曇り空の日は、ただ息をするだけでいい

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 現実の重みに心がすり減り、しんどさを抱えて立ち止まってしまうことがあります。
 そんなとき、私たちは知らず知らずのうちに自分を責めてしまいがちです
が、うつ病という病気の本質を正しくとらえることは、心の荷を降ろす第一歩になります。
 うつ病とは、決して怠けなどではなく「努力ができなくなる病気」です。以前なら当たり前にできていたことが、どうしてもできなくなってしまいます。
 朝起きること、身支度を整えること、人と話すこと。そんな日常の些細な行動さえも難しくなり、ただ「生きること」だけで心も身体も精一杯になってしまうのです。
 周囲の元気な人と自分を比べ、焦る必要はまったくありません。

 うつ病は特別な人がかかるものではなく、誰もが直面する可能性のある病気です。「自分のせいで病気になったのではないか」とか「過去の間違いに対するバチが当たったのではないか」などと、原因を自分自身に求めないでください。
 あなたは何も悪くないのです。
 この時期は、社会的あるいは人間関係の肩書を気にするのも一度お休みしましょう。
 大切なのは、これ以上頑張るのをやめることです。
 世間には「頑張らない生き方はダメだ」という強い偏見がいまだに残っています。
 しかし、頑張ることだけが絶対に正しい正解ではありません。休むこともまた、生きるための立派な選択です。

 蒼俊が大好きなアーティスト、KANさんの「よければ一緒に」という歌があります。
 歌詞のなかで、こんな風に優しく語りかけてくれます。

ぼくがひとりでできることなんてなにもない
君とふたりでできることならいくつもある
ぼくひとりでできることはないわけじゃないけどよければ一緒にそのほうが楽しい

 心が弱っているときは、すべてを自分ひとりで背負い込み、解決しなければいけないように思えてしまうものです。
 しかし、雨が降ったら無理に進まず、どこかで一緒に雨宿りをすればいい。 
 ひとりで歩くのが心細いときは、誰かに少しだけ手伝ってもらえばいい。
 この歌は、そんな風に私たちの強張った心をそっとほどいてくれます。人生をひとりで完璧に生き抜く必要なんて、どこにもありません。
 同時に、個人の地道な回復を待つだけでなく、社会の構造そのものが「ひとりに重荷を負わせない形」へと変わっていく必要があります。
 これ以上、うつ病に苦しむ人を増やさないために、過度な負担を強いる社会的な仕組みを見直していく時期に来ているのではないでしょうか。

 まずは、頑張ることを手放してください。完璧な言葉にならなくても、「ラララ」と口ずさむような軽やかさで、ただ息をしている今の自分を、よければ一緒に労わってあげましょう。

                         沙門蒼俊  合掌

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