリカ人は、今貰っている給料を少しでも上げようと、資格の勉強する日本人に比べると、もっと会社に頼らない生き方を望んでいるように見えます。
株式投資とか、ビットコインとか、特許を申請するんですよね。
日本でも、最近は、個人投資家が増えてきて、ビットコインも注目されていますよね。

でも、株式投資やビットコインとかと同じように、特許を申請しようというところまでは、日本人は来ていないと思います。
日本に特許を申請するだけでも、大変そうなのに、アメリカなんて、ちょっと無理でしょ、って思っていませんか?
実は、アメリカは、個人に有利な制度がいっぱいあります。
これを活用しない手は、ありませんよ。

同じ発明で、20倍ちかくも違う

アメリカは、知財の損害賠償金の額が、世界でもダントツのトップです。
知財の価値は、その権利を侵害したら、いったいいくら支払わなければいけないか、によって決まります。
侵害しても1万円で済むんだったら、企業は、どんどんマネしちゃうかもしれません。

でも、1億円だったらどうですか?
ちょっと、やめておこうと思いますよね。
アメリカは、まさに、そういう賠償金が高額な国なんです。
おおよそですが、アメリカの特許侵害の損害賠償金の平均額は、2億円くらいです。

日本は、1000万円いくかどうかではないでしょうか。 
同じ発明で、20倍ちかくも違うんですよね!

申請書類の作成も、日本よりもカンタン

さらに、アメリカの申請書類の作成も、日本よりもカンタンです。
特徴的なのが、アメリカは図面がとっても大事です。
日本の場合は、必要な場合は図面を出しましょうという、制度なんです。
でも、全部文字にするのと、図面を作るのと、どっちがアイディアを他の人に説明しやすいですか?

文字にするのって、すごく内容が限定されそうですよね。
だから、日本の場合は、弁理士に頼んで、内容が限定されないように、申請書類を記載してもらいます。

でも、アメリカは、図面が大事なので、ご自分で、いろんなパターンの図面を、いくつも作ってしまえば、申請書類の半分くらいは、もう完成です。
図面の作成は、ドンドン細かく記載しても大丈夫なんです。
なぜなら、図面の場合は、この発明は、この図面のココのことなんですと、自分で言えますよね。

で、この図面は、違う例なんです、とか。
違うアイディアを、いくつもカンタンに説明できます。
図面に書いてあることが、発明を限定するところと、そうじゃないところに分けやすいのです。
そして、発明を限定するところを列挙して、特許を請求する範囲を明確にします。
最後に、文字で、その図面を説明したら、ほとんど完成です。

英語はあとで

でも、全部の申請書類を英語で作成しないといけないんですよね、大変じゃないですか、と思われるかもしれません。
何も最初から、英語にして申請しなければいけない訳ではありません。
まずは、日本語で出しておいて、その後に、英語の翻訳文を提出することもできます。

ですから、日本語で図面を作って、申請してから、翻訳すれば良い訳です。
こういったカンタンなやり方をしていければ、個人でもアメリカに特許を申請することができます。

注意事項は?

ご自分で申請する際に、気を付けていただきたいのが、情報開示義務です。
情報開示義務は、英語にするとIDS(Information Disclosure Statement)と呼ばれています。
米国特許出願について、審査官に提供すべき所定の形式の文献情報がIDSです。

このIDSは、出願人に課された義務で、その後の権利行使に影響する非常に大事なものです。
もし、IDS違反があった場合に、誠意誠実の義務 (Duty of Candor and Good faith)の違反ということで、その特許の権利行使はできなくなります。
かつて、日本の出願人の保有する米国特許権の1/3程度は、IDS違反で、権利行使ができないというデータもありました。

米国の法律では、出願人、発明者、代理人等の関係者が知っていたか、登録までに知得した情報を審査官に提供しなければいけないんですよね。
特に、ご自分の出願に含まれるクレームの特許性に影響を及ぼすと考えられる情報は、積極的に出さないとダメなんです。
この点を、注意していただければと思います。

アメリカは、知財の損害賠償金の額が、世界でもダントツのトップです。
こういった国で、特許をとるのが、一番有効です。
アメリカは、個人に有利な制度がいっぱいありますから、これを活用していきましょう。
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