「強いて言うなら?」で見つける、自分でも気づいていなかった成長
「最近、何か成長したことはありますか?」
こう聞かれたとき、
「いや、特にないです」
「何も変わっていない気がします」
「むしろ前よりダメになっているかも」
そんなふうに思ってしまうことはありませんか?
僕は、そんなときに使ってほしい言葉があります。
それが、
「強いて言うなら?」
という言葉です。
「成長したことは?」と聞かれると、何か大きな成果を探してしまいます。
仕事で結果を出した。
収入が増えた。
資格を取った。
苦手なことができるようになった。
もちろん、それも成長です。
でも、人の変化って、そんなに分かりやすいものばかりではないと思うんです。
「強いて言うなら、前より少し休めるようになったかな」
「強いて言うなら、落ち込んでも戻ってくるのが少し早くなったかな」
「強いて言うなら、嫌なことを嫌だと思えるようになったかな」
「強いて言うなら、一人で抱え込まずに誰かに話せるようになったかな」
僕は、こういう変化もすごく大切だと思っています。
僕自身、これまで仕事がうまくいかなかったり、何度も環境を変えたり、心身ともに立ち止まったりしてきました。
以前の僕は、できていることよりも、できていないことを見ることが多かったです。
「もっと頑張らなきゃ」
「これくらいできないと」
「まだまだ足りない」
そんなふうに考えていました。
でも今振り返ると、
「疲れている自分に気づけるようになった」
「今日は休んだほうがいいと考えられるようになった」
「全部やらなくてもいいと思えるようになった」
そんな変化もありました。
ものすごく小さな変化です。
でも、以前の僕には難しかったことなんですよね。
人って、毎日自分と一緒にいるので、自分自身の変化には意外と気づきにくいものです。
毎日見ている景色が少しずつ変わっても、なかなか気づかないのと似ているかもしれません。
そして真面目に頑張っている人ほど、
「これくらい普通」
「もっとできている人がいる」
「こんなことで自分を褒めたら甘えてしまう」
と、自分の変化をなかったことにしてしまうことがあります。
でも、少し考えてみてください。
以前なら、誰かの一言を何日も引きずっていたのが、今は一晩で少し落ち着けるようになった。
以前なら、何でも自分のせいだと思っていたのが、
「これって本当に全部僕・私の責任なのかな?」
と一度立ち止まれるようになった。
以前なら、つらくても「大丈夫です」と言っていたのが、
「今日はちょっとしんどいです」
と言えるようになった。
これって、何も変わっていないでしょうか?
僕はそうは思いません。
むしろ、とても大切な変化だと思っています。
そして、もう一つ伝えたいことがあります。
「気づけるようになった」だけでも、成長です。
まだ行動を変えられなくても大丈夫です。
「また自分を責めてるな」
と気づいた。
「僕、本当は嫌だったんだ」
と気づいた。
「今、無理して笑っているかも」
と気づいた。
「本当は誰かに話を聞いてほしいんだ」
と気づいた。
それまで無意識だったものが見えるようになった。
それだけでも、以前とは違います。
僕は人のお話を聴いていると、
「この人、ちゃんと変わっているのにな」
と思うことがよくあります。
でも、ご本人は、
「全然変われていません」
と言うんです。
そんなとき僕は、一緒に過去を振り返ります。
すると、
「あ……そう言われてみれば」
という瞬間があります。
僕は、その瞬間がとても好きです。
誰かから「成長したね」と評価されるというより、
自分自身で「僕・私、ちゃんと進んでいたんだ」と気づく。
それだけで、自分を見る目が少し優しくなることがあります。
もし今、
「何も変われていない」
「全然成長できていない」
「自分だけ止まっている気がする」
と感じているなら、すぐに答えを出さなくても大丈夫です。
一度だけ、自分に聞いてみてください。
「強いて言うなら?」
強いて言うなら、前より何ができるようになった?
強いて言うなら、何に気づけるようになった?
強いて言うなら、何をやめられるようになった?
強いて言うなら、少し楽になったことは?
すごい答えじゃなくて大丈夫です。
「前より少しだけ自分に優しくなれたかも」
そのくらいで十分です。
もし一人では見つからないときは、誰かと話しながら探してみるのも一つだと思います。
話しているうちに、
「そういえば、前とは少し違うかも」
と気づくことがあります。
みなさんが「何も変わっていない」と思っているその時間の中にも、ちゃんと積み重なっているものがあるかもしれません。
今日はぜひ、
「強いて言うなら、僕・私は何が変わったかな?」
と考えてみてください。
その小さな答えを、どうか「こんなの大したことない」と捨てないでくださいね。
その「少し」が、みなさんがここまで歩いてきた大切な一歩なのかもしれません。