傾聴の重みと、あるがままの境界線

傾聴の重みと、あるがままの境界線

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コラム
 カウンセリングの現場で患者様のお話を聴くということは、想像以上に大きな感情の負担を伴うものです。
 絡み合った複雑な問題、限られた時間、そして「救いたい」という強い責任感や使命感。これらが重なるとき、支援者の心には静かに疲れが溜まっていきます。

 そんな時、私たちカウンセラーはどのようにセルフケアをすればよいのでしょうか。
 まずは、自分が今「どういう疲れ」を感じているのか、セルフモニタリングによって客観的に見つめることから始まります。
 内省の時間を持ち、ただ身体を休めるだけでなく、カウンセリングによって得た学びを定着させたり、自身の価値観を整理したりする時間へと変えていくのです。

 蒼俊自身は、真言宗の瞑想である「阿字観瞑想(あじかんめいそう)」を取り入れています。
 瞑想を通じて心の中を一度リセットし、まっさらな状態へとフォーマットするのです。
 また、日々の読経の中でふと患者様のことに思いを馳せるとき、仏様からの答えのような、深い気づきが得られることもあります。
 大切なのは、「自分と他人は違う」という一線を引くことです。
 できないことはできないと律し、自分の弱さを認めること。
 それこそが、カウンセリングにおいて自分自身の心を傷つけないための防衛策となります。
 マインドフルネスの精神や、信頼できるメンター(仏様や師僧、カウンセリングの師)の存在は、私たちを「あるがままの姿」へと立ち返らせてくれます。
 認知したもの、感じたものが、その人にとっての「現実」であり、その人の生きる「世界」そのものに他なりません。
 そして、その多様な世界に寄り添い続けるためにこそ、私たちはまず、自分自身の心の平穏を保ち続けなければならないのです。

                         沙門蒼俊  合掌
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