思い出「救われたピエロ」

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【臆病者】





9歳の時
埼玉県の三郷団地にある
立花小学校に通っていた。

この学校で毎年行われる
運動会の時の出来事。

俺は
当時学年で1番じゃなかったけど
かけっこが早い方で
リレーの選手に選ばれた。
°˖☆◝(⁰▿⁰)◜☆˖°

特に練習とかして無かったが
鬼ごっこなどで逃げてばかりいたから
足が速くなったのかもしれない。

この時の俺は
折り紙付きの臆病者で
捕まる事が凄く怖くてたまらなかった。

追いかけてくる人の事が
まさに鬼に見えて
怖くてしょうがない。
キャ━━━━(#゚ロ゚#)━━━━ッ!!

なので
とにかく逃げる時は
必死に走り回っていた。


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【天狗】





俺は
リレーの選手に選ばれて
授業が終わった後
リレーの練習をさせられた。

この時クラスごとの練習で
練習できる曜日が決められていた。

1学年5組あったから
週1回の練習だった。

でも俺は
その練習が面倒くさい。

とりあえず自分が走った時は
クラスの子達の中で
1番を取れていたから天狗になってた。
(+・`ー'・)ドヤ


「もうクラスの子達の中には
敵がいない」
そう思ってダラダラ練習した。
ダラダラ(´Д`)

でも俺は
他のクラスに1人だけ
化け物がいる事を知っていた。


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【化け物】





他のクラスにいた化け物の名前は
「とばりあつし」君

この子は
通常の3倍の速度で疾走し
圧倒的な性能差を見せつける子だった!

しかも
背が高くガタイも良い。
マッチョ₍₍ ᕕ(´ ω` )ᕗ⁾⁾マッチョ


俺は
去年からこの子の速さを知っていた。

去年の運動会
とばりあつし君と走ったら
全くかなわず圧倒的に速かった。

この頃
足が速い子達が学年で数名居たが
とばりあつし君1人だけ突き抜けて速い。

彼だけには
天地がひっくり返っても
勝てる気がしなかった。
(´・ω・`)ショボーン


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【おひさです(。・ω・。)ノ】





運動会が近くなってきた頃
学年全体で予行練習があった。

この時は
3時間授業丸々運動会の練習に当てられた。

練習内容は
フォークダンスやバトンリレーや
障害物競走などやらされた。

この練習の中に100m競争もあり
なんと!この時
あのとばりあつし君と走れることになった。
ヾ(*´∀`*)ノ

クラスが違ったせいで
去年の運動会の時一緒に走て以来
今まで全然一緒に走った事がなく
久しぶりに彼の速さを体験できる機会だった。

そして
リレーの練習の時間が来て
とうとう一緒に競争できる機会が来た。

俺は
彼と一緒のスタート位置につき
笛の合図とともに猛ダッシュして走り出した!
ε≡≡ヘ( ´Д`)ノ


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【神の存在】





スタートダッシュは
俺が勝った!

でも
5mも走ると後ろから
とばりあつし君が追い上げてきて
我々を一気に追い越していく!

そして
あっという間にゴールしてしまい
一緒に走った我々は
走りながら呆然としてしまった。

彼のタイムは
100m17秒台と
当時圧倒的に速いタイムだった。

ちなみに俺のタイムは
20秒台だった。
ショボ──(´・ω・`)──ン

とばりあつし君の突き抜ける速さには
学年の子全員
もう完全に彼に勝つことを諦めた感がった。

なので彼の事は
誰からもねたまれず
雲の上の人にしか見えない。
 m(゚-゚*m)カミサマ…



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【限界突破】





そして数日後
また学年全体でやる
運動会の予行練習があった。

この時俺は
リレーの練習の時
とばりあつし君にとてもかなわないけど
試しに限界以上で走ってみようと思った。

限界以上の走りとは
走っている時ワザと前のめりになり
倒れそうになるのを走って抑える方法。

俺は
この作戦で挑もうと計画した。
(ΦωΦ)ふふふ・・・・

そして
スタートについて
とばりあつし君と走り始めた!

俺は
作戦通り前のめりになり
倒れそうな状態を走りで支えて走った!
ヒィィッ!!∑(;Д;ノ)ノ

しかし
またとばりあつし君が
後方内側から一気に追い上げてきて
あっという間に抜かれてしまった。


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【秘策】





この結果で俺は
もうとばりあつし君に勝つ事を
半ば諦めてしまった。
(ノД`)シクシク

でも俺には
最後の秘策があった。
(ФωФ)フフフ・・・

その秘策とは
「とばりあつし君を転ばせてやろう」
と言う秘策だった。

彼の情報として
スタートすると
必ず1番後ろから追い上げてくる。

それに抜かしていく時は
必ずカーブで内側から抜かしてくる。

俺は
彼の走りを研究して
この貴重な情報を収集してた。

そして運動会当日
この作戦を実行する時がやってきた。


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【作戦実行】





そして運動会が始まり
時間に進むにつれて
運動会のメインイベントの
100m競争の時がやってきた!

俺は
超卑怯必殺の転ばし作戦をひっさげて
スターラインに立った。
(ФωФ)フフフ・・・

そして位置につき
スターとのピストルがなった!

俺は
スタートダッシュすると
予定通りとばりあつし君は
一番後方にいる。

そして
第1カーブに差し掛かると
ここから彼が一気に追い上げて
我々を内側から追い抜かしていく予定。

俺は
第1カーブ近くで
彼が追い上げてくる気配を感じた!

そして俺の真後ろに来た時
ワザとらしく内側にはみ出してやった!
(*`∀´*)ケケケッ


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【神の本領】





その瞬間とばりあつし君は
思惑通り俺に引っかかり
前のめりで転んでしまった!

この時俺は
「これでかなり差が開けたから
もう追い越す事が出来まい!」
そう確信した!

しかし!
とばりあつし君は
転んだのにもかかわらず
あっという間に我々全員を追い抜いて行った!

もうその光景を見た俺は
呆然とするしかなく
完全に勝つ事を諦めてしまった。
(ノД`)シクシク

そして
圧倒的な速さで我々を引き離し
1番でゴールしてしまった。
( ゚ q ゚ )ボーゼン…

でも
もしこの作戦で俺が勝ててたら
こんな卑怯な事をして
一生悔いが残ったかもしれない。

そんな事を思うと
とばりあつし君が勝ってくれて
俺が彼に救われたのかもしれない。
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