「エントリーシートをAIで作成したんですが、大丈夫ですか?」
学生さんからそう問いかけられた。
「どうしてそう思うんですか?」と尋ねると、
学生さんは“自分の言葉”で書くことの意味を考え、少し罪悪感を抱いていた。
「AIにどんな指示を送ったの?」
「まずは自分で考えて、修正してもらいました。」
その言葉を聞いて、少し安心した。
AIを使うこと自体が問題ではなく、
そこに“自分の意志”があるかどうかが大切なのだと思う。
「ここに書いている内容と、自分の中で何か違うという違和感はあるの?」
「いいえ、無いです」
「どんな罪悪感がある?」
「自分の文章力ではここまで書けないので」
「そっか。自分の実力じゃないと思うんだね。」
「じゃあ、履歴書は手書きで書くの?」
「書きません。」
「そこに罪悪感はある?」
「無いです。」
「どうして無いんだろうね?」
「え、だってみんなやってるから。」
「みんなAIで作成していると、自分も安心できる?」
学生さんは、少し考えて、うなずいた。
最近では、企業側もAIの利用を前提に選考を進めている。
それでも、文章の「芯の一貫性」や「経験のリアリティ」は必ずチェックしている。
内容が本人の経験と一致していれば問題はない。
けれど、そうでない場合は、面接での受け答えが噛み合わず、信頼を損ねるリスクがある。
その点、私は「今の時代にAIをまったく使えないことの方が、
企業から心配されるのではないか」とも感じている。
AIを使うかどうかではなく、どう使いこなすかが問われているのだと思う。
「じゃあ、もしみんながAIで作成しているとして
みんなの中で差をつけるために大切なことはなんだと思う?」
「なんだろ……」
学生さんは、しばらく考えてから言った。
「わからないです。けど、面接で深堀りされた時にちゃんと答えられるか心配です。」
「じゃあ、その不安を安心に変えるための面談の時間にしませんか?
そして終わったら、もう一度エントリーシートを見直しませんか?」
そう言うと、学生さんは「はい!それでお願いします。」と少し笑った。
AIが書く時代だからこそ、
“自分の言葉”を見つけ直す時間を、
一緒に伴走していきたいと思う。