【後編】うつは「優しさ」でできている-自分を整え、未来への準備をする時間

【後編】うつは「優しさ」でできている-自分を整え、未来への準備をする時間

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コラム
 休職に入ったばかりの頃は、まず何よりも「脳を休める」ことが最優先です。心身のエネルギーが枯渇している状態では、脳の判断力や集中力がどうしても低下してしまいます。だからこそ、この時期はあれこれと悩みすぎたり、大きな決断を下したりするのは控えましょう。
 一日中、布団の中で過ごす日があっても良いのです。

 そうしてゆっくり休んでいるうちに、ただ寝るだけの日々に少し飽きてくるかもしれません。そんな心の余裕が少しずつ生まれてきたら、外の空気を吸いに「散歩」へ出かけてみましょう。
 朝の心地よい光を浴びながら歩くことは、気分の安定にもつながると言われています。

 日々の生活の中で、決して忘れてはいけないのが「お薬との付き合い方」です。
 主治医の先生から処方されたお薬は、決められた通りにしっかりと飲むことが回復への近道です。
 自己判断で飲む量を減らしたり、途中でやめてしまったりすると、かえって治るまでに長い時間がかかってしまうこともあります。
 万が一、副作用のような症状が出たときも、自分で判断せずにまずは主治医に相談してください。

 また、休養期間中はゲームや飲酒、不規則な生活パターンは避けるのが賢明です。
 規則正しい生活を心がけることが、崩れてしまった自律神経や体内時計を整える土台となります。

 体調が少しずつ上向いてきたら、いよいよ職場復帰に向けた準備を少しずつ始めていきます。休職期間中は、 傷病手当金 などの経済的な支援制度を活用しながら、産業医の先生や職場の担当者と復帰に向けたスケジュールを話し合っていきます。

 復職の際には、これまでの働き方をそのまま繰り返さないための工夫が必要です。
 仕事内容や業務量、残業の可否、さらには上司や部下との配置についてもしっかりと調整を図ります。
 場合によっては、業務の効率化や周囲の教育体制について相談することも大切です。もし、それでも環境の改善が難しく、どうしようもないと感じたときは、異動や転職といった新たな選択肢を視野に入れることも、ご自身を守るための立派な決断です。

 復職への具体的なステップとして、「リワークプログラム」などの専門的な復職支援プログラムを活用するのも非常に有効な手段です。
 こうした場所で生活リズムを整えながら、自分の心や病気のことについて学び、社会生活へ慣れていくためのリハビリを行うことができます。
 東京エリアにお住まいであれば、各地域の精神保健福祉センターや、ハローワークと連携している 東京障害者職業センター のような公的機関のリワーク支援を利用することも可能です。
 また、通院されている心療内科や精神科でリワークプログラムが実施されているか、主治医やスタッフに確認してみるのもおすすめです。

 もし、これまでの休職の原因が、明らかに労働基準法に抵触するような過重労働や、職場でのパワハラなどにある場合は、決して一人で抱え込まないでください。
 弁護士 などの専門家を頼る、あるいは 労働基準監督署 へ報告・相談するといった行動も、ご自身の権利を守る上で重要な選択肢となります。

 休職は、決してマイナスな時間ではありません。これからの人生をより健やかに、そして自分らしく歩んでいくために、心と体をしっかりと休ませ、新しい働き方や生き方を学び直すための貴重な充電期間なのです。

                           沙門蒼俊  合掌
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