40歳からの引き潮と、新しい季節-ココロの現在地を見つめる夜に

40歳からの引き潮と、新しい季節-ココロの現在地を見つめる夜に

記事
コラム
 40歳という坂を越えたあたりから、体にまとわりつく疲れの質が変わってきたように感じます。
 寝ても覚めても、どこか芯が重いのです。それと同時に、かつて自分を突き動かしていたはずの「やる気」や「根性」「性欲」といった、生命の源のようなエネルギーが、少しずつ指の隙間からこぼれ落ちていく感覚があります。

 人間の脳というのは、不思議なものです。それぞれの機能がまるで「縦割りの他部署」のように独立していながら、どこかで深く繋がっています。
 これまでは、心と知能が連動しているのだろうと思っていましたが、どうやらそこには「体力」も深く関わっているようです。
 すべてはひとつながりの器なのかもしれません。最近は、そんな変化を迎えている自分自身を、少し離れたところから静かに眺めている自分がいます。そうして自分のココロをじっと見つめていると、今の自分がどれほど疲れているのかが、波紋のように伝わってくるのです。

 医学の視点に少し耳を傾けてみると、この変化には「ホルモン」という目に見えない物質が関係しているのだと知りました。男性の場合、40代を境にテストステロンという男性ホルモンが急激に減少することがあるそうです。「LOH症候群(男性更年期)」とも呼ばれるこの状態は、筋肉や骨の維持だけでなく、決断力や活力の源を奪ってしまいます。
 これが不足することで、寝ても取れない慢性的な疲労や、心がふっと沈み込んでしまううつ症状が引き起こされるといいます。
 女性の場合もまた、エストロゲンという女性ホルモンが、卵巣の働きの変化にともなって揺らぎながら減少していきます。この急激な変化は自律神経を乱し、不眠や言いようのない倦怠感をもたらします。
 日々の家事や仕事、育児の疲れが積み重なることで、心の中のキャパシティが溢れてしまい、結果として「減退」へと繋がっていくのだそうです。

 もし、この心身の引き潮のような感覚に戸惑っていらっしゃるなら、まずは専門の病院で血液検査を受け、ご自身のホルモン数値を調べてみるのも一つの手かもしれません。

 「自分の現在地」を知ることは、きっとこれからの道標になります。そして日々の暮らしの中では、ほんの少しだけ、自分を労わる時間を増やしてみてはいかがでしょうか。
 たとえば、夜はスマートフォンの画面を閉じて、睡眠の質を徹底的に高めてみる。毎日の食事の中で、体が本当に必要としている栄養素を優しく補ってあげる。
 そして、心地よいと感じる程度の軽い運動で汗を流し、溜まったストレスを外へと逃がしてあげる。

 40代からの体と心は、これまでとは違う新しい季節を迎えているだけなのかもしれません。無理に抗うのではなく、その変化を静かに受け入れながら、少し丁寧に進んでいきたいものです。

                         沙門蒼俊   合掌
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す