「もっと早く知っていればよかった」
「もっと早く気づいていればよかった」
「もっと早く行動していたら、こんなに苦しまなかったのに」
何か大切なことに気づいたとき、こんなふうに過去を振り返ってしまうことはありませんか?
僕自身もあります。
僕はこれまで、仕事を何度も変えてきました。
「今度こそ頑張ろう」
「もっとちゃんとしなきゃ」
「周りはできているんだから、僕にもできるはず」
そう思いながら頑張ってきました。
でも、うまくいかないこともたくさんありました。
心や身体がつらくなってから、ようやく気づいたこともあります。
「ああ、僕はこういう環境が苦手だったんだ」
「本当は、ずっと無理していたんだ」
「頑張り方を変えてもよかったんだ」
そんなことに気づくたびに、
「もっと早く知っていればなぁ」
と思うことがありました。
もっと早く自分のことを理解できていたら。
もっと早く自分の気持ちを大切にできていたら。
もっと違う生き方ができたんじゃないか。
そんなふうに考えてしまうんですよね。
でも今は、少し違う見方もしています。
もしかしたら、人にはそれぞれ「気づけるタイミング」があるのかもしれません。
昔の僕に、
「無理しなくていいよ」
「自分を大切にしていいよ」
「そんなに自分を責めなくてもいいよ」
と伝えても、素直に受け取れなかったかもしれません。
「いや、もっと頑張らなきゃ」
と思っていた可能性もあります。
同じ言葉でも、届くときと届かないときがあります。
経験したからわかること。
苦しかったからこそ、初めて受け取れる言葉。
遠回りしたからこそ、
「ああ、そういうことだったのか」
と気づけることもあります。
なので、もし今、
「もっと早く気づけばよかった」
と思っていることがあるなら、その気持ちまで否定しなくて大丈夫です。
悔しかったら、悔しがっていい。
悲しかったら、悲しんでいい。
「あのときこうしていれば」と考える日があってもいい。
ただ、そこで終わらずに、もう一つだけ言葉を付け加えてみてほしいんです。
「でも、今気づけてよかった」
過去の自分に、
「なんで気づかなかったの?」
と問い続けるより、
今の自分に、
「じゃあ、これからどうしたい?」
と聞いてみる。
この違いは、とても大きいと思っています。
すぐに答えが出なくても大丈夫です。
「少し休みたい」
「本当は仕事がつらい」
「あの人との関係に疲れている」
「誰かにわかってほしかった」
そんな気持ちに気づくだけでも、一歩だと思うんです。
僕がいろいろな方のお話を聞いていると、
「こんなことで相談していいのかわからなかった」
と言われることがあります。
でも、悩みに大きい、小さいはありません。
そして、必ずしも「答えを出すため」に誰かと話す必要もないと思っています。
話しているうちに、
「あれ? 本当はこれが嫌だったのかも」
「僕はこうしたかったんだ」
「ずっと自分を責めていたんだな」
と、自分自身で気づくことがあります。
僕は、その「気づけた瞬間」をとても大切にしています。
誰かに正解を決めてもらうのではなく、
「自分はどうしたいんだろう?」
を一緒に見つけていく。
そんな時間があってもいいと思っています。
もし今、
「もっと早く気づけばよかった」
と思っていることがあるなら、
今日が遅かったわけではありません。
今日だから気づけたのかもしれません。
30歳でも、40歳でも、50歳でも、60歳でも。
気づいたところから、少しずつ選び直していけばいい。
過去を変えることはできません。
でも、
「これから自分をどう扱ってあげるか」
は、今から少しずつ変えていけます。
一人で考えていると、同じところをぐるぐるしてしまうこともあります。
そんなときは、誰かに話してみるのも一つの方法です。
結論が出なくてもいい。
うまく説明できなくてもいい。
「何に悩んでいるのか、自分でもよくわからない」
そんな状態からでも大丈夫です。
もっと早く、ではなく、
「今、気づけてよかった」
そして、
「これからどうしたい?」
そこから、一緒にゆっくり考えていけたらいいですね。